LANケーブル

2024.06.22

LANケーブルを屋外に埋設しても大丈夫?施工方法と注意点を解説

 

LANケーブルを埋設する目的とは?

LANケーブルを埋設する最大の目的は、屋外において安定した通信環境を確保することにあります
屋外ではWi-Fiの電波が距離・障害物・気象条件の影響を強く受けるため、無線通信だけでは映像が途切れたり通信が不安定になったりすることがあります
このような課題を解決するために、LANケーブルを地中に埋設して有線接続を行うことで、通信を長距離かつ高品質に維持することが可能になります

屋外LANの埋設は、外観・安全・通信品質の3つの観点からも重要です。
まず外観面では、ケーブルを露出させずに地中へ通すことで景観を損なわず、施設や住宅のデザインをすっきりと保てる点が挙げられます。
さらに、安全面でも風雨・紫外線・落下物などの外的要因からケーブルを保護でき、断線や劣化を防ぐことができます。
特に駐車場や庭など、人や車の往来が多い場所では、露出配線よりも埋設方式が圧倒的に安全です。

また、LANケーブルを埋設することによって、通信の安定性が飛躍的に向上します。
電磁波の影響を受けにくく、ノイズ混入や電波干渉を最小限に抑えられるため、監視カメラやIoTセンサーなどの常時稼働するネットワーク機器にも最適です。
特にPoE(Power over Ethernet)給電対応の設備では、LANケーブル1本で電源供給とデータ通信を同時に行えるため、電源工事を削減できるという大きなコストメリットもあります。

さらに、防犯やセキュリティの観点でも埋設LANの導入は有効です。
屋外監視カメラや防犯灯をLAN経由で接続することでリアルタイム監視が可能になり、遠隔操作や録画管理にも対応できます。
これにより、敷地全体の安全性が向上し、施設の資産価値を高める効果も期待できます。

総じて、LANケーブルの埋設は「通信品質の安定化」「安全性の向上」「景観維持」の三拍子が揃った施工手法です
屋外LAN配線を計画する際は、耐候性・防水性・ノイズ対策などを踏まえて適切な設計を行うことで、長期的に信頼できるネットワーク環境を構築することができます
特に近年は、スマートホーム・防犯カメラ・IoT機器・Wi-Fi中継器など、LAN埋設が欠かせないシーンが急速に増えており、安定した通信基盤づくりの要として注目されています。

 

 


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現代の生活において、インターネットは水道や電気と同じくらい欠かせない存在となりました。動画配信、リモートワーク、オンライン授業、IoT家電の利用など、安定した通信環境が日常に直結しています。しかし、意外と見落とされがちなのが「LAN配線の品質」です。

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なぜLAN配線が重要なのか?通信トラブルの多くは“配線”が原因

多くのご家庭やオフィスでは、Wi-Fiルーターのスペックや通信プランばかりに注目しがちですが、「LAN配線の劣化」や「不適切な配線方法」が原因で通信速度が落ちているケースも少なくありません。

よくあるLAN配線のトラブル事例

・ 築年数の経った住宅で使用されている古いLANケーブル

・ 天井裏や床下での断線・接触不良

・ 無理な分岐や延長による信号劣化

・ 外部ノイズによる通信エラー(特に電源ケーブルと並行に配線されている場合)

こういった問題は、通信機器をいくら高性能にしても解決できません。根本から快適な通信環境を整えるには、適切なLAN配線工事が必要不可欠です。

LAN配線を見直すメリットとは?

LAN配線工事をプロに依頼して改善すると、以下のようなメリットがあります

✅ 通信速度の向上:光回線本来のスピードを最大限に引き出せる

✅ Wi-Fiの安定化:メッシュWi-Fiやアクセスポイントとの相性も◎

✅ 業務効率アップ:オンライン会議やクラウド業務がスムーズに

✅ 防犯カメラやIoT機器との連携が快適に

✅ 将来の回線増設やリフォーム時の拡張性も確保

「電気工事110番」のLAN配線サービスが選ばれる理由

LAN工事は、単にケーブルを通すだけではなく、建物構造や配線経路、ネットワーク機器との整合性を熟知したプロの知識が求められます。

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特徴内容
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✅ 有資格者による施工電気工事士資格を持つプロが対応
✅ 累計相談実績30万件以上多くのユーザーから高評価

LAN配線工事の具体例:こんなシーンで活用されています

戸建て住宅

・ リビング、書斎、子供部屋にLANを分配して快適ネット環境を構築

・ 防犯カメラのPoE接続やNAS設置にも対応

賃貸マンション

・ 原状回復に配慮した露出型モール工事

・ Wi-Fiの届かない部屋への有線接続

オフィス・店舗

・ 社内ネットワークの設計、配線、ハブ設置まで一括対応

・ POSレジや監視カメラの安定接続工事も

LAN配線はプロに任せて、安心・快適な通信環境を!

通信トラブルの原因がWi-Fiや回線プランではなく、「LAN配線の問題」だったという事例は少なくありません。正しく配線された有線LAN環境こそが、真に安定したネットワークの基盤となります。

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屋外LAN配線の基本構造(埋設・露出・配管)

屋外でLANケーブルを配線する際には、埋設・露出・配管の3つの方式が存在します
これらはそれぞれ施工環境・目的・コスト・保守性が異なり、適切な構造を選ぶことで通信の安定性と耐久性を確保できます
ここでは、それぞれの構造の特徴と選定ポイントを詳しく見ていきましょう。

【屋外LAN配線の3構造方式の比較】

配線方式特徴メリットデメリット推奨用途
埋設方式LANケーブルを地中に埋める見た目がすっきり・安全性が高い掘削作業が必要・コスト高駐車場・庭・建物間配線
露出方式外壁やフェンスにケーブルを固定施工が簡単・工期が短い紫外線や雨に弱く劣化が早い仮設・短期配線・屋根下
配管方式PF管など保護管に通す防水・防湿・断線防止に最適材料費がかかる恒久的設置・屋外LAN全般

埋設方式:見た目と安全性を両立する構造

埋設配線は、LANケーブルを地中に通すことで、外観を損なわず安全性を確保できる構造です。
ケーブルを直接埋めるのではなく、必ずPF管(可とう電線管)やCD管を使用し、防水・防湿処理を施すのが基本です。
この方式は、人や車の通行が多いエリアや屋外設備間の接続に最適で、特に監視カメラ・防犯灯・Wi-Fi中継器などを設置する際に多用されます。

埋設方式の最大のメリットは、外部環境からLANケーブルを完全に保護できる点です。
風雨・紫外線・衝撃・動物の咬害など、外的要因による劣化を防ぎ、長期的に安定した通信品質を維持します。
また、景観を損なわないため、住宅・マンション・公共施設・商業施設など、外観重視の建物でも採用されています。

一方で、埋設方式には掘削作業や配管設計の手間が発生します。
施工コストは他方式よりやや高くなりますが、10年以上の安定稼働とメンテナンス軽減を考慮すれば、長期的な費用対効果が高い工法といえます。

露出方式:簡易設置に適した短期向け構造

露出配線は、LANケーブルを外壁・フェンス・屋根下などに直接固定して配線する方法です。
施工が非常に簡単で、工期・コストを抑えられるのが最大のメリットです。
小規模な一時的ネットワーク構築やイベント・仮設オフィス・工事現場などで多く採用されています。

ただし、露出配線は耐久性に大きな課題があります。
紫外線・雨・塩害などの影響を受けやすく、ケーブル外皮が硬化・ひび割れ・断線することがあります。
そのため、屋外で使用する場合は必ずUV耐候・耐水仕様の屋外用LANケーブルを選定し、ステンレスバンドや屋外用クランプで確実に固定することが重要です。

また、露出配線ではケーブルを建物の金属部や電力線から離すことで、電磁ノイズによる通信障害を回避する工夫も必要です。
適切に施工すれば、短期利用や補助的ネットワークとして十分機能します。

配管方式:防水・防湿・断線防止を実現する高耐久構造

配管配線は、LANケーブルをPF管・VE管などの電線保護管に通して配線する方法です。
屋外LAN配線では最も推奨される構造であり、防水・防湿・耐圧・断線防止性能が高いのが特徴です。

特に、地中や外壁下を通す場合は、PF管(耐候・耐衝撃タイプ)を使用し、勾配をつけて水抜き設計を行うことで、結露や浸水を防げます。
また、配管の接続部には防水テープやコーキング材を施して気密性を確保し、ケーブル内部への水分侵入を防止します。
このような構造は、工場・学校・オフィスビル・商業施設など長期運用を前提とする環境に最適です。

配管方式のもう一つの強みは、メンテナンスと拡張の容易さです。
将来的に機器を追加する場合でも、既存の配管を利用して新しいLANケーブルを通線できるため、再施工の手間が大幅に削減されます。
長期的な視点で見れば、初期費用以上のメリットを発揮する施工方式です。

屋外LAN配線を選定する際のチェックポイント

屋外LAN配線方式を選ぶ際には、以下の要素を総合的に判断することが重要です。

・ 配線距離と施工場所(地中、外壁、屋根、フェンスなど)

・ 雨水、紫外線、振動などの外的環境リスク

・ 通信機器の種類(PoEカメラ、Wi-Fi中継器、IoTデバイス)

・ メンテナンス頻度と将来拡張の有無

・ 見た目・景観を重視するかどうか

これらを整理した上で、埋設+配管のハイブリッド構造を選択すると、美観・耐久・通信品質をすべて両立できます。
特に、PoE給電やCat6Aケーブルを使用する場合は、配管による放熱・防湿設計が不可欠です。

環境と目的に合わせた屋外LAN構造を選ぼう

屋外LAN配線の設計では、環境条件と使用機器に最適な構造方式を選ぶことが成功の鍵です
短期利用なら露出方式、長期安定運用なら埋設+配管方式を基本とし、防水・防湿・断線防止処理を徹底しましょう
特に監視カメラ・Wi-Fi・IoT機器など常時稼働する設備では、耐候性・耐久性・通信安定性を重視したLAN配線構造が必須です

屋外LANの設計・施工は、単なる配線作業ではなく、通信インフラの品質と安全性を左右する重要工程です。
正しい構造選定と専門的な施工を行うことで、10年以上安定して稼働する屋外ネットワーク環境を実現できます。

 

 

LAN配線について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

LAN配線とは?家庭やオフィスで活用する基本と工事のポイント

 

埋設に適したLANケーブルの種類(Cat6A・耐候・二重シールド)

屋外や地中にLANケーブルを埋設する場合、適切なケーブル選定が通信品質と耐久性を左右します
一般的な室内用ケーブルでは、紫外線・雨水・温度変化などの影響で数年以内に劣化や断線が発生する可能性があります
したがって、埋設には屋外対応かつ耐候・防水仕様のLANケーブルを選ぶことが不可欠です
ここでは、埋設に適した代表的なLANケーブルの種類と特徴を詳しく解説します。

【埋設に適したLANケーブルの主な種類と性能比較】

ケーブル種類規格速度シールド構造特徴推奨用途
Cat6A(カテゴリー6A)最大10Gbps(100m)UTPまたはSTPノイズ耐性と高速通信を両立PoEカメラ・中継器・屋外LAN
屋外用耐候LANケーブル最大1〜10GbpsUTP紫外線・水分・温度変化に強い外皮構造外壁・屋根下・露出配線
二重シールドLAN(S/FTP)最大10〜40Gbps外部+ペアシールド電磁波干渉を大幅カット工場・鉄塔・発電設備など高ノイズ環境
ゲル充填型防水LANケーブル最大10GbpsSTP内部に防水ジェルを封入し浸水防止地中埋設・湿地エリア
PoE対応高耐熱LANケーブル最大10Gbps+電力伝送STP発熱を抑えPoE++給電にも対応PoEカメラ・センサー・LED照明給電

Cat6Aケーブル:高速通信と信頼性を兼ね備えた標準仕様

埋設LANにおいて最も一般的に使用されるのが、Cat6A(カテゴリー6A)規格のLANケーブルです。
Cat6Aは、最大10Gbps通信を100mまで安定維持できる高性能ケーブルで、屋外LAN配線における基本標準とされています。
内部導体が太く、伝送損失が少ないため、PoE給電時の電圧降下を抑えられるという利点もあります。
また、ノイズに強く・長距離通信に安定しており、監視カメラ・Wi-Fiアクセスポイント・IoT中継装置などの設置にも最適です。

Cat6Aには「UTP(非シールド)」と「STP(シールド)」の2タイプがあり、電磁ノイズが多い環境ではSTPを選定するのが望ましいです。
さらに、屋外用外皮(PE被覆)のモデルを選べば、紫外線・湿気・温度変化に強く劣化しにくいため、長期的な安定運用が可能になります。

屋外用耐候LANケーブル:外的環境に強い設計

屋外用耐候LANケーブルは、外皮に耐候性ポリエチレン(PE)やPVC難燃素材を採用しており、紫外線・雨水・風雪・塩害などの屋外環境に強いのが特徴です。
外壁やフェンス、屋根下などに露出配線する場合に最適で、太陽光の直射や結露による劣化を防ぐ効果があります。
特に沿岸部や高温地域などでは、通常のケーブルでは外皮が硬化して断線するため、耐候仕様が必須となります。

また、屋外耐候ケーブルはPoE給電にも対応している製品が多く、監視カメラ・通信アンテナ・Wi-Fi中継器などをLAN一本で給電・通信できる点が魅力です。
施工時には、必ず防水コネクタ(RJ45 IP67規格)を使用して、端末部分の水分侵入を完全に防止することが重要です。

二重シールドLANケーブル:ノイズ干渉を最小限に抑える高性能モデル

二重シールドLANケーブル(S/FTP構造)は、内部のツイストペアごとにアルミ箔でシールドし、さらに全体を編組シールドで覆った高遮蔽型構造です。
この構造により、電磁波ノイズやクロストークを徹底的に抑制し、安定した通信を実現します。
特に工場・鉄塔・送電設備・高圧ライン近辺など、強電系設備が隣接する環境では、二重シールドが必須といえます。

また、ノイズ対策だけでなく、PoE給電時の発熱抑制・信号減衰の防止にも優れており、10Gbps通信を長距離安定維持できるのが特長です。
施工の際は、アース接続(接地)を適切に行い、シールドの効果を最大化させることが重要です。

ゲル充填型防水LANケーブル:埋設に最適な完全防水仕様

ゲル充填型LANケーブルは、ケーブル内部に防水ジェルを充填した特殊構造で、水の浸入を完全に防ぐ設計です。
地中配管内に結露や浸水が発生しても、信号線に水分が触れないため通信品質が維持されます。
特に、雨水が溜まりやすい地盤や湿地エリアでは、このタイプが最も信頼性の高い選択肢となります。

ゲルタイプは通常のLANケーブルよりも柔軟性が低いため、施工時は曲げ半径に余裕を持たせることがポイントです。
また、防水性能を最大化するため、両端の端末処理に防水ボックスを併用することが推奨されます。

PoE対応高耐熱LANケーブル:給電性能を重視した新世代ケーブル

近年のLAN施工では、PoE給電(Power over Ethernet)対応が標準化しています。
PoE対応ケーブルは、データ通信に加えて電力を同時に伝送できる構造で、カメラ・センサー・Wi-Fiアクセスポイント・照明機器などに活用されています。
ただし、給電時には発熱が生じるため、高耐熱構造のCat6AまたはCat7クラスのケーブルを選ぶことが重要です。

PoE++(IEEE802.3bt)に対応した高耐熱LANケーブルは、90Wクラスの電力伝送を安定供給でき、遠距離でも電圧降下を抑制します。
これにより、屋外監視カメラやLED照明などの電源レス設備が実現し、配線工数・コストを削減できます。
PoE用LANケーブルは、遮蔽・放熱・導体構造の3要素が通信品質を左右するため、信頼性の高いメーカー製品を選定するのが望ましいです。

埋設環境に合わせたケーブル選びが通信品質を決める

埋設LANケーブルの選定では、通信速度・耐候性・防水性・ノイズ対策・PoE対応を総合的に考慮することが重要です
Cat6Aを基本に、屋外耐候・二重シールド・ゲル充填型といった仕様を組み合わせることで、10年以上安定稼働する屋外ネットワークが実現します。
特にPoE給電を行う場合は、高耐熱・低損失ケーブルを選び、正しい配管設計と防水端末処理を行うことで、通信と電力の両立を安全に実現できます。

埋設LANは、「どのケーブルを選ぶか」で通信品質・施工寿命・保守性が大きく変わります
正しいケーブル選定は、安定通信と長期運用を支える最初の一歩なのです。

 


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埋設時の施工手順と深さの目安

LANケーブルを地中に埋設して配線する工事は、通信の安定性を確保するために正しい手順と適切な深さで施工することが極めて重要です
間違った施工を行うと、断線・浸水・ノイズ混入などのトラブルが発生し、通信障害や設備故障を引き起こすおそれがあります
以下では、屋外LANケーブルの埋設工事を行う際の標準的な施工手順と深さの基準を詳しく解説します。

【LANケーブル埋設工事の基本工程】

工程番号作業内容目的注意点
施工計画・ルート設計最短経路と安全確保電力線・給水管・ガス管との距離を確保
掘削作業配管を埋設するための溝を掘る深さ20〜40cmを目安。地盤状況を確認
配管設置PF管・CD管などを地中に敷設曲げ角度は90°以下。継ぎ目を防水処理
通線作業LANケーブルを配管内に通すケーブルに引張力をかけすぎない
接続・端末処理機器との接続端を整備防水コネクタ・ボックスを使用
埋め戻し・仕上げ保護・固定・警告表示砂埋め+警告テープで識別性を確保

1. 施工計画・ルート設計:安全と効率を最優先に

まず最初に行うのが、LAN配線ルートの設計と施工計画の策定です。
地中にケーブルを通す際は、電力線・水道管・ガス管・排水管など他の埋設物との干渉を避ける必要があります。
特に電力線との距離は30cm以上離すことが推奨されており、電磁誘導によるノイズ干渉を防ぐためにも重要なポイントです。

また、ケーブルルートはできるだけ直線的かつ最短距離に設計し、曲げ箇所を減らすことで通線時の抵抗を軽減します。
将来的に保守や増設を行う場合を想定し、点検口(ハンドホール)を適切な位置に設けるのも有効です。

2. 掘削作業:深さ20〜40cmが基本の目安

次に行うのが、地面の掘削作業です。
埋設深さの基準は以下の通りです。

【LANケーブル埋設深さの一般基準】

施工場所推奨深さ備考
庭・芝生・歩行エリア約20〜30cm軽荷重・保守性重視
駐車場・車両通行エリア約40〜50cm圧力負荷を考慮
コンクリート下・舗装面約30〜40cm管理用スリーブで保護
湿地・水はけの悪い地盤40cm以上防水性重視。砂敷き併用

 

埋設深さは浅すぎると地表の熱・衝撃・凍結の影響を受けやすく、深すぎると施工コストが増大するため、環境に応じた適正深度の設定が必要です。
また、配管を設置する際は底に砂を敷き、配管の下を平らに整地しておくことで、圧力や振動による管の変形を防止します。

4. 配管設置:PF管でケーブルを保護

掘削後、LANケーブルを通すためのPF管またはCD管を敷設します。
地中では直埋め施工は厳禁であり、必ず保護管を使用することが原則です。

【配管設計のポイント】

・ 配管の曲げは90°以下に抑え、通線抵抗を低減

・ 継ぎ目部分には防水テープやシーリング剤を使用

・ 配管端部には防水キャップまたは防水ボックスを設置

・ 長距離配管では水抜き勾配(約1/100〜1/200)をつけて結露を防止

特にPF管は耐候・耐衝撃性が高く柔軟性もあるため、屋外LAN配線では最も多く採用されています。
また、CD管は低コストで施工性が良いものの、紫外線に弱いため埋設専用として使用するのが基本です。

4. 通線作業:ケーブルを慎重に引き込む

配管の設置が完了したら、LANケーブルを通線ワイヤー(スチールワイヤー)で引き込みます。
この際にケーブルを強く引っ張ると、内部のツイスト構造が損傷して通信品質が低下するため、引張強度を超えないよう注意します。

ケーブルの引き込み方向は、できるだけ低い位置から高い位置へ行うとスムーズに進みます。
また、ケーブルの余長(20〜30cm)を両端に確保しておくことで、後の端末処理や機器交換時の余裕を持たせられます。
LANケーブルが複数通る場合は、番号タグや識別チューブを用いて管理すると、メンテナンス時の識別が容易になります。

5. 接続・端末処理:防水と耐久性を確保

通線が完了したら、両端をRJ45防水コネクタまたは防水ボックスで処理します。
屋外では雨水や湿気が侵入しやすいため、コネクタ部の防水性確保が最重要です。
さらに、PoE給電を行う場合は、接点部の酸化防止グリスを塗布し、長期的な電気接触の安定を確保します。

また、機器接続部は地表面よりも高い位置(地上10〜20cm程度)に配置し、浸水による短絡リスクを回避することが推奨されます。
必要に応じて防水カバーやステンレスボックスを使用し、耐候性を高めましょう。

6. 埋め戻し・仕上げ:配管保護と識別を確実に

最後に、設置した配管を砂で保護したうえで埋め戻しを行います。
このとき、配管上部に警告テープ(Warning Tape)を敷設することで、将来の掘削工事時に誤ってケーブルを切断するリスクを防止できます。

埋め戻し後は、地表面を平らに整地し、必要に応じてアスファルトやコンクリートで仕上げます。
また、施工記録としてルート図・深さ・配管種別・施工日を図面化し、メンテナンス台帳に保存しておくことが望ましいです。

正しい手順と深さがLAN埋設の品質を決める

LANケーブルの埋設は、単なる配線ではなく通信インフラの信頼性を支える施工技術です
掘削から埋め戻しまでの各工程で、防水・防湿・配管保護・深度管理を徹底することで、10年以上安定稼働する屋外LANネットワークが実現します

特に深さの目安を守り、PF管・防水コネクタ・警告テープなどの基本対策を確実に行えば、断線・浸水・劣化のトラブルを防止できます。
LAN埋設工事は見えない部分だからこそ、施工品質が通信品質を左右するという意識を持ち、専門業者による確実な工事を行うことが大切です。

 

 

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新築住宅にLAN配線は必須?その理由とメリットを徹底解説

 

防水・防湿・断線防止のための配管設計

LANケーブルを屋外や地中に埋設する際に最も重要なのが、防水・防湿・断線を防ぐための配管設計です
どれほど高性能なケーブルを使用しても、配管構造が不十分であれば、雨水の侵入・結露・ケーブル破損といったトラブルを防ぐことはできません
この項目では、長期的に安定した通信を維持するための配管設計の要点を、実際の施工現場レベルで具体的に解説します。

【LAN埋設配管における防水・防湿・断線対策の要素】

設計項目主な目的使用部材・施工方法代表的な注意点
防水対策浸水・結露の防止PF管・防水ボックス・防水テープ勾配設計・接続部シールを徹底
防湿対策湿気の滞留防止シリコンパッキン・水抜き穴管内に水分を残さない構造に
断線防止外圧・張力・曲げ負荷から保護PF管・砂敷き・直線設計曲げ角度90°以下・ケーブル余長確保
ノイズ対策電磁波干渉の抑制シールドケーブル・アース接地電力線から30cm以上離す

配管材選定の基本:PF管とCD管の使い分け

LANケーブルを保護する配管には、主にPF管とCD管が使用されます。
それぞれの特徴を理解し、設置環境に応じて最適な管材を選定することが防水設計の第一歩です。

【PF管・CD管の比較】

・ PF管:耐候性、耐衝撃性、防水性が高く、屋外や地中埋設に最適。柔軟で施工性にも優れる

・ CD管:安価で軽量だが、紫外線や衝撃に弱いため「屋内埋設または短距離地中用」に限定される

・ E管(金属管):工場や発電設備などで採用。高強度でノイズ対策にも有効だが施工コストが高い

特に屋外LAN配線では、PF管を使用し、防水ジョイントで継ぎ目を完全密閉することが基本となります。
また、長距離配管では勾配を持たせて水抜き構造を設けることで、管内の結露や水溜まりを防止できます。

防水設計の要点:接続部のシールと水抜き構造

地中や屋外では、雨水や湿気がケーブル経路の最も弱い部分=接続部から侵入するケースが多発します。
このため、配管設計では「水を入れない・溜めない・排出する」という3原則を徹底することが重要です。

【防水設計の3原則】

1. 接続部を完全密閉する
   PF管同士の接続部には、防水ジョイントを使用し、シーリング剤や防水テープで二重に封止します。
   ケーブル引き込み口には防水ゴムキャップを取り付け、外気や湿気の侵入を防ぎます。

2. 勾配を設けて水を逃がす
   配管には1/100〜1/200程度の緩やかな傾斜をつけ、水が自然排出される構造にします。
   管の低部には水抜き穴(ドレンホール)を設けて、結露水の滞留を防ぎます。

3. 端末部を高所設置する
   LANケーブルの終端ボックスや機器接続部は、地表より10〜20cm高い位置に設置します。
   これにより、浸水や冠水時の短絡・腐食リスクを効果的に防げます。

こうした設計を組み合わせることで、地中配線における最大のリスク「水分侵入」を根本から解決できます。

防湿設計:結露対策と内部換気の工夫

LANケーブルの故障原因の多くは、浸水よりもむしろ結露によるものです。
配管内部に温度差が生じると、水滴が発生し、時間とともにケーブル内部へ浸透し通信品質を劣化させます。

【防湿対策の実践ポイント】

・ 管内に空気の逃げ道(換気口)を設ける

・ 高低差を活かして自然排湿構造にする

・ 内部結露が発生しやすい場所(北面、日陰)は断熱材を併用

・ 防湿パッキンなどを接続ボックス内に封入

特に夜間冷却で結露が起きやすい季節には、これらの工夫が通信安定性を大きく左右します。
また、LANケーブル自体もゲル充填型や防湿PE外皮など、湿度対策を考慮した製品を選定すると効果的です。

断線防止設計:物理的ストレスを抑える施工方法

LAN埋設配線では、防水よりも見落とされがちなのが「断線防止設計」です。
特に地中配線では、地圧・車両荷重・凍結膨張・引張応力など、外的ストレスがケーブルを徐々に劣化させます。
これを防ぐためには、以下のような施工上の工夫が欠かせません。

【断線防止のための施工ポイント】

1. 曲げ角度は90°以下に制限
   LANケーブルのツイストペア構造は、過度な曲げで内部撚線が損傷します。
   曲げ半径は「ケーブル径の4倍以上」を確保するのが理想です。

2. 砂敷きで配管を保護
   配管下部に厚さ5cm程度の砂層を敷くことで、地圧を均等に分散し、管の変形や破損を防ぎます。

3. ケーブルの余長を確保
   機器接続部に30cm前後の余長(たるみ)を持たせ、熱膨張や地盤沈下による引っ張りを吸収します。

4. 車両荷重のある場所は高耐圧管を使用
   駐車場や通路下では、PF管の上に保護スリーブや保護板を追加し、圧力集中を避けます。

これらを徹底することで、埋設LAN配線の断線率を大幅に低減でき、メンテナンスコストを削減することが可能です。

配管のアース設計:ノイズと雷サージ対策

金属管(E管)やシールドLANケーブルを使用する場合は、アース接続(接地)が必須です。
接地を適切に行うことで、落雷や誘導電流からLAN機器を保護し、通信ノイズを抑制できます。

【配管アースの基本要件】

・ 接地抵抗値は10Ω以下を目標

・ 接地線は太さ2.6mm以上の銅線を使用

・ 接地点は建物の共用アース端子に統一

・ LAN機器、PoEスイッチ、防水ボックスも一体接地で設計

こうしたアース設計は、特に雷が多い地域や電力設備の近くで必須となります。
アースを正しく設計することで、LAN配線全体の安全性と通信安定性を同時に確保できます。

防水・防湿・断線対策は“見えない品質”を守る要

LANケーブルの埋設において、防水・防湿・断線防止の配管設計は通信品質の根幹を支える最重要要素です
たとえケーブル自体が高性能でも、配管設計が不十分であれば1年以内に通信障害が発生することも珍しくありません
正しい配管選定・接続防水・水抜き設計・断線防止構造を組み合わせることで、10年以上トラブルのない埋設LANネットワークを構築できます

埋設配線は“見えない部分”だからこそ、施工品質=通信品質という意識が求められます。
専門知識を持つ業者に依頼し、設計段階から防水・防湿・断線対策を組み込むことが、LAN工事の成功の鍵です。

 


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屋外LAN配線における注意点とNG施工例

屋外LAN配線は、屋内配線とはまったく異なる環境リスクにさらされています
雨・紫外線・温度変化・風圧・電磁ノイズなど、通信トラブルを引き起こす外的要因が数多く存在します
したがって、正しい施工知識と適切な材料選定ができていないと、短期間で通信障害や断線が発生してしまいます
ここでは、屋外LAN配線でよくある施工ミス(NG例)と、その防止策を具体的に解説します。

【屋外LAN配線で発生しやすいトラブルと原因・対策】

トラブル内容主な原因防止策
ケーブル断線曲げすぎ・引張過多・車両荷重曲げ角度90°以下・砂敷き・高耐圧PF管を使用
浸水による通信不良防水処理不足・勾配設計ミス防水テープ・勾配1/100設計・防水ボックス使用
ノイズ干渉電力線との近接・シールドなしSTPケーブル+アース接地・30cm以上の距離確保
外皮劣化紫外線・熱・風雨の直射耐候PE外皮ケーブル・露出部分に保護カバー
コネクタ腐食湿気・塩害・端末処理ミス防水RJ45端子・防水ボックス・酸化防止グリス
通信速度低下ケーブル規格不適合・長距離配線Cat6A以上を使用・100m以内で設計

注意点 1:LANケーブルを「直接地中に埋める」のはNG

屋外LAN配線で最も多い施工ミスが、LANケーブルをそのまま地中に埋めてしまうケースです。
一般的なLANケーブルは、外皮がPVC製であり、防水性・耐圧性がなく、数か月で劣化・断線します。
特に地中は常に湿度が高く、雨水や結露による内部腐食が起きやすいため、直埋め施工は厳禁です。

正しい施工では、必ずPF管またはCD管にLANケーブルを通し、継ぎ目を防水テープで密閉します。
さらに、ゲル充填型防水LANケーブル(Cat6A以上)を選ぶことで、長期的な防水・防湿性能を確保できます。
この基本を怠ると、埋設後わずか半年で通信不良や断線トラブルが発生する危険があります。

注意点 2:電力線や照明ラインの近くを通すのは危険

LANケーブルを電力線や照明ケーブルと並行して配線するのも避けるべきNG施工例です。
LANケーブルは微弱電流で通信を行うため、電磁誘導によるノイズ干渉を強く受けます。
特に高圧線・蛍光灯ライン・電動機器周辺では、データエラーや速度低下・パケットロスが起こることがあります。

この問題を防ぐには、以下の施工ルールを守ることが大切です。

【ノイズ干渉防止の施工ルール】

・ 電力線とLANケーブルは30cm以上離して配線する

・ やむを得ず交差する場合は、直角交差(90°)で施工する

・ STP(シールド付き)ケーブルを使用し、アース接地を行う

・ 高ノイズ環境では二重シールド(S/FTP)ケーブルを採用

これらを実践することで、通信品質を維持しながら安全な配線経路を確保できます。

注意点 3:コネクタ部の防水処理を怠ると腐食・断線の原因に

屋外LAN配線で特にトラブルが多いのが、RJ45コネクタの防水不良です。
LANケーブルの端末処理部分は、最も浸水・結露の影響を受けやすい箇所であり、端子部が酸化して通電不良を起こすケースが多発しています。

正しい施工では、防水型RJ45コネクタ(IP67以上)を使用し、さらに防水ボックスや防水グランドで二重保護を行います。
また、端子部に酸化防止グリスを塗布し、金属部の腐食を長期的に防止することが重要です。
PoE給電を行う場合は、接点劣化が直接電力伝送障害や発熱トラブルにつながるため、特に注意が必要です。

注意点 4:紫外線対策を怠るとケーブルが劣化する

屋外で露出配線を行う場合、紫外線による外皮劣化が大きな問題となります。
一般的なLANケーブルのPVC外皮は紫外線に弱く、1〜2年でひび割れ・硬化・絶縁破壊が発生します。
これを防ぐためには、以下のような対策を行います。

【UV・熱対策のポイント】

・ 屋外耐候PE被覆ケーブルを使用する

・ 露出箇所にはケーブルモール、保護チューブを設置

・ 直射日光の当たらないルート設計を心掛ける

・ 屋外ボックス内部には通気孔や遮熱板を設けて熱こもりを防ぐ

特に黒色のPE外皮ケーブルは紫外線吸収率が低く長寿命のため、屋外露出環境では最も信頼性の高い選択肢です。

注意点 5:施工後の埋め戻しと表示処理を忘れない

LANケーブルを地中に埋設したあとは、埋め戻し作業と識別処理が重要です。
埋設後に他の工事で誤って掘削されると、断線やショート事故が発生するリスクがあります。
そのため、警告テープ(Warning Tape)を配管上部に設置し、「LAN配線あり」などの明示表示を行うことが推奨されます。

また、埋設位置・配管深さ・ルートを施工図面として保存しておくことで、将来的な保守や増設時のトラブルを防げます。
これらの作業を怠ると、数年後に配線位置が不明となり再施工が必要になるケースも少なくありません。

【NG施工例】 現場で実際に起きた失敗事例

施工ミス発生したトラブル原因改善策
ケーブルをCD管なしで直埋め半年で通信断湿気・腐食PF管+防水LAN使用
電力線に沿って並行配線通信ノイズ・映像乱れ誘導電流干渉STPケーブル+30cm離隔
防水ボックスなしでRJ45接続雨天後に接続断端子腐食防水RJ45+IP67ボックス
屋外用でないLANケーブルを使用2年で外皮破損紫外線劣化耐候PE外皮ケーブル採用
識別表示なしで埋設掘削工事で断線識別不足警告テープ+施工図保管

「屋外LAN配線」は見えない場所こそ慎重に

屋外LAN配線は、施工環境・材料選定・防水処理のすべてが通信品質に直結します
特に地中や屋外環境では、一度施工を誤ると修理や再敷設に多大なコストが発生します
「ケーブルを直接埋めない」「電力線と離す」「防水端子を使用する」など、基本ルールを守ることが最も確実なトラブル防止策です

また、施工前には必ずPF管設計・深さ確認・端末防水処理・ノイズ対策を実施し、
施工後は警告テープと図面管理を徹底することで、10年以上安定稼働する屋外LANインフラを実現できます。

屋外LANは「見えない部分ほどプロの施工品質が問われる工事」です
長期信頼性と通信安定性を確保するためには、電気通信工事士などの有資格業者による正確な施工が欠かせません

 

 


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埋設LANでつなぐPoEカメラ・Wi-Fi中継器の活用法

LANケーブルを地中に埋設して配線することで、屋外に設置する機器を安定的かつ安全に接続することが可能になります
特に近年は、PoE(Power over Ethernet)給電技術の普及により、電源コンセントがない場所でもLANケーブル1本で通信と給電を同時に実現できるようになりました
この技術を活かして、監視カメラやWi-Fi中継器を埋設LANで接続する施工が、住宅・オフィス・工場・公共施設などで急速に広がっています
ここでは、埋設LANとPoE給電を活用した代表的な機器と、その導入効果を詳しく解説します。

【埋設LANで接続される主なPoE機器と特徴】

機器名主な用途通信・給電方法埋設LAN導入のメリット
PoE監視カメラ防犯・監視・録画LAN+PoE給電電源工事不要・安定通信・遠隔監視対応
Wi-Fi中継器(アクセスポイント)通信範囲拡張LAN+PoE給電広範囲カバー・電波安定化・配線スッキリ
IoTセンサー(温湿度・人感など)計測・監視LANまたはPoE給電常時データ送信・メンテナンス容易
IPスピーカー・放送機器防災・アナウンスPoE給電電源レス設置・一括制御が可能
スマート照明・監視灯屋外照明制御PoE++給電電源線不要・自動制御・省エネ化

PoE監視カメラ:埋設LANで防犯・監視を強化

PoE監視カメラは、埋設LANの代表的な活用例です。
通常、屋外カメラを設置するには電源工事とLAN配線の両方が必要ですが、PoE給電を使えばLANケーブル1本で映像と電力を同時伝送できます。
これにより、電源コンセントのない場所でもカメラを自由に設置でき、施工コストの削減と設置自由度の向上が実現します。

埋設LANによる接続では、カメラから建物内の録画機(NVR)やルーターまでを地中のPF管を通して安全に配線します。
これにより、露出ケーブルのように風雨・紫外線・いたずら・断線のリスクを回避でき、24時間安定した監視ネットワークが維持できます。

また、最近のPoEカメラは4K高解像度・AI人物検知・ナンバープレート認識などの高機能化が進んでおり、データ量の多い通信でも安定して処理できるCat6Aケーブルが推奨されます。
防犯・防災の両面で、埋設LANとPoEカメラの組み合わせは最も効率的な屋外監視インフラといえます。

Wi-Fi中継器:広範囲通信を安定化させる埋設LANの応用

Wi-Fi中継器(アクセスポイント)をLANケーブルで埋設接続することで、広い屋外エリアでも強力で安定した無線通信環境を構築できます。
通常のWi-Fiは距離や障害物に弱く、電波が届きにくい庭・倉庫・工場・駐車場などでは通信が不安定になりがちです。
しかし、LAN埋設によって中継器を敷地の中央や外周部に直接接続することで、電波範囲を大幅に拡張できます。

特にPoE対応のWi-Fiアクセスポイントを採用すれば、電源を引く必要がなく施工も簡単です。
LAN1本で通信+給電が完結するため、配線がすっきりしてメンテナンスも容易になります。
さらに、PoEスイッチと連動させることで、複数のアクセスポイントを一括管理・遠隔制御でき、通信品質を常に最適化できます。

【埋設LAN×Wi-Fi中継器の導入メリット】

・ 電波の届きにくい屋外エリアでも安定通信を実現

・ LANケーブル1本で電力とデータ通信を同時供給

・ コンセント不要で屋外設置が容易

・ 防犯カメラやIoT機器と同一LANネットワークで統合運用

このように、埋設LANは単なる通信経路ではなく、無線LANの性能を最大限に引き出す基盤として重要な役割を果たします。

IoTセンサー・スマートデバイス:DX時代の屋外ネットワーク基盤

近年では、IoTセンサーやスマートデバイスの屋外設置が急増しています。
温湿度センサー・人感センサー・照度センサー・電力監視装置などがその代表例です。
これらの機器は常時データ通信を行うため、安定した有線LAN接続が理想的です。

埋設LANを利用することで、データ送信の安定性と電力供給の両立が実現します。
たとえば、工場敷地や物流倉庫では、埋設LANを介してセンサー情報をリアルタイムにクラウド連携させることができ、AIによる自動監視・省エネ制御にも対応可能です。
また、PoE給電を利用すれば、電源が確保しにくい屋外環境でも低消費電力のIoT機器を稼働させることができます。

今後はスマート照明・AIカメラ・音声案内スピーカーなど、さまざまなスマートデバイスがPoEネットワークに統合されていくと予測されます。
つまり、埋設LANは「屋外IoTインフラの動脈」として、DX社会に欠かせない基盤技術となりつつあるのです。

導入事例:埋設LAN×PoE機器の活用イメージ

導入場所機器構成効果
一戸建て住宅PoEカメラ+Wi-Fi中継器駐車場監視と庭の通信強化
工場・倉庫PoEカメラ+IoTセンサー設備監視・省エネ管理・安全性向上
商業施設・駐車場PoE照明+防犯カメラ夜間照明制御と防犯の両立
学校・公共施設Wi-Fiアクセスポイント+放送スピーカー校内ネットワークの強化と災害時情報伝達
農業施設・温室IoTセンサー+PoE給電中継器温湿度管理とリモート監視の自動化

 

これらの導入例に共通しているのは、「埋設LAN+PoE給電の組み合わせ」によって、電源配線を簡略化しながら高信頼なネットワーク構築を実現している点です。
設置環境に合わせてCat6Aや耐候型シールドLANケーブルを採用することで、10Gbps級の安定通信と長期耐久性を両立できます。

埋設LAN×PoEが屋外ネットワークの新常識に

PoE技術と埋設LANの組み合わせは、屋外ネットワークの設計を根本から変える革新的な手法です
電源確保が難しい場所でもLANケーブル1本で通信と給電を同時に実現し、施工コスト削減・安全性向上・美観保持のすべてを兼ね備えています

特に監視カメラ・Wi-Fi中継器・IoTセンサーなど、常時稼働が必要な機器では、無線よりも安定性と信頼性の高い有線LAN接続が最適解です。
さらに、PoEスイッチやネットワーク制御装置と組み合わせることで、電源管理・遠隔制御・障害監視までも一元化できます。

これからの屋外ネットワーク構築は、「埋設LAN+PoE+耐候ケーブル+防水設計」が標準仕様となるでしょう。
安全・快適・省エネな通信環境を実現するために、正しい配線設計と専門業者による確実な施工が何より重要です。

 


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費用相場と業者に依頼する際のポイント

LANケーブルを屋外に埋設して施工する工事は、単純な配線作業ではなく、掘削・配管・防水・接続・検査など複数の工程を伴います
そのため、施工費用は環境条件や配線距離によって大きく変動します
また、PoEカメラ・Wi-Fi中継器・センサー類などの接続機器を組み合わせる場合は、電源設計や機器設定も必要となります
ここでは、埋設LAN工事の費用相場と業者に依頼する際の注意点を、実務レベルで具体的に解説します。

【LANケーブル埋設工事の費用目安(一般的な相場)】

項目内容相場価格(税別)備考
掘削・配管敷設地中掘削+PF管埋設¥3,000〜¥6,000/m地盤・舗装状況で変動
LANケーブル材料費Cat6Aまたは屋外用耐候ケーブル¥200〜¥500/m高耐久・防水仕様で上昇
通線・端末処理LAN配線+RJ45端末加工¥5,000〜¥10,000/箇所防水端子は高め
PoEカメラ設置LAN+電源給電設定¥10,000〜¥30,000/台機種・高さ・配管距離で変動
Wi-Fi中継器設置PoE給電+設定¥15,000〜¥25,000/箇所ネットワーク調整含む
施工管理・動作試験施工確認+通信試験¥10,000〜¥20,000/式現場規模で変動
総額目安(10〜20m施工)小規模屋外LAN敷設+PoE機器1〜2台¥80,000〜¥180,000程度規模・環境で変動大

費用が変動する主な要因

埋設LAN工事の費用は、以下の条件によって大きく左右されます。

【価格変動の主な要因】

・ 配線距離と掘削環境:土壌、舗装、コンクリートなどの条件で施工時間が変わる

・ 使用ケーブルの種類:Cat5eよりもCat6A、Cat7、耐候、二重シールド仕様は高価

・ 機器の構成数:PoEカメラ、Wi-Fi中継器、IoTセンサーなどの設置台数によって費用が増加

・ 配管構造:単管配線か多芯配管か、防水構造の有無で資材費が変動

・ 現場アクセス:狭小地、高所、長距離通線などの難施工は人件費が上がる

また、施工場所が住宅地・店舗・学校・工場などによっても、必要な許可・安全対策・夜間工事の有無が異なるため、見積もり時に明確な条件を伝えることが重要です。

業者に依頼する際のチェックポイント

LAN埋設工事は、電気通信工事業の登録・電気工事士資格を持つ専門業者でなければ施工できません。
正しい知識と資格を持つ業者を選定しないと、防水不良・通信障害・法令違反といったトラブルにつながる可能性があります。
以下のポイントを確認して依頼先を選びましょう。

【チェックリスト:業者選定の重要項目】

1. 電気通信工事業登録があるか
   → LAN・PoE・光回線など通信系設備の施工資格があるかを確認。

2. 電気工事士または工事担任者が在籍しているか
   → 電源やPoE機器接続に必要な国家資格。

3. 屋外LAN・埋設施工の実績が豊富か
   → 防水・防湿・ノイズ対策のノウハウを持っているか。

4. 保証期間・アフターメンテナンスがあるか
   → 1〜3年程度の施工保証があると安心。

5. PoE給電・Cat6Aケーブル対応の測定機器を保有しているか
   → 専用テスターで通信品質を確認できる業者が理想。

これらを事前に確認することで、不適切施工や追加費用トラブルを回避できます。

業者見積もり時の比較ポイント

複数の業者に見積もりを依頼する場合は、単純に「金額の安さ」だけで判断してはいけません。
見積書に明記されている項目内容をしっかり比較し、施工範囲が明確になっているかをチェックします。

【比較のポイント】

・ 「配管材、ケーブル材の規格(Cat6AやPF管など)」が明記されているか

・ 「掘削、埋戻し、防水処理」などの工程が含まれているか

・ 「通信試験、PoE給電確認」の有無

・ 「保証期間」および「施工後のサポート」について明文化されているか

安価な見積もりには、防水部材や検査費用が省略されているケースもあり、結果的に数年後の再施工コストが発生することがあります。
そのため、「長期的に安定運用できる工事仕様かどうか」を重視するのがポイントです。

補足:DIY施工との違いとリスク

一見すると、LANケーブルの埋設は「自分でもできそう」と思われがちですが、実際にはDIY施工は非推奨です
理由は以下の通りです。

【DIY施工のリスク】

・ 防水、防湿、勾配処理を誤ると数か月で通信障害や断線が発生する

・ 電力線との誤配線により感電や火災リスクがある

・ PoE機器の電圧降下やショートによる機器故障の可能性

・ 資格がないと建物外の通信配線工事は違法となるケースがある

特にPoE給電機器の接続では、電力と通信が同時に流れるため、電気工事士レベルの知識が必須です
安全かつ法令に適合した施工を行うためにも、専門業者への依頼が最も確実でコスト効率の良い選択といえます

費用の内訳を理解し、信頼できる業者に依頼を

埋設LAN工事の費用は、施工距離・地盤条件・使用ケーブル・機器構成によって異なりますが、一般的な住宅・店舗規模であれば10mあたり約¥80,000〜¥150,000前後が目安です。
また、PoEカメラやWi-Fi中継器を同時設置する場合は、機器代を含めて¥200,000〜¥300,000程度が一般的です。

重要なのは、「安さ」よりも「確実な施工品質とアフター対応」です
施工後にトラブルが発生した際、迅速に対応できる業者かどうかが信頼の分かれ目です
電気通信工事登録業者+実績豊富な技術者+明確な保証制度の3点が揃っている業者を選び、長期安定稼働する屋外LANネットワークを構築しましょう。

 

 

LAN配線工事の依頼について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

LAN配線工事のプロに依頼すべき理由と、業者選びで注意すべき点

 

まとめ|埋設LANケーブルで快適な屋外ネットワークを構築

屋外でのネットワーク通信を安定・安全・長期的に運用するためには、LANケーブルの埋設配線が最も効果的な方法です
Wi-Fiのような無線通信は便利ですが、距離や障害物・気象条件によって通信が不安定になるリスクがあります
一方、LANケーブルを地中配管で保護しながら敷設することで、ノイズに強く・高速で・安定した有線通信を実現できます
この「埋設LAN配線」は、単なる配線工事ではなく、屋外通信インフラを支える基礎技術と言えるでしょう

埋設LAN配線の3大メリット

埋設LAN工事を導入することで得られる最大の利点は、次の3点に集約されます。

【埋設LANの主なメリット】

1. 通信安定性の向上:電波の影響を受けず、常に一定速度でデータ通信が可能

2. 安全性と耐久性の確保:風雨、紫外線、衝撃からケーブルを守り、断線や劣化を防止

3. 美観と施工自由度の両立:外観を損なわず、建物や敷地デザインを維持できる

特にPoE(Power over Ethernet)給電対応LANを採用することで、カメラ・センサー・中継器などの電源レス機器を容易に設置でき、配線コスト削減・省エネ化・管理効率化を同時に実現できます。

高品質な施工でネットワークの寿命が決まる

埋設LANの品質は、ケーブルの選定・防水配管・配線深度・端末処理といった施工技術に大きく左右されます。
どれほど高性能なCat6Aケーブルを使用しても、配管設計が不十分であれば浸水・断線・通信劣化が避けられません。
そのため、施工では必ず以下の要素を満たすことが重要です。

【施工品質を左右するチェックポイント】

・ PF管による防水、防湿構造の確保

・ 規定の埋設深度と砂敷き保護

・ 防水ボックス、RJ45防水コネクタの採用

・ アース設計とノイズ対策

・ 警告テープ、図面管理による断線防止

これらを正しく実施すれば、10年以上安定稼働する屋外LANインフラを構築できます。
逆に、短期間で配線トラブルが発生する施工の多くは、これらの基本要件を省略していることが原因です。

PoEカメラ・Wi-Fi・IoTの時代にこそ埋設LANが必須

近年の屋外ネットワーク環境は、単なるインターネット接続を超えて、防犯・DX・IoT管理の領域に進化しています
たとえば、PoE監視カメラを導入すれば、敷地全体の防犯性を高めながら、映像を遠隔監視やクラウド録画に活用できます。
また、Wi-Fi中継器やIoTセンサーを接続すれば、農業施設や工場・駐車場などの遠隔管理・省エネ制御・自動監視が可能になります。
これらのシステムはすべて、安定した有線LAN通信があってこそ最大限の効果を発揮します。

埋設LANは、これらの機器を「電源+通信を1本で安定接続できる唯一の方式」として、今後のスマートホーム・スマートビル・スマートシティの基盤技術になるといわれています

費用対効果を最大化するには「専門業者の施工」が必須

埋設LAN工事の費用は、1mあたり3,000〜6,000円前後が目安ですが、施工の正確さによって長期コストは大きく変わります。
防水・防湿・配管処理を適切に行えば、再施工や修理の必要がほとんどなく、10年単位で運用可能です。
そのため、初期費用を抑えるよりも、通信品質と耐久性を重視した施工プランを選ぶことが、最終的には最も経済的といえます。

業者選定時は、以下のポイントを必ず確認しましょう。

【業者選びのポイント】

・ 電気通信工事業登録があるか(法令適合)

・ PoE、Cat6A対応の測定設備を保有しているか

・ 施工実績とアフターメンテナンスの有無

・ 明確な見積書と保証書の提示

これらを満たす専門業者に依頼すれば、高品質な埋設LAN施工+長期保証体制が得られます。

埋設LANで未来につながる通信基盤を構築しよう

屋外LAN環境の構築は、今後のスマート化社会に欠かせない投資です
安定した通信は、防犯カメラ・IoT機器・Wi-Fiインフラのすべてに直結し、安全性・利便性・省エネ性を向上させます
埋設LANは、見た目の美しさだけでなく、通信品質を支える“見えない安心”のインフラなのです

正しい配管設計・適切な深度・防水施工・PoE給電対応を組み合わせれば、屋外でも10Gbps級の通信を長期間維持できる高信頼ネットワークが実現します。
今後の住宅・オフィス・工場・公共施設では、「LANの埋設こそが通信の標準形」となる時代がすでに到来しています。

 


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