LANケーブル

2024.06.19

コピー機を有線LANで使うには?LANケーブル接続のメリットとは

 

複合機(コピー機)ってLANケーブルを使用した有線接続とかできるの?

複合機はLANケーブルを使った有線接続に標準で対応しています

複合機(コピー機)は、LANケーブルを使った有線接続に標準で対応している機器がほとんどです。
これは、オフィスや事務所だけでなく、家庭用モデルでも一定以上のクラスであれば当たり前に搭載されている機能となっています。
複合機の本体背面や側面には、RJ-45端子と呼ばれるLANポートが用意されており、そこにLANケーブルを差し込むことで有線接続が可能です。

LANケーブルを使用することにより、ネットワーク内の複数端末から同時に印刷やスキャン指示を送信できる環境を構築できます
これは、単純にパソコンとプリンターを一対一で結ぶUSB接続とは異なり、オフィス全体、もしくは家庭内の複数デバイス間で効率的にリソース共有を行えるという大きなメリットがあります。

LANケーブル接続を活用する具体的な場面とは?

では、実際に複合機をLANケーブルで接続することで、どのような場面でその恩恵を受けられるのでしょうか。
代表的なケースをいくつか挙げてみましょう。

【LANケーブル接続が活躍するケース】

・ 部署ごとに割り当てられた複合機を、複数のパソコンから共同利用する場合

・ スキャンデータを直接サーバーやクラウドストレージに保存したい場合

・ FAXデータを自動で特定のフォルダに振り分け管理したい場合

・ リモートワーク端末から社内ネットワーク経由で印刷指示を出したい場合

これらの用途では、有線LANによる安定接続が絶対条件になります。
とくに、大量印刷や業務上重要な書類のスキャン・送信作業が日常的に発生する環境では、無線では通信不安定によるリスクが大きすぎるため、有線接続が必須といえるでしょう。

LANケーブルによる接続方法の流れ

複合機をLANケーブルで有線接続する手順は、非常にシンプルです。
以下に、基本的な流れをまとめます。

【複合機LAN接続の流れ】

1. 複合機のLANポートにLANケーブルを接続

2. LANケーブルのもう一方をオフィスのスイッチングハブまたはルーターに接続

3. 複合機本体の設定画面で「有線LAN接続モード」を選択

4. IPアドレスを自動取得(DHCP)または手動設定(固定IP)する

5. ネットワークに接続されたパソコンからドライバーインストールを行い、プリンター追加設定を実施

6. 正常に認識・通信できたことを確認して完了

このように、一度ネットワーク設定が完了すれば、オフィス内のすべての端末から快適に複合機を利用できるようになります。
また、有線LAN環境であればセキュリティ設定(ファイアウォール・VLAN分割など)も細かく管理できるため、情報漏洩リスクの低減にも効果的です。

LANケーブルを使用することで得られる安心感

LANケーブルを使用する最大のメリットは、やはり通信の安定性と速度の高さにあります
有線接続であれば、電波干渉による通信遅延やプリントエラーが起きにくく、大量印刷や高精細スキャンデータの送信もスムーズです。

たとえば、毎日数百枚単位の書類を印刷・スキャンするような業務では、無線接続よりも有線接続の方がはるかにトラブルが少なく、ストレスフリーな運用が可能です。

また、ネットワークトラブルが発生した場合でも、有線であれば障害箇所の特定が容易です。
「LANケーブルの抜き差し」「ポートの確認」といった基本的な操作で原因を切り分けることができ、迅速な復旧対応が期待できるのも有線接続の大きな魅力です。

どんな環境でLAN接続が活躍するのか?

LANケーブルによる有線接続が特に効果を発揮するのは、次のような環境です。

【LAN接続が向いている環境】

・ 大人数が複合機を共有するオフィス

・ 業務用で毎日大量印刷や大量スキャンが発生する現場

・ セキュリティ上、無線通信が禁止または制限されている施設(例:医療機関、金融機関)

・ 通信品質を最優先したいプロフェッショナル用途(例:グラフィックデザイン、出版)

こうした環境では、無線LANの手軽さよりも、有線LANの信頼性を重視するケースが圧倒的です。
とくにビジネス用途では、プリントエラーやスキャンエラーによる業務停止リスクを最小限に抑えるために、必ず有線接続を選択する傾向にあります

 

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複合機(コピー機)ってUSB接続の方が主流なの?

かつてはUSB接続が標準だった

少し前までは、複合機とパソコンを接続する手段としてUSB接続が主流でした。
特に2000年代初頭から中盤にかけては、オフィスや家庭内でネットワーク環境(LAN環境)が整備されていないケースが多く、パソコン1台と複合機1台を直接ケーブルでつなぐUSB接続が最も手軽だったのです。

【当時のUSB接続のメリット】

・ 複雑なネットワーク設定が不要

・ ドライバーをインストールするだけで簡単に接続できる

・ コストがかからず、すぐに利用開始できる

このように、「とりあえず簡単に使いたい」ニーズに最適だったことから、USB接続は非常に広く普及しました。
特に家庭用複合機や小規模オフィス向けモデルでは、USBポートが標準搭載されており、有線LAN対応よりもUSB対応を重視するユーザーが多かった時代もあったのです。

現在の主流は「LAN接続」や「無線LAN接続」にシフト

しかし現在では、オフィスや家庭でもネットワーク環境が整備されたことにより、USB接続の主流時代は終わりを迎えつつあります。

複合機メーカー各社も、業務用機種を中心にLANケーブル(有線)や無線LANによるネットワーク接続を標準仕様とし、USBはあくまで補助的な接続手段と位置付ける傾向が強まっています。

【最近の接続方式の位置付け】

接続方式主な用途特徴
LANケーブル接続業務用・大規模オフィス安定性・速度・セキュリティに優れる
無線LAN接続小規模オフィス・家庭・モバイルデバイス連携配線不要で自由度が高いが、通信安定性はやや劣る
USB接続単体使用・簡易利用設定が容易だが、1対1接続に限定され、拡張性が低い

 

このように、複数台のパソコン・スマートフォン・タブレットから複合機を共有するニーズが高まった現在、USB接続は次第に「特定用途向け」に絞られる流れが加速しています。

USB接続が今でも活躍する場面とは?

とはいえ、USB接続が完全に不要になったわけではありません。

以下のような特定条件下では、USB接続の手軽さと安定性が今でも重宝されることがあります。

【USB接続が適しているケース】

・ インターネットに接続しないスタンドアロン運用(情報漏洩防止)

・ 簡易な個人利用(自宅や小規模事務所での単独使用)

・ ネットワーク不使用での機器検証や一時的なテスト用途

・ ネットワーク接続トラブル時の代替手段として

特に、セキュリティポリシーで外部ネットワーク接続が厳しく制限されている部署や現場では、「USB専用で運用する複合機」が今でも一定の需要を維持しています。

これからの複合機接続選びのポイント

今後、複合機を導入・リプレイスする際には、USB接続だけに頼る設計は避けた方が賢明です。
なぜなら、業務効率化・セキュリティ強化・モバイルデバイス連携など、ネットワークを活用するメリットがますます大きくなっているからです。

【接続方式選びの基本方針】

・ 基本はLANケーブルまたは無線LANによるネットワーク接続を選択

・ USB接続は「予備手段」または「単独端末専用」として活用

・ 将来のネットワーク構成変更や拡張性も考慮して設計する

このように、接続方式を用途に応じて適切に使い分けることが、これからの複合機運用における重要なポイントとなるでしょう。

 

 

LANケーブルの接続についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください

LANケーブルでの接続トラブル:接続できない原因と解決方法を解説

 

複合機(コピー機)って無線LAN接続でも大丈夫なの?

無線LANでも複合機は十分に活躍できる

最近では、複合機(コピー機)も無線LAN(Wi-Fi)による接続に対応する機種が増えてきました。

特に、小規模オフィスやテレワーク環境、家庭用として使う場合は、無線LANによる接続でも十分に複合機の機能を活用できます無線LAN接続が可能であれば、わざわざLANケーブルを配線する手間がかからず、設置場所の自由度が大幅に向上します

また、スマートフォンやタブレットから直接印刷・スキャン指示を出せるモバイル連携機能も、無線接続ならスムーズに活用できるため、より柔軟な働き方やライフスタイルに対応できるのが大きなメリットです。

無線LAN接続のメリットと注意点

無線LANで複合機を接続することには、いくつかの大きなメリットがあります。

【無線LAN接続のメリット】

・ LANケーブルが不要なため、設置場所の制約が少ない

・ スマホやタブレットなどから直接印刷できる利便性

・ 配線工事費用や設置工数を削減できる

しかし同時に、無線LAN特有のデメリットにも注意が必要です。

【無線LAN接続の注意点】

・ 周囲の電波状況に影響され、通信が不安定になることがある

・ 通信距離や障害物によって速度低下やエラーが発生しやすい

・ セキュリティ設定(暗号化やパスワード管理)を適切に行わないと、情報漏洩リスクが高まる

このように、無線LAN接続は便利な反面、「安定性」と「セキュリティ対策」が非常に重要なポイントとなります。

無線LAN接続でトラブルを防ぐための工夫

無線LANで複合機を運用する場合でも、いくつかの工夫をすることで通信品質を大幅に改善できます。

【無線LAN運用で押さえるべきポイント】

・ 複合機はできるだけWi-Fiルーターに近い場所へ設置する

・ Wi-Fi中継機やメッシュWi-Fiを活用し、電波の死角を減らす

・ 5GHz帯(高速通信向け)に対応したルーターを使う

・ WPA3などの強力な暗号化方式を設定し、パスワードも定期的に更新する

これらを意識することで、無線LAN接続でも安定した複合機運用を実現できるでしょう。特に業務用途で無線接続を使う場合は、事前にネットワーク環境を十分に整備しておくことが非常に重要です。

無線LAN接続に向いている環境とは?

無線LAN接続が特に向いている環境をまとめると、以下のようになります。

【無線LAN接続に適したシーン】

・ 少人数(5人以下)の小規模オフィス

・ テレワーク用の在宅勤務スペース

・ 配線工事が難しいまたはコストを抑えたい環境

・ モバイル端末中心で柔軟な運用をしたい現場

このように、使用環境や目的によって「無線接続」と「有線接続」を適切に使い分けることが、快適な複合機運用の鍵となります。

 

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複合機(コピー機)のLANケーブルによる有線接続のメリットとは?必要性とは?

通信の安定性は有線LAN最大の強み

複合機(コピー機)をLANケーブルによる有線接続で運用する最大のメリットは、やはり通信の安定性にあります

有線LANでは、電波干渉や通信切断のリスクがほぼゼロです。
これにより、大容量データの印刷指示やスキャン送信もストレスなくスムーズに処理できるため、業務効率が飛躍的に向上します。

たとえば、毎日数百枚単位で文書を印刷したり、複数人が同時にスキャンデータを送信するような環境では、無線LANだとどうしても通信遅延やエラーが発生しがちです。
しかし有線LAN接続であれば、こうしたトラブルを極限まで回避できるのです。

セキュリティリスクを大幅に低減できる

有線LAN接続には、セキュリティ面での大きな利点もあります。

無線LANの場合、どれだけ強力な暗号化を施しても、電波を受信できる範囲では理論上盗聴や侵入リスクが存在します。

これに対して、有線LAN接続では物理的にケーブルを接続しない限りデータ通信にアクセスできないため、情報漏洩リスクを極限まで低下させることが可能です。

【有線LAN接続のセキュリティメリット】

・ 通信内容が傍受されにくい

・ 社外からの不正アクセスリスクを大幅低減

・ ネットワーク設定(VLAN分割など)による管理が容易

特に、医療機関・金融機関・官公庁など、機密性の高い情報を扱う現場では、複合機も必ず有線接続で運用することがセキュリティポリシーとして義務付けられているケースが非常に多いのです。

ネットワーク障害時の対応が容易

さらに、有線LAN接続はトラブル発生時の障害切り分けが容易というメリットもあります。

無線LANで通信エラーが起きた場合、「ルーターの問題か?中継機の問題か?電波干渉か?」と、原因特定に手間がかかりがちです。

これに対して、有線LANであれば、

・ LANケーブルの断線チェック

・ ルーターやハブポートの確認

・ 複合機本体のIP設定確認

といったシンプルな手順で問題箇所を迅速に特定できるため、ダウンタイムを最小限に抑えられるのです。

特に、印刷停止=業務停止に直結する業種(出版・デザイン・物流など)では、この「障害対応の容易さ」も、有線LAN接続を選択する大きな理由となっています。

なぜ今でも「有線接続の必要性」が強調されるのか?

このように、複合機における有線接続は単なる「古い方式」ではなく、業務インフラを安定して支えるために不可欠な選択肢であり続けています。

【有線接続が求められる主な理由】

・ 通信安定性が業務効率に直結する

・ セキュリティ要件がますます厳格化している

・ 通信障害発生時の復旧スピードが重視されている

今後、オフィスや事務所がいくら無線LAN中心になったとしても、「重要な機器=必ず有線で守る」という考え方は決して廃れないでしょう特に、複合機のような業務基盤となるデバイスにおいては、有線接続こそが、ビジネスの安心・安全・安定を支える必須要素であり続けるのです

 

 

有線LANの配線工事について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください

有線LAN工事はなぜ今も重要?DIYとの違い・業者選びなどを解説

 

複合機(コピー機)の有線接続の際に注意することって何?

LANケーブルの選定ミスに注意しよう

複合機をLANケーブルで接続する際、まず注意すべきポイントは使用するケーブルの規格と品質です。

LANケーブルには、Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7などの規格が存在し、それぞれ最大通信速度と耐干渉性能が異なるため、複合機の性能や使用環境に合わせた最適な規格のケーブルを選ぶことが重要です。

【LANケーブル規格と推奨用途】

規格最大速度特徴複合機用途での推奨シーン
Cat5e1Gbps現在も一般的だが、今後はやや非推奨小規模オフィスや低頻度利用
Cat61Gbps高速・安定・コスパ良好で現在の主流中規模〜大規模オフィス、業務用複合機
Cat6A10Gbpsノイズ耐性に優れ、将来性も高い大規模事務所・高速スキャン・大容量印刷環境
Cat710Gbps高遮蔽性能で最高レベルの安定性金融・医療・機密情報を扱う高セキュリティ環境

 

特に、オフィスで大量データを取り扱う場合や複合機が高性能機種の場合は、最低でもCat6以上のケーブルを使用するのが推奨されます。安価なケーブルや劣化したケーブルを使うと、通信エラーや速度低下が頻発するリスクが高まるため、ケーブル品質には妥協しないことが重要です。

IPアドレス設定ミスが重大なトラブルを引き起こす

次に注意すべき点は、複合機のIPアドレス設定です。

複合機をネットワーク上で認識させるためには、一意のIPアドレスを割り当てる必要があります。しかし、IPアドレス設定を誤ると、他の機器とアドレスが競合し、ネットワークトラブルを引き起こす可能性が高いのです。

【IPアドレス設定の注意点】

・ 可能な限り固定IPアドレスを手動で設定する

・ DHCPを使用する場合は、ルーター側でアドレス予約を行う

・ アドレス範囲(セグメント)をきちんと管理し、重複を防ぐ

たとえば、複数台の複合機やプリンターがある環境では、適当に自動設定してしまうと、いつか通信障害が発生するリスクが高まります。
ネットワーク管理者と連携して、明確なIPアドレス運用ルールを定めておくことが肝要です。

配線設計と設置環境にも十分配慮しよう

また、LANケーブルの配線方法と複合機本体の設置場所にも細心の注意を払いましょう。

【配線・設置時の注意ポイント】

・ LANケーブルは床を這わせず、モールやケーブルトレイで保護する

・ ケーブルに強い力がかかる曲げや引っ張りを避ける

・ 複合機は電源コンセントやLANポートへのアクセスが容易な場所に設置する

・ 排熱を妨げないよう、背面・側面に十分なスペースを確保する

・ 雷サージや停電に備え、無停電電源装置(UPS)導入を検討する

これらを怠ると、ケーブル断線・機器故障・ネットワーク障害などの原因となり、せっかくの有線接続のメリットが台無しになってしまいます。

設置時点でしっかりと配線・配置を最適化しておくことが、長期安定運用のカギとなります。

 

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複合機(コピー機)の有線接続って今後どうなっていくの?

無線化が進んでも有線接続のニーズは根強い

現代のIT環境は、スマートフォンやタブレットの普及により、無線LAN(Wi-Fi)主体の運用が急速に拡大しています。新築オフィスやリモートワーク拠点では、最初から無線LANのみを前提にネットワーク設計するケースも珍しくなくなりました。

しかし、複合機(コピー機)に関しては、今後も有線LAN接続の需要が根強く残り続けると断言できますなぜなら、大量データの安定した送受信・セキュリティ確保・業務停止リスクの最小化という観点から、有線接続がもたらすメリットが圧倒的に大きいからです

特に以下のようなケースでは、無線接続では到底代替できない領域となります。

【今後も有線接続が不可欠なシーン】

・ 大量印刷や大量スキャンを日常的に行う業務環境

・ 機密情報を取り扱うオフィスや医療、金融機関

・ ネットワーク障害が業務停止に直結する重要拠点

・ 大容量データ転送やクラウド連携を高速、確実に行いたい場合

有線LAN技術も進化を続けている

さらに注目すべきは、有線LANの技術自体も進化を続けているという点です。

【今後普及が進む有線LAN技術】

技術名称特徴複合機運用への影響
10Gbps対応LAN超高速データ通信が可能大容量印刷・高速スキャン処理がよりスムーズに
PoE(Power over Ethernet)LANケーブル1本で通信と給電を両立複合機周辺の配線をシンプル化
VLAN(仮想LAN)ネットワークを論理的に分割可能セキュリティを強化しながら柔軟な運用が可能

 

このように、単なる「有線接続」から、さらに高性能・高機能なネットワークインフラへと進化していく流れが生まれています。

特に、PoE対応が進めば、複合機本体にもLAN1本だけで電源供給できるようになり、設置自由度が飛躍的に高まる可能性も期待されています。

「重要機器は有線で守る」という考え方は変わらない

これからのオフィス環境は、無線LANと有線LANのハイブリッド構成が主流になります。

【これからのネットワーク構成イメージ】

・ モバイル端末(ノートPC、タブレット、スマホ)⇒ 無線LAN接続で柔軟運用

・ 重要インフラ機器(複合機、サーバー、NAS)⇒ 有線LAN接続で堅牢運用

このように、可搬性重視と信頼性重視を使い分ける運用スタイルが、標準になっていくでしょう。

どれだけ無線化が進んでも、「業務基盤を支える重要機器は必ず有線接続で守る」という原則は不変です。特に、トラブルによる業務停止リスクを最小限に抑えたい企業や組織ほど、有線接続の重要性を改めて見直す流れが強まっていくと考えられます。

 

 

有線LANと無線LANについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください

社内ネットワークの選択肢:有線LANと無線LANの特徴と選び方

 

総括とまとめ:複合機(コピー機)とネットワーク接続の最適解とは?

有線・無線・USB──それぞれの特徴を理解した上での正しい選択を

現代の複合機(コピー機)におけるネットワーク接続方法は、かつてのUSB接続一択の時代から大きく進化しました。
LANケーブルによる有線接続、無線LAN(Wi-Fi)による無線接続、そして特定用途におけるUSB接続──これらを用途に応じて適切に使い分けることが、今の時代のスタンダードとなっています

とりわけ、オフィスや業務現場においては、単なる印刷機としての役割を超えて、スキャン・データ送信・FAX・クラウド連携といった機能を統合的に担う存在に進化した複合機。
これに伴い、求められる接続環境もまた、単純な「つながればいい」という段階を超え、通信の安定性・セキュリティ・拡張性・管理性が極めて重要視されるようになりました。

なぜ今でも「有線LAN接続」が絶対的に支持されるのか?

今回改めて整理した通り、複合機の運用においてLANケーブルによる有線接続は、依然として最も信頼される方法です。

【有線LAN接続の絶対的なメリット】

・ 通信が極めて安定しているため、大容量印刷や高精細スキャンでも遅延がほぼ発生しない

・ セキュリティが物理的に担保できるため、情報漏洩リスクが大幅に低減される

・ 障害発生時の原因特定と復旧が非常にスムーズで、業務停止リスクを最小限に抑えられる

こうした特性により、特に大人数が複合機を共有するオフィス、大量印刷・大量スキャンが発生する業務現場、医療・金融・官公庁など高セキュリティ環境では、今後も有線接続が選ばれ続けることは確実です。

たとえオフィス全体の無線LAN化が進んだとしても、「重要インフラは必ず有線で守る」というポリシーは変わることがないでしょう。

無線LAN接続の台頭と、それでも残る課題

一方で、無線LAN接続の進化も著しく、小規模オフィス・在宅勤務・配線工事が難しい現場においては、無線LANによる柔軟な複合機運用が十分に実用段階に到達しています。

【無線LAN接続のメリット】

・ LANケーブル不要で設置の自由度が高い

・ スマートフォンやタブレットとの連携がスムーズ

・ コストや工期を抑えて導入できる

しかしながら、無線LANにはやはり通信安定性の不安定さや、セキュリティ対策の難易度の高さといった課題が残っています。

特に、

・ 大量データ通信が発生する環境

・ 周囲に強い電波干渉源が存在する環境

・ 社外からの侵入リスクを徹底的に排除したい環境

では、やはり無線LANだけに頼ることは難しく、必ず有線LAN接続とのハイブリッド運用が必要になるでしょう。

USB接続は「限定的な選択肢」に

かつて全盛だったUSB接続は、今ではあくまで補助的な選択肢に位置づけられています。

【現在のUSB接続の役割】

・ インターネット未接続のスタンドアロン環境での利用

・ 小規模や個人ユースでの単純な印刷ニーズ対応

・ ネットワーク障害時の予備手段としての確保

USB接続は設定が容易で手軽な一方、1対1の閉じた接続しかできず、共有や拡張に極めて不向きです。
そのため、本格的なオフィス環境ではLAN(有線・無線)接続が絶対に必要という認識が、今後ますます強まっていくでしょう。

今後の複合機ネットワーク接続の方向性とは?

未来に向けて、複合機のネットワーク接続は次のような方向へ進化していくと考えられます。

【これからのネットワーク接続トレンド】

・ 「モバイル端末は無線」「重要機器は有線」というハイブリッド構成の標準化

・ 10Gbps超対応LAN配線による超高速データ送受信の実現

・ PoE(Power over Ethernet)による通信+給電の一体化と配線簡素化

・ VLANやゼロトラストネットワークによるセキュリティ強化

・ クラウド連携とオンプレミス複合機のシームレス統合

この流れの中で、複合機のLANケーブル接続はますます高性能・高信頼な基盤として重要性を増していくでしょう。

最後に:正しい接続選びが、複合機運用の未来を決める

複合機(コピー機)は、今や単なる印刷機ではなく、オフィス・ビジネスを動かす“情報プラットフォーム”ですだからこそ、どの接続方法を選ぶかは単なる設定の問題ではなく、業務効率・セキュリティ・将来性・リスク管理に直結する重大な判断ポイントです

・ 通信の安定性を最重視するなら、有線LAN接続を迷わず選択。

・ 柔軟なレイアウトやコスト削減を重視するなら、無線LANを活用。

・ 限定的な単独使用には、USB接続も一考の価値あり。

このように、それぞれの接続方式の特性を正しく理解し、環境に応じた最適なネットワーク構築を行うことが、これからの複合機活用成功の鍵となります。

 

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