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2024.06.21

社内ネットワークの選択肢:有線LANと無線LANの特徴と選び方

 

社内のLANを構築する有線LAN接続と無線LAN接続って何?

社内ネットワークを構築する際に、まず選択するのは有線LAN接続か無線LAN接続のどちらを使用するかです。この選択は、ネットワークの目的や業務内容、利用者数などの要因によって異なりますが、それぞれの接続方式には特徴やメリット・デメリットがあります

有線LAN接続とは、LANケーブルを使用してネットワーク機器を物理的に接続する方法です。企業のサーバールームや重要なデータを扱う部署では、通信の安定性が求められるため、有線LANが広く使用されています。有線LANは、物理的な接続によって電波干渉の影響を受けず、安定した高速通信が可能です。また、セキュリティ面でも外部からの不正アクセスを防ぎやすく、内部のネットワークにのみアクセスできる利点があります。

一方、無線LAN接続(Wi-Fi)は、無線の電波を使ってネットワークに接続する方法です。無線LANの大きな特徴は、ケーブルを使用しない自由度です。オフィス内での移動が多い場合や、デバイスの配置を頻繁に変更する必要がある場合に非常に便利です。また、従業員が会議室や他のスペースからも簡単に接続できるため、フレキシブルな作業環境を提供します。しかし、無線LANは電波干渉やセキュリティリスクが高まりやすいため、使用環境や用途に応じて適切な対策が必要です。

 

有線LANを無線LANに切り替えた際のメリットは?

有線LANを無線LANに切り替えることで、オフィスの環境や作業の効率が向上するメリットがいくつかあります

まず、設置の簡便さが挙げられます。有線LANでは、各デバイスにケーブルを引き回す必要がありますが、無線LANに切り替えることで、煩雑な配線作業が不要になります。これにより、新しいデバイスを導入する際にも配線の追加作業が発生しないため、作業が迅速に進むだけでなく、オフィス全体の見た目もスッキリとします。

また、作業場所の自由度が向上します。有線LANでは、デバイスの位置がケーブルの範囲に制約されますが、無線LANでは、従業員がオフィス内のどこでもネットワークに接続できるため、柔軟に作業が可能です。特に、会議室でのプレゼンテーションや共有スペースでの作業時に役立ちます。

さらに、コスト削減の観点でも無線LANは有効です。オフィスの増改築やレイアウト変更の際に、有線LANの場合は配線工事が必要になりますが、無線LANであればそのような費用がかかりません。アクセスポイントの追加設置や設定変更だけで済むため、長期的なコスト削減が期待できます。

 

有線LANを無線LANに切り替えた際のデメリットは?

一方で、無線LANへの切り替えにはデメリットも存在します

まず、通信の安定性の低下が挙げられます。有線LANでは、物理的にケーブルで接続されているため、外部からの干渉を受けることなく常に安定した通信が可能ですが、無線LANでは、電波干渉や環境の影響を受けやすくなります。例えば、金属製の壁や電子機器が多く存在する環境では、無線LANの電波が途切れたり、速度が低下したりすることがあります。

また、セキュリティリスクが増加する点も無視できません。有線LANでは、物理的なアクセスが必要なため、外部からの不正アクセスのリスクが低いですが、無線LANでは、電波が外部にも届いてしまうため、セキュリティ対策を十分に行わないと不正アクセスのリスクが高まります。強力な暗号化やファイアウォールの設定を行わなければ、社内の重要なデータが外部に流出する可能性があります。

さらに、無線LANは同時接続デバイスの数に限界がある点もデメリットです。有線LANでは多数のデバイスを同時に接続しても通信速度や安定性に影響が出にくいのに対し、無線LANでは、接続するデバイスが増えると通信速度が低下する傾向があります。特に、大規模なオフィスで多くのデバイスが同時に使用される場合、パフォーマンスに悪影響が出る可能性があります。

 

有線LANから無線LANへの切り替えのやり方は?

有線LANから無線LANへの切り替えは、以下の手順で進めることができます。

1. 無線LANルーターの導入

まず、オフィスの規模や使用デバイス数に応じた無線LANルーターを導入します。小規模なオフィスでは一般的なWi-Fiルーターで十分ですが、広範囲のカバーや多数のデバイス接続が必要な場合は、業務用の無線LANアクセスポイントを複数設置することが推奨されます。

2. ルーターの設定

ルーターをインターネットに接続し、管理画面からSSID(ネットワーク名)やパスワードを設定します。セキュリティ対策として、最新の暗号化方式であるWPA3を選択し、外部からの不正アクセスを防止するための設定を行います。また、SSIDは分かりやすいものに設定し、適切なチャネルを選択して電波干渉を最小限に抑えます。

3. アクセスポイントの設置

オフィスの広さやレイアウトに応じて、必要な数のアクセスポイントを設置します。設置場所は、電波の強度やカバー範囲を考慮し、デッドゾーン(電波が届きにくい場所)ができないように注意します。

4. デバイスの接続

各デバイスのWi-Fi設定から、先ほど設定したSSIDを選択し、パスワードを入力して接続します。必要に応じて、企業のポリシーに基づいたアクセス制限やデバイスの登録も行います。

 

有線LANを無線LANに切り替える際に注意することって何?

無線LANへの切り替え時には、いくつかの注意点があります。

まず、電波干渉に注意が必要です。無線LANの電波は他の無線機器や周囲のWi-Fiネットワークから干渉を受けやすいため、チャネル設定やアクセスポイントの設置場所を工夫して、干渉を最小限に抑えることが重要です。特に、オフィス内で電子機器が多い場合や、近隣のWi-Fiネットワークが多い環境では、適切なチャネルの選定がパフォーマンスに大きな影響を与えます。

次に、セキュリティ対策を徹底することが必要です。無線LANは外部からの不正アクセスのリスクが高いため、強力なパスワード設定、SSIDの非表示、MACアドレスフィルタリングなど、複数のセキュリティ層を設けることが推奨されます。また、定期的なファームウェアのアップデートもセキュリティの維持に欠かせません。

 

 

無線LANを有線LANに切り替えた際のメリットは?

無線LANから有線LANに切り替える際には、いくつかのメリットがあります

1つ目は、通信の安定性です。有線LANは、物理的なケーブル接続によるため、外部環境や他のデバイスからの干渉を受けることなく、常に安定した通信が可能です。これにより、オンライン会議やクラウドサービスへのアクセスといった、安定した通信が求められる業務においては大きなメリットとなります。

2つ目は、高速な通信速度です。有線LANは、ギガビットイーサネットや10ギガビットイーサネットなどの高速通信規格に対応しているため、無線LANよりも高速なデータ転送が可能です。特に、大容量のデータを頻繁にやり取りする業務においては、有線LANのほうが効率的です。

3つ目は、セキュリティの強化です。有線LANは物理的な接続が必要なため、無線LANに比べて外部からの不正アクセスが難しくなります。特に、機密情報を扱う業務やセキュリティが厳重な環境では、有線LANの方が安全です。

 

無線LANを有線LANに切り替えた際のデメリットは?

一方、有線LANへの切り替えにはデメリットもあります

1つ目は、設置コストが高くなる点です。有線LANのネットワークを敷設するには、各デバイスまでLANケーブルを敷設する必要があり、特に大規模なオフィスでは工事費用や配線管理に多くのコストがかかります。さらに、オフィスのレイアウト変更時には、配線の再設置が必要になることもあります。

2つ目は、移動の制限です。有線LANではケーブルで接続されるため、デバイスの移動が自由にできなくなります。特に、会議室やオープンスペースでの利用が多い場合には、ケーブルが邪魔になることがあります。

 

無線LANから有線LANへの切り替えのやり方は?

無線LANから有線LANへの切り替えは、以下の手順で行います。

1. LANケーブルの敷設

オフィス内の各デバイスが接続される場所までLANケーブルを敷設します。この際、ケーブルが乱雑にならないように配線ルートを事前に計画し、ケーブルカバーや配線ダクトを利用して整理します。

2. ネットワーク機器の設定

ルーターやスイッチにLANケーブルを接続し、ネットワーク機器の設定を行います。IPアドレスの設定や、必要に応じてVLANの設定を行うことで、ネットワークの分離やセキュリティ強化が可能です。

3. デバイスの接続

各デバイスにLANケーブルを接続し、有線LANネットワークに参加させます。この際、適切なドライバがインストールされていることを確認し、ネットワーク接続が安定しているかを確認します。

 

無線LANを有線LANに切り替える際に注意することって何?

有線LANへの切り替え時には、以下の点に注意が必要です。

まず、配線の整理です。オフィス内でのLANケーブルの配線が乱雑にならないように、きちんと整理整頓することが重要です。特に、複数のケーブルが交差する場所では、ケーブルの識別や管理が難しくなるため、色分けやラベル付けを行うと良いでしょう。

次に、ケーブルの品質も重要です。LANケーブルにはカテゴリーがあり、例えば、Cat5e、Cat6、Cat6aなどが一般的です。高速通信が求められる環境では、Cat6a以上のケーブルを使用することが推奨されます。また、ケーブルの長さにも注意が必要で、長すぎるケーブルは信号劣化の原因となるため、適切な長さのケーブルを選びましょう。

 

 

まとめ

社内のLAN構築では、有線LANと無線LANのどちらを選ぶかは、オフィスの規模や業務内容、デバイスの使用状況に応じて決まります。有線LANは安定した高速通信とセキュリティが求められる環境に適しており、無線LANはフレキシブルな作業環境やコスト削減が求められる場合に適しています。

それぞれのメリットとデメリットを理解し、適切な接続方式を選択することで、効率的かつ安全なネットワーク環境を構築することが可能です。また、必要に応じて有線LANと無線LANを併用し、業務の効率化を図ることも有効です。

 

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