注文住宅・新築住宅での電気工事計画。暮らしやすさを左右する視点とは?
電気工事計画=“暮らし方の可視化”
注文住宅では、自分たちのライフスタイルに合わせて自由に設計できるのが魅力です。しかし、自由度が高い分、施主自身の“判断”が求められる場面も多くなります。その中でも、電気工事は日々の生活をどれだけ快適にできるかに直結する非常に重要な計画要素です。
間取りやデザインと並び、“暮らしやすさを形にする”のが電気計画の本質だと言えるでしょう。
暮らしを見通す4つの視点とは?
1. 「時間帯別の生活動線」を意識する
朝起きてから寝るまで、家の中で人がどう動くか。時間帯別に想定して電源や照明を計画すると、毎日の家事・育児・仕事がスムーズに流れます。
【例】
・ 朝:洗面所にドライヤーとアイロンの同時使用ができる電源容量
・ 昼:リビングでテレワークを行うスペースにLAN+複数電源
・ 夜:ベッドに入りながら調光できる照明スイッチの配置
このように「時間」「人の動き」「使う機器」の3点を照らし合わせて設計することが、暮らしやすさを大きく左右します。
2. 「家族ごとの役割・使い方」に着目する
夫婦・子ども・高齢者といった家族構成や、それぞれの部屋の使い方によっても電気設備の必要量と種類が異なります。
【家族別のニーズ例】
・ 小さな子ども:リビング学習で手元照明+タブレット充電用USBコンセント
・ 高齢者:夜間でも足元を照らす足元灯+人感センサー照明
・ 夫婦:それぞれにスマホ、PC、ドライヤーなどが必要な洗面所や寝室の電源口
つまり、「誰が・どこで・何をするのか」を徹底的に洗い出すことが、満足度の高い電気工事計画の第一歩になります。
3. 「家具配置と干渉しないレイアウト」
意外と多いのが、「設置してから家具と干渉してコンセントが使えなくなった」という失敗です。図面上ではわかりにくくても、家具の奥行き・高さ・配置予定と電源位置を立体的に捉えることで、トラブルを未然に防げます。
特に注意すべきは次の3点です。
・ テレビ背面の電源&アンテナ端子は壁の中央付近に配置
・ ベッドサイドのコンセントはナイトテーブルと干渉しない高さに
・ 冷蔵庫や洗濯機の電源は“差したまま隙間が取れる”位置が理想
4. 「将来的な変化や増設」も前提にする
家は住んでから10年、20年と変化していきます。
子どもが増える、独立する、リフォームする、EVを買う、太陽光を導入する──そんな変化に備えるには、余裕ある配線計画と“アップデート可能な仕組み”を作っておくことが必要です。
具体的には、
・ 各部屋に空配管を通しておく(将来のLANやEV電源に対応)
・ 分電盤の回路数を多めに確保
・ 屋外や外壁に電源ボックスの設置スペースを確保
これらの視点を取り入れることで、新築住宅の「完成度」と「暮らしの満足度」は確実に向上します。
★ 電気工事に関する相談内容ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください
住宅もオフィスも!電気工事に関する相談の基礎知識と成功の秘訣