計装工事 電気工事

2024.10.21

計装工事と電気工事の違いを徹底比較|役割・仕事内容の基礎知識

 

計装工事と電気工事の違いを先にざっくり解説

計装工事と電気工事はどちらも“電気を扱う工事”に見えますが、目的や役割がまったく異なる専門工事です
この違いを理解しておくことで、設備トラブルが起きたときに「どこへ依頼すれば良いのか」をすぐ判断でき、ムダな工期ロスや誤った依頼を避けられます
特に工場やプラントでは両方の工事が関わるケースが多く、違いを把握しておくことが安定稼働の最初のステップになります。

まずは、両者の役割を簡潔に整理して「どのように違うのか」を押さえておきましょう。

まずは一言で違いを説明すると?

一言でまとめると、電気工事は“電力を供給する工事”、計装工事は“設備を計測し制御する工事”です

電気工事は照明・コンセント・分電盤・動力設備など、建物全体の電源インフラを整える役割を担います。
一方の計装工事は、温度・圧力・流量などの“数値”を読み取り、その情報を元に設備が自動で安定運転するよう制御する仕組みを構築します。

つまり、

電気工事 → 機械を動かすための電力を届ける
計装工事 → 機械が正しく動くよう制御する

という関係です。

このように役割が違うため、同じ設備のトラブルでも対応する工事が変わります。
照明や電源の問題なら電気工事
温度や圧力の異常なら計装工事
この判断ができるだけで、設備の復旧が格段にスムーズになります。

それぞれの役割をひと目で比較

以下に、計装工事と電気工事の違いを一覧でまとめました。
ひと目で比較できるよう、目的・扱う電気・作業内容・よくある相談を整理しています。

【計装工事と電気工事の違い】

項目計装工事電気工事
主な目的設備の状態を計測し、制御して安定稼働を保つ機器や建物に電力を供給し、安全に使用できる環境を作る
扱う電気の種類微弱電流(信号)強電(電力)
代表的な作業センサー設置、制御盤施工、信号配線、PLC調整照明・コンセント工事、幹線工事、分電盤設置
主な対象設備工場設備、プラント、ボイラー、空調制御建物全般、オフィス、店舗、工場の電源設備
よくある相談温度異常、設備が自動運転しない、数値が安定しない照明増設、電源不足、機械が動かない

 

この表を見ると、両者がまったく異なる専門性を持つ工事であることがわかります。
特に工場やプラントでは、電気工事が“動力”を担い、計装工事が“制御”を担うという関係性が非常に重要です。

 

 


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計装工事とは?目的・仕組みをわかりやすく解説

前章では、計装工事が「設備を計測し制御するための工事」であると説明しました。
ここでは、その役割をより深く理解できるように、計装工事の目的・仕組み・具体的な作業内容をわかりやすく整理します。
工場やプラントでは、製造品質を安定させ、設備を安全に動かすために計装工事が欠かせません
そのため、現場の管理者や設備担当者にとって計装工事の役割を正しく理解することは、トラブル予防や生産性向上にも直結します

計測・制御がメイン業務である理由

計装工事の中心となるのは、機械や設備の状態を正確に把握する「計測」と、計測した値を元に機械を安全に動かす「制御」です
設備は温度・圧力・流量などの状態が少しでもズレると、製品品質の低下・設備負荷の増大・ライン停止といった問題を起こす可能性があります。
そのため計装工事では、以下のポイントが重視されます。

・ センサーを使って「現在の状態」を正確に取得する
・ 取得した信号を安定して制御盤へ伝送する
・ 制御盤が機器へ適切な指示を送り、自動運転を支える
・ データを見える化して異常発生を早期発見する

特に工場では、機械の稼働が数%乱れるだけでも生産性に大きな影響を与えるため、計装工事の精度が企業の利益にも直結します

どんな設備に使われるのか(工場・プラントなど)

計装工事は、一般的なオフィスではあまり見かけませんが、「数値を監視しながら動く設備」には必ず必要になります
代表的な現場を以下にまとめます。

【計装工事が使われる主な現場】

現場用途代表的な計測項目
製造工場製造ラインの自動制御温度・圧力・流量
食品・医薬工場品質管理・衛生管理温湿度・pH値
水処理場水質監視・設備制御濁度・水位
化学プラント危険物管理温度・圧力・成分濃度
ボイラー設備運転管理温度・燃焼状態

 

これらの現場では、一つの数値の異常が事故や品質不良につながりやすいため、計装工事による精密な制御システムの構築が不可欠です。

計装工事の具体的な作業例(センサー・制御盤・配線)

計装工事の実際の作業内容は、一般的な電気工事とは大きく異なり、繊細な信号を正しく扱うための専門技術が求められます
代表的な作業を以下にまとめます。

・ 温度、圧力、流量などを測定する各種センサーの設置
・ センサー情報を集約する制御盤の設置や調整
・ センサーと制御盤をつなぐ信号ケーブル配線(微弱電流)
・ PLC(シーケンサ)のプログラム設定
・ 機器の試運転や動作確認
・ データ記録装置や監視モニターの取り付け

計装工事では信号のノイズ対策が非常に重要です
正しく配線されていないと、センサーが誤った情報を伝送し、設備が誤動作する原因になります
そのため、配線ルートの選定やケーブル種類の選択まで細かく設計し、制御システムが安定して動く状態に整えていきます。

 

 

工場における電気設備について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

工場の電気設備を総点検!基礎から最新の改善策まで徹底解説!

 

電気工事とは?私たちが知る“電気”を扱う工事

前章では、計装工事が“設備を計測・制御する工事”であることを詳しく解説しました。
それと対になる工事が、建物や機器を動かすための電力を供給する電気工事です
オフィスや一般家庭でも身近な工事ですが、工場や大型設備ではさらに大きな役割を担い、建物全体の安全性と稼働に直結する重要なインフラ工事といえます
ここでは、電気工事の目的・役割・作業の流れをわかりやすく整理し、計装工事との違いも自然に理解できるよう解説します。

電力供給・照明・コンセント・幹線工事の役割

電気工事は、一言でまとめると「設備が動くために必要な電力を確実に届ける工事」です
照明・コンセント・動力設備など、建物で“当たり前に使っている電気”を安全に供給するための基盤を整えます。
その役割は以下のように多岐にわたります。

【電気工事が担う主な役割】

分類内容目的
照明工事LED照明・非常灯の設置明るさ・安全性の確保
コンセント工事電源増設・レイアウト調整機器使用の利便性向上
動力工事モーター・機械への電力供給設備稼働の安定化
幹線工事受電盤~分電盤~各部の電源供給建物全体の電力インフラ構築
分電盤・ブレーカー工事適切な容量設定・安全管理漏電・過負荷の防止

 

こうした工事は、建物の規模や用途に合わせて正確に設計する必要があり、誤った施工を行うと漏電・火災・機器故障につながるため、専門性が非常に高い分野です。

建物全体の電気インフラを作る工事の流れ

電気工事は、建物の構造と設備配置に合わせて電源ルートを決め、必要な場所へ安全に電力を届ける工程の積み重ねです
一般的な電気工事の流れは以下の通りです。

・ 現地調査:電源位置、配線ルート、容量の把握
・ 設計:照明、コンセント、動力の配置計画
・ 幹線工事:受電盤から必要箇所まで電源を供給
・ 配線工事:照明、コンセント、機器への個別配線
・ 機器設置:照明器具、分電盤、コンセントの取り付け
・ 試験:絶縁確認、通電試験、安全検査
・ 最終確認:負荷バランスとブレーカー容量の適正診断

工場や商業施設などの大規模工事では、機械の種類・電圧区分(100V/200V/三相200V)・負荷容量を複合的に考慮し、全体の電力バランスが崩れないよう綿密に設計されます
これらの工程を経ることで、建物全体の電気インフラが安全かつ安定して構築されます。

一般的に電気工事士の資格が必要になる理由

電気工事が“資格必須”の工事である理由は、扱う電気の強さと危険性にあります
電気工事では大きな電流や高電圧を扱うため、誤った接続や施工不良があると感電事故・漏電・火災の原因になる可能性があります。
そのため、法律(電気工事士法)では以下のように規定されています。

【電気工事士資格が必要とされる理由】

項目内容
法律で義務化一般用電気工作物の工事は資格者以外が行うと違法
感電・火災の防止高電圧作業には専門知識が必須
設計・試験の正確性配線容量・ブレーカー選定など高度な計算が必要
安全基準の遵守電気設備技術基準に基づく施工が求められる

 

つまり、電気工事士は「電気を安全に扱う専門家」としての資格であり、建物や設備を守るうえで欠かせない存在です
工事の規模が大きいほどリスクも増えるため、資格を持つ技術者による施工によって事故を未然に防ぎ、設備寿命を延ばすことが可能になります。

 


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計装工事と電気工事の違いを深掘り比較

前章までで、計装工事と電気工事は同じ“電気を扱う工事”でありながら、目的・役割・扱う電気の種類が大きく異なることを解説しました。
ここではその違いをより深く理解できるよう、信号の種類・工事の目的・作業範囲といった視点から詳しく比較していきます。
設備のトラブル対応や工事依頼の判断を正しく行うためにも、両者の違いを体系的に理解しておくことが重要です

扱う信号の違い(電力 vs 微弱電流)

計装工事と電気工事の最も大きな違いは、扱う“電気の性質”です
電気工事は、照明・機械設備を動かすための強電(電力)を扱います。
一方で計装工事は、センサーから制御盤へ情報を伝えるための微弱電流(信号線)を扱います。

この違いは、工事内容や使用するケーブル、必要な技術にまで影響します。

【扱う電気の違い】

項目計装工事電気工事
目的設備情報を伝える(信号)設備に電力を供給する
電気の種類微弱電流(mA〜A未満)強電(数A〜数十A)
代表例センサー・制御盤照明・コンセント・動力
配線の特徴ノイズ対策が必須耐熱性・耐電流性が重要

 

微弱電流は外部ノイズの影響を受けやすく、配線ルートを少し間違えるだけでセンサー値に誤差が生じます。
一方、強電は大量の電力を扱うため、絶縁・太さ・許容電流などの条件は厳密に守る必要があります。

目的の違い(制御・監視 vs 電力供給)

計装工事と電気工事は、工事の最終目的が大きく違います
この目的の違いが、施工方法や設計方針にも直結します

【両者の目的】

・ 計装工事:設備を「監視、制御」して安定運転を実現する
・ 電気工事:設備へ「確実に電力を供給」して安全に動かす

別の言い方をすると、
計装工事は設備の頭脳をつくり、電気工事は設備の体を動かすための工事です。
設備の品質や安全性を守るためには、どちらか一方ではなく双方の役割が必要となります。

作業範囲の違い(現場・設備・機器)

両者は同じ現場で作業することが多い一方で、担当する“作業範囲”はまったく異なります
それぞれがどの領域を担当するのかを理解しておくと、工事の依頼やトラブル時の判断がスムーズになります。

【作業範囲の違い】

領域計装工事が担当電気工事が担当
設備の制御センサー・制御盤・PLC対象外
電源供給信号系のみ幹線〜末端まで全般
機器の設置計測器・監視装置照明・コンセント・動力
配線信号線・ツイストペア線電力線・CV・VVF
試運転動作値の確認・制御調整通電確認・絶縁試験

 

このように、計装工事は機械を「どう動かすか」、電気工事は「どう電力を届けるか」を担当するため、両者は補完し合う関係といえます
特に工場では両方の工事が必要になることが多く、連携して作業することで設備全体の安定稼働が実現します。

 

 

機械設備と電気設備の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

機械設備と電気設備の違いとは?役割・構成・施工内容を徹底解説

 

どっちに依頼すべき?ケース別で判断する方法

ここまで、計装工事と電気工事の違いを「目的」「作業範囲」「扱う電気」の観点から深掘り解説してきました。
しかし、実際の現場では「このトラブルはどっちに相談すべき?」と迷うケースが少なくありません。
特に工場やプラントでは、電気と制御が密接に関わるため、判断を誤ると対応が遅れ、設備停止による損失が発生することもあります
そこで本章では、よくある現場の状況をケース別に整理し、どちらに依頼すべきかをわかりやすくまとめます。

まずは代表的な判断基準を表で確認しましょう。

【ケース別の依頼先早見表】

状況(トラブル内容)相談すべき工事原因の特徴
設備が動かない計装工事センサー不良・制御異常
温度が安定しない計装工事温度センサー・制御値のズレ
圧力や流量が正常でない計装工事計測機器や伝送異常
照明を増やしたい電気工事照明回路・スイッチ配線
コンセントを増設したい電気工事電源容量・配線敷設
機械の電源を取りたい電気工事動力電源・幹線接続
設備更新で制御も見直す計装+電気両方電源と制御の両方が必要
新ライン導入計装+電気両方設備制御と動力を一括構築

 

それでは、ケースごとに詳しく解説します。

「設備が動かない」「温度制御ができない」 → 計装工事

設備が突然止まった。
温度が目標値に達しない。
圧力・流量が安定しない。
このような“設備の内部状態”に関わるトラブルは、ほとんどの場合、計装工事の領域です。

【計装工事が担当する典型的トラブル】

・ 温度センサーの故障
・ 圧力計や流量計の異常
・ 制御盤のリレー不良
・ PLC(シーケンサ)の設定エラー
・ 伝送ケーブルの断線やノイズ回り込み

例えば、設定温度より高くなったり低くなったりする問題は、電気が原因ではなく、温度センサーの精度低下や制御信号の異常が多く、計装の専門技術が必要です。
設備の挙動が不安定な場合は、まず計装工事業者へ相談することで、原因が最短で特定できる可能性が高まります

「照明を増設したい」「電源をとりたい」 → 電気工事

オフィスや工場でよくある要望が「照明を追加したい」「コンセントを増やしたい」という内容です。
これらは設備の制御とは無関係で、電力供給の増設に該当するため、電気工事が担当します。

【電気工事が担当する典型的工事】

・ LED照明の取り付け
・ コンセントの増設
・ 分電盤やブレーカーの容量見直し
・ 動力設備用の電源配線
・ 幹線ルートの追加工事

特に動力設備(モーター・コンプレッサーなど)を新設する場合は、電源容量やブレーカー負荷を正しく計算し、安全に電力を届けられる配線設計が必要になります
そのため、電気工事の専門知識が欠かせません。

工場の場合は“両方必要”が多い理由

工場やプラントでは、電気工事と計装工事が密接に関わるため、「どちらか片方だけ」では解決しないケースが多くあります
たとえば、新ライン立ち上げの場合、次の二つが同時に必要です。

【工場工事で両方必要になる理由】

必要な工事内容理由
電気工事動力・照明・電源供給機器を動かすための電力が必須
計装工事制御盤・センサー・自動制御機器を正確に動かすための制御が必要

 

電気工事だけでは単に機械が“電気的に動く”だけで、精密な制御はできません。
逆に計装工事だけでは、電力が供給されないため設備は動きません。
このように工場の設備は、電源(電気工事)+制御(計装工事)の組み合わせで初めて安定運転が成立します

 


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まとめ:2つの工事を理解すればトラブルが減る

ここまで見てきたように、計装工事と電気工事は「同じ電気を扱う工事」ではあっても、その目的と役割がまったく異なる専門分野です
電気工事は建物や設備に電力を届けるためのインフラを整える工事であり、計装工事はその設備が狙い通りの状態で安定して動くように「計測」し「制御」する工事です
この違いを押さえておくだけで、設備トラブルが発生したときに原因の見当がつきやすくなり、最初から適切な業者へ相談しやすくなるため、復旧までの時間短縮にもつながります。

特に工場やプラントのように、生産ラインと安全性が事業そのものを左右する現場では、電気工事と計装工事の役割分担を理解しているかどうかが、トラブル時の初動対応の質を大きく変えます。
「電源が足りない」「照明を増やしたい」「新しい機械に電源を引きたい」といった相談は電気工事の領域であり、「温度が安定しない」「自動運転が止まる」「圧力や流量の表示が不自然」といった症状は計装工事の領域です。
どのような症状のときに、どちらへ依頼すべきかを整理しておくことが、ムダな工事や手戻りを防ぐ一番の近道といえます。

また、記事中でも触れた通り、工場では「電源(電気工事)」と「制御(計装工事)」がセットで必要となるケースが非常に多いのが実情です
新ラインの立ち上げや大型設備の更新では、動力用の電源配線・幹線工事・分電盤の増設などを電気工事が担当し、制御盤・センサー・PLC・監視システムなどを計装工事が担当します。
どちらか一方だけでは安定稼働は実現できないため、電気工事と計装工事を“別々のもの”としてではなく、“補完し合うパートナー”として捉える視点が重要になります

さらに、発注側が計装工事と電気工事の違いを理解していると、見積内容の妥当性も判断しやすくなるというメリットがあります。
「これは本当に計装側の範囲なのか」「この電気工事は既設設備とのバランスがとれているのか」など、基本的なチェックポイントを押さえやすくなり、過剰な仕様や不要な配線工事を避けることが可能になります。
結果として、工事費用の最適化・工期の短縮・将来の増設や更新を見越した計画的な設備投資へとつなげやすくなります。

一方で、現場目線では「どこまでが電気工事で、どこからが計装工事なのか」が曖昧になりやすく、責任範囲がぼやけたまま工事が進んでしまうことも少なくありません
そのような状態では、トラブルが起きた際に「誰に連絡すれば良いのか」が分からず、復旧が遅れたり、複数の業者をたらい回しになるリスクもあります。
だからこそ、発注前の段階で役割と範囲を整理し、「この部分は電気」「この部分は計装」と線引きしておくことが、結果的にトラブル削減と安定稼働に直結します

まとめると、

・ 計装工事は設備の計測、制御、監視を担う工事
・ 電気工事は設備の電力供給、配線、インフラ構築を担う工事
・ 工場やプラントでは両方の工事を組み合わせることで初めて安全で安定した稼働が実現する

という関係です。

今後、工場設備の更新や新ライン導入、電気設備のリニューアルを検討する際は、ぜひこの記事で整理したポイントを思い出してみてください
「これは電気工事の話か? それとも計装工事の話か?」という視点を持つだけで、相談先の選び方・見積依頼の内容・工事計画の精度が大きく変わります。
計装工事と電気工事の違いを正しく理解し、現場に合ったパートナー選びができれば、設備トラブルを未然に防ぎ、安定稼働と生産性向上を両立した電気・制御環境を実現できるはずです。

 


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