
「電気工事士って、実際のところ儲かるの?」
そう疑問に思っている方は、けっして少なくないはずです。
建設業界のなかでも電気工事士という職種は、法律によって資格保有者しか仕事ができないという制約があるため、参入障壁が高く、その分だけ収入が安定しやすいという特徴を持っています。
さらに近年は、EV(電気自動車)の急速な普及・太陽光発電や蓄電池の設置需要の拡大・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)に対応した建築物の増加など、電気工事士が関わる領域は年々広がり続けています。
一方で、「資格を持っていれば誰でも同じように稼げるか」というと、そうではありません。
同じ電気工事士という資格を持っていても、年収350万円台に留まり続ける人もいれば、独立して年収1,000万円を超える人もいます。
その差は、資格の有無ではなく、「どう動くか」「何を身につけるか」「どこに向かうか」という戦略と行動の違いから生まれています。
本記事では、電気工事士が儲かるといわれる構造的な理由を丁寧に掘り下げながら、年収の実態・儲かる人と儲からない人の差・具体的に収入を上げるための方法まで、余すことなく解説していきます。
これから電気工事士を目指す方にも、すでにキャリアを積んでいる方にも、収入アップのヒントが必ず見つかる内容になっています。
ぜひ最後までお読みください。
電気工事士は儲かる仕事といわれる理由とは?
まず最初に、電気工事士が「儲かる仕事」として語られる理由を、構造的・本質的な視点から整理していきます。
「なんとなく手に職があれば安定する」という漠然とした理解ではなく、なぜ電気工事士という職種が収入面で有利なのかを理解しておくことが、今後のキャリア設計においても大切な土台になります。
生活インフラを支える仕事として需要が安定している
電気は、現代社会において水道・ガスと並ぶ三大インフラのひとつです。
私たちの日常生活から産業活動・医療・教育・物流に至るまで、電気のない環境はほぼ存在しないといっても過言ではありません。
住宅・マンション・オフィスビル・商業施設・病院・介護施設・工場・倉庫・学校など、建物が建てられるたびに電気工事は必ず発生します。
新築工事だけでなく、既存建物のリフォーム・設備の老朽化による改修・省エネ対応のための設備更新・テナント入替に伴う内装変更工事など、既存ストックからの需要も非常に旺盛です。
景気の変動によって仕事量が大きく左右される業種と比べると、電気工事士の仕事は景気後退局面でも一定の需要が維持されやすいという特徴があります。
実際、建設業全体が低迷していた時期にも、電気設備の保守・メンテナンス・改修工事の需要はほとんど落ちず、電気工事業者の仕事量がほぼ途切れなかったという事実があります。
加えて、近年は脱炭素社会の実現に向けた国家的な取り組みとして、太陽光発電システムの設置義務化・電気自動車の充電設備設置補助・省エネ基準の強化などが進んでおり、電気工事士の需要は今後もさらに拡大していく見通しが立っています。
こうした背景から、電気工事士は「景気に左右されにくく・将来性があり・安定して稼ぎやすい職種」として、多くの業界関係者や求職者から注目を集めているのです。
資格職であり、専門性が収入に反映されやすい
電気工事士が儲かりやすい理由のひとつとして見逃せないのが、「資格がなければ仕事ができない」という法律上の制約です。
電気工事士法に基づき、一般用電気工作物(住宅・小規模店舗など)の工事には第二種電気工事士の資格が、自家用電気工作物(工場・病院・大型ビルなど)の工事には第一種電気工事士の資格が必要とされています。
つまり、無資格者がこれらの電気工事を行うことは法律で厳しく禁じられており、資格保有者の絶対的な需要が法律によって担保されているという構造になっているわけです。
この点が、資格不要の一般的な肉体労働や単純作業と、電気工事士が根本的に異なる点です。
資格職というのは、免許の取得・維持・更新に一定のコストと努力が伴う分、その専門性が報酬に反映されやすく、未経験者・無資格者との差別化が明確にできるという強みがあります。
さらに、電気工事士の資格は第二種・第一種のほかに、電気施工管理技士・消防設備士・建築設備士など関連資格との親和性も高く、複数資格を組み合わせることで対応できる工事の幅が一気に広がります。
対応範囲が広がれば単価の高い案件を受注しやすくなり、収入アップに直結するという好循環が生まれます。
こうした「資格の積み重ねが収入に直結する仕組み」が、電気工事士を儲かりやすい職種たらしめている大きな要因のひとつです。
独立や請負で収入の上振れが狙いやすい
会社員として電気工事士の仕事をしている場合でも、年収400〜600万円台を安定的に狙うことは十分に現実的です。
しかし、電気工事士という職種の最大の魅力のひとつが、独立・開業によって収入の「天井」がなくなる点にあります。
独立して個人事業主や法人として電気工事業を営むことで、工事単価の決定権が自分に移ります。
会社員時代は会社を通じて案件が割り振られていたものが、独立後は自分で元請け案件を獲得できるかどうかで、同じ工事量でも手取り収入が大きく変わってきます。
たとえば、下請けとして大手ゼネコンや設備会社から仕事を受ける場合、中間マージンが数十パーセント引かれた状態で単価が決まります。
一方、施主(建築主)や管理会社・ハウスメーカーと直接契約できる元請けポジションを獲得できれば、中間マージンをカットした状態で収益を確保できるため、利益率が格段に高くなります。
また、請負形態での働き方は、仕事量を自分でコントロールしやすいという利点もあります。
稼ぎたい時期に仕事を積極的に取りにいき、体を休めたい時期にはセーブするという柔軟な働き方ができるため、年収を自分の努力と戦略次第でコントロールしやすい職種だといえます。
こうした「独立・請負による収入の上振れ可能性」が、電気工事士が儲かる仕事として語られる大きな理由のひとつになっています。
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電気工事士の年収相場と収入の実態
電気工事士の収入について、具体的な数字をもとに理解を深めていきましょう。
「儲かる」といわれる職種であっても、実際の年収相場を把握しておかなければ、自分の目標設定が曖昧になってしまいます。
年収のイメージを具体的に持つことが、キャリアプランを描く第一歩になります。
会社員の電気工事士の平均的な年収
厚生労働省の賃金構造基本統計調査や各種求人データをもとにすると、電気工事士として会社に勤務している場合の年収は、おおむね以下のような水準になります。
| 雇用形態・規模 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 中小電気工事会社(正社員・20代) | 280〜380万円 |
| 中小電気工事会社(正社員・30代) | 380〜500万円 |
| 中堅〜大手設備会社(正社員・30〜40代) | 450〜650万円 |
| 施工管理職・現場監督クラス | 500〜750万円 |
| 独立・個人事業主 | 400〜1,200万円以上(個人差大) |
会社員として働く場合の平均年収は、おおよそ400〜500万円台が中心的なレンジになります。
これは全国の平均年収(約440万円前後)とほぼ同水準か、やや上回る水準であり、決して低い職種ではありません。
また、残業代・夜間手当・危険手当・資格手当などの各種手当が上乗せされることも多く、基本給だけを見た場合よりも実際の手取り収入が高くなるケースが多いのも電気工事業界の特徴です。
資格手当は月額5,000円〜30,000円程度が相場であり、第一種電気工事士や電気施工管理技士などの上位資格ほど手当の額も大きくなる傾向があります。
なお、求人票には「月給22万円〜」と記載されていても、諸手当・残業代・賞与を含めると年収ベースでは大きく変わるケースも珍しくありません。
入社前に年収の総額・内訳をしっかり確認しておくことが、後悔のない職場選びにつながります。
経験年数によってどれくらい差が出るのか
電気工事士の収入は、経験年数とともに着実に上がっていく傾向があります。
入職直後は現場での作業補助からスタートし、徐々に一人で担当できる工程が増えていくことで、単価交渉力や社内評価が高まっていきます。
おおまかな経験年数別の年収イメージは以下のとおりです。
| 経験年数 | 年収の目安 | 主な状況 |
|---|---|---|
| 1〜3年目 | 250〜350万円 | 第二種取得・基本作業習得中 |
| 3〜5年目 | 350〜450万円 | 一人立ち・現場リーダー補佐 |
| 5〜10年目 | 450〜600万円 | 第一種取得・現場リーダー |
| 10〜20年目 | 550〜750万円 | 施工管理・元請け対応可能 |
| 20年以上 | 700万円〜(独立でさらに上振れ) | 独立・法人化・幹部職 |
重要なのは、経験年数が増えるほど、資格取得や技術習得のスピードが収入の伸び率に直結するという点です。
同じ5年のキャリアでも、第一種電気工事士を取得して施工管理の経験まで積んだ人と、第二種のみで現場作業だけをこなしてきた人では、年収に100〜200万円以上の差が生じることも珍しくありません。
資格取得と実務経験の掛け合わせが、収入曲線を急勾配にする鍵です。
焦る必要はありませんが、「いつまでに何の資格を取り、どんな工事に対応できるようになるか」というロードマップを早い段階で描いておくことが、長期的な収入アップに大きく影響します。
地域差や会社規模による収入の違い
電気工事士の収入は、勤務する地域や会社の規模によっても大きく異なります。
一般的に、大都市圏(東京・大阪・名古屋・福岡など)では工事単価が高く、慢性的な人手不足による需給のタイトな状況が続いているため、給与水準も高くなる傾向があります。
一方、地方都市や農村部では、工事単価自体が低めに設定されることが多く、同じスキル・経験でも年収に50〜100万円程度の差が出ることがあります。
ただし、地方であっても大型の工場・発電所・再生可能エネルギー施設の近くに立地している場合は、単価が都市部と同等かそれ以上になるケースも存在します。
また、会社の規模については以下のような傾向があります。
大手設備会社・ゼネコン系子会社
福利厚生が充実しており年収は安定しているが、昇給スピードはやや遅い傾向にある
中堅地元電気工事会社
実務経験を積みやすく成果が給与に反映されやすい・現場リーダーに早くなれる
零細・個人事業者のもとでの雇用
実務は多彩になりやすいが給与体系が不明瞭なケースもあるため注意が必要
大手に就職することが必ずしも収入最大化につながるわけではなく、自分のキャリア目標に応じた会社選びが重要です。
独立を視野に入れているのであれば、早い段階で多様な現場経験を積める中堅・中小規模の会社を選ぶことが、将来的な独立後の収入を高めるための準備になることも多くあります。
夜間工事・高所作業・特殊現場で単価が上がる理由
電気工事士の収入のなかでも、特に単価が上がりやすい仕事というものがあります。
それが、夜間工事・高所作業・特殊現場での電気工事です。
夜間工事は、工場や商業施設が稼働していない深夜・早朝の時間帯に施工しなければならない案件です。
通常の昼間工事と比べて深夜割増賃金(通常の25%増し以上)が適用されるうえ、施工難易度が上がることも多いため、日当・単価が大幅に高くなります。
高所作業は、足場を組んでの作業や高所作業車を使った電線・照明設備の施工などが該当します。
危険度・技術難易度が高い分、高所作業手当や危険作業手当が加算されることが一般的です。
特殊現場としては、半導体工場・クリーンルーム・医療施設・原子力関連施設・大型データセンターなどが挙げられます。
これらの現場では要求される精度・品質基準が極めて高く、施工実績や特殊技能が求められるため、一般的な住宅工事の単価と比べて2〜5倍以上の単価になることも珍しくありません。
また、離島・山間部・海上施設など、交通アクセスの困難な場所での工事は、移動手当・宿泊費・遠隔地手当が別途支給されることが多く、1件あたりの総収入が大幅に高くなるケースもあります。
こうした高単価案件に積極的に入れるかどうかが、電気工事士としての収入水準を大きく左右します。
電気工事士で儲かる人と儲からない人の違い
同じ「電気工事士」という資格を持っていても、年収400万円台でとどまる人もいれば、1,000万円を超える人もいます。
その差はどこから生まれるのでしょうか。
儲かる電気工事士と儲からない電気工事士の間には、明確な行動・思考・戦略の違いがあります。
それぞれの違いを一つひとつ丁寧に見ていきましょう。
資格取得後も技術を磨き続けている
電気工事士として高収入を得ている人に共通しているのは、「資格を取って終わり」という発想を持っていないことです。
資格はあくまでも「仕事をするための最低限の許可証」に過ぎず、取得後にどれだけ技術を深めるかが収入の分岐点になります。
具体的には、以下のような技術・スキルを継続的に磨いている人が多いです。
・ 電気CADを使った施工図面の読み取りや作成スキル
・ 動力設備や受変電設備(キュービクル)の施工、保守技術
・ 太陽光発電や蓄電池システムの設置、調整技術
・ BAS(ビル管理システム)や自動制御設備の知識
・ EVチャージャーやスマートホーム設備の施工対応能力
これらの技術を習得しておくことで、対応できる工事の幅が広がり、高単価案件へのアクセスが容易になります。
逆に、「第二種電気工事士の資格を持っているから大丈夫」という思考のまま同じ仕事だけをこなし続けていると、単価交渉の余地が生まれにくく、収入が横ばいになりやすいのです。
技術力は、積み重ねるほど他の電気工事士との差別化ポイントになります。
「あの現場はあの人じゃないと対応できない」という存在になれた電気工事士は、需要が絶えることなく、単価交渉でも有利な立場に立てます。
営業力や人脈づくりに力を入れている
技術力と並んで重要なのが、「仕事を取ってくる力」です。
どれほど優秀な技術を持っていても、仕事がなければ収入にはなりません。
儲かっている電気工事士の多くは、現場の仕事をこなしながらも、同時に人脈づくりや営業活動に積極的に時間を割いています。
具体的な人脈形成の場としては、以下のようなものが挙げられます。
・ 地元の建設業者、工務店、ハウスメーカーとの関係構築
・ 管理組合、不動産管理会社、ビルオーナーへの直接アプローチ
・ 税理士、司法書士などの士業ネットワークを介した紹介獲得
・ 業界団体(電気工事工業組合など)への加入と活動参加
・ ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSを活用した問い合わせ獲得
とりわけ、紹介を通じて仕事が来る仕組みを作れているかどうかが、安定的に高収入を得られるかどうかの大きな分かれ目になります。
紹介経由の仕事は、価格競争になりにくく、信頼関係をベースに単価交渉がしやすい傾向があるため、収益率の高い仕事が集まりやすいという大きなメリットがあります。
「技術は一流だが、営業は苦手」という電気工事士は非常に多いですが、営業とは「売り込む」ことではなく「信頼を積み上げること」です。
日頃から誠実に仕事をこなし、丁寧なアフターフォローをするだけでも、口コミや紹介という形で自然と仕事が増えていくことは珍しくありません。
安い仕事ばかり受けてしまっているケース
儲からない電気工事士のパターンとして、単価の安い仕事を断れずに抱え込んでしまうという問題があります。
仕事量だけは多いのに、手元に残るお金が少ない——という状況に陥っている電気工事士は少なくありません。
この背景にあるのが、「仕事を断ったら次の仕事がなくなるかもしれない」という不安心理です。
とりわけ独立直後や実績が少ない時期は、単価が低くても受注せざるを得ないケースもあります。
しかし、低単価の仕事を長期間受け続けると、以下のような悪循環に陥ります。
・ 移動や段取り時間が増えて実質的な時給が下がる
・ 体力や時間を消耗して高単価案件へ対応する余裕がなくなる
・ 低単価の顧客との関係が固定化してしまい価格交渉ができなくなる
適切に仕事を選別する勇気と、高単価案件を自分から取りにいく姿勢が、収入を上げる上で不可欠です。
「断ることへの罪悪感」を乗り越え、自分の技術・時間・体力に見合った適正単価で仕事を受ける習慣を作ることが、長期的な収入水準の向上につながります。
元請け案件を持てるかどうかが分かれ道になる
電気工事士の収入格差を生む最大の要因のひとつが、「元請け案件を持てているかどうか」です。
電気工事業界では、大手ゼネコン→中堅設備会社→電気工事業者という多層構造の下請けピラミッドが存在します。
ピラミッドの下層に位置する下請け・孫請けとして仕事を受けている限り、中間マージンが何重にも引かれた状態の単価で仕事をすることになります。
たとえば、ある工事の施主が支払う工事費が100万円だとすると、孫請け業者に渡る段階では55〜70万円程度になっていることも珍しくありません。
一方、施主や管理会社と直接契約している元請け業者の立場であれば、同じ100万円の工事から材料費・外注費を引いた額がほぼそのまま利益として残ります。
元請け化を実現できた電気工事士は、同じ作業量でも手取り収入が1.3〜2倍以上になることも十分あり得ます。
元請けを獲得するためには、営業力・信頼の実績・対応力・見積もりスキルなど複合的な要素が必要になりますが、それを積み上げられた電気工事士が高収入を安定的に維持できています。
まずは小さな元請け案件からでも積み上げていき、下請け依存からの脱却を段階的に進めていくことが、収入構造を根本から変えるための最重要テーマです。
電気工事士が儲かるようになる具体的な方法
「儲かる電気工事士になりたい」と思ったとき、具体的に何から手をつければよいのかを順を追って解説します。
収入を高めるための行動は、資格・対応範囲・独立・周辺工事の4つの軸で考えると整理しやすくなります。
第二種電気工事士から第一種電気工事士へステップアップする
まず最初に取り組むべきは、第一種電気工事士の取得です。
第二種電気工事士は一般用電気工作物(主に住宅・小規模店舗)のみ対応できますが、第一種電気工事士を取得することで、工場・病院・大型商業施設などの自家用電気工作物の工事も手がけられるようになります。
これにより対応できる案件の種類が増え、単価が高い法人向け・業務用工事へのアクセスが大幅に広がります。
第一種電気工事士の試験は、第二種取得後に実務経験なしでも受験できます(免状交付には試験合格後に3年以上の実務経験が必要)。
試験合格を先行させながら、実務経験を並行して積んでいく計画を立てると効率的です。
資格取得のタイムラインを逆算して計画的にキャリアを設計することが、収入アップへの最短ルートになります。
第一種取得後は月額の資格手当が増えるだけでなく、担当できる現場の規模が広がることで、1件あたりの工事売上が大きく伸びる可能性があります。
電気施工管理技士や消防設備士など関連資格を増やす
収入を本格的に伸ばしたいのであれば、電気工事士の資格単体にとどまらず、関連資格を積み上げて対応領域を広げる戦略が効果的です。
特に収入アップに直結しやすい関連資格は以下のとおりです。
| 資格名 | 取得メリット |
|---|---|
| 第一種・第二種電気工事施工管理技士 | 現場監督・管理職への昇格・元請け案件対応に必須 |
| 消防設備士(甲種・乙種) | 消火設備・自動火災報知設備の工事・点検が可能に |
| 建築設備士 | 設備設計・コンサルティング業務へ展開できる |
| 電気主任技術者(第三種〜第一種) | 電気設備の保安管理業務で安定した副収入が得られる |
| 低圧電気取扱作業者特別教育 | 現場対応力の向上・安全管理の幅が広がる |
| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物の低圧部分の工事が可能になる |
なかでも、電気施工管理技士は取得することで現場監督・管理職への道が開け、年収の大幅アップが現実的になります。
1級電気施工管理技士を保有していると、大規模工事の主任技術者・監理技術者として現場配置できるようになるため、会社からの評価も給与水準も大幅に向上します。
また、電気主任技術者(電験三種)を取得すると、ビルや工場の電気設備の保安管理を委託業務として行えるようになり、施工業務とは別の柱となる収入源を構築できるという大きなメリットがあります。
住宅だけでなく店舗・工場・法人案件にも対応する
電気工事士として高収入を得ている人の多くは、住宅工事だけに特化せず、店舗・工場・法人の電気工事にも積極的に対応しています。
住宅(特に戸建て)の電気工事は単価が比較的低めであり、件数をこなさなければ収入が積み上がりにくい構造があります。
一方、店舗・飲食店・事務所などの内装工事に伴う電気工事は、照明・コンセント・空調・厨房設備・動力設備など設置物が多く、1件あたりの工事金額が住宅の2〜5倍以上になることも珍しくありません。
工場の電気工事においては、動力設備・受変電設備(キュービクル)・制御盤の施工など、高度な技術が求められる案件が多いため、単価もさらに高くなる傾向があります。
法人向け案件の開拓には、管理会社・不動産会社・設計事務所・工務店などとの関係づくりが鍵になります。
最初は小規模な法人案件からでも実績を積み上げていくことで、徐々に大型案件へのアクセスが広がっていきます。
また、法人顧客はリピート率が高く、「信頼できる電気工事士」として認識されれば、継続的に仕事を発注してもらえる長期的なパートナー関係を築けることも大きな魅力です。
独立開業して利益率を高める
収入の天井を大きく引き上げるために最も効果的な手段が、独立開業です。
会社員として働いている場合、自分が生み出した売上の一部しか給与として受け取れません。
独立すれば、材料費・外注費・諸経費を差し引いた利益がそのまま自分の収入になります。
電気工事業として独立するには、一定の要件を満たしたうえで電気工事業の登録(または届出)が必要です。
また、建設業許可(電気工事業)を取得することで、500万円以上の工事も請け負えるようになり、大型案件へのアクセスが大幅に広がります。
独立初年度は売上が安定しないケースも多いですが、3〜5年で地盤を固められれば、年収700〜1,000万円超も十分に現実的な目標となります。
独立を成功させるポイントとしては、以下の点が重要です。
・ 独立前から元請け案件や顧客候補を確保しておく
・ 税務、請求書管理、労務管理などの事務スキルを身につける
・ 取引先への与信審査や代金回収の仕組みを整える
・ 外注先(職人仲間)との関係を構築しておく
・ ホームページやGoogleビジネスプロフィールで集客の仕組みを作る
独立後の収入を安定させるためには、施工技術だけでなく経営者としての視点を持つことが不可欠です。
「腕のいい職人」と「稼げる経営者」は別物であり、後者になるためには意識と行動を変えていく必要があります。
リフォーム・LAN・防犯カメラ・EV設備など周辺工事も扱う
電気工事士の収入を上げる上で、周辺工事・付帯工事への対応力を高めるという戦略も非常に効果的です。
電気工事の本体工事に加えて、以下のような周辺工事を一括して対応できる業者は、顧客から非常に重宝されます。
・ リフォーム電気工事:照明のLED化、コンセント増設、分電盤交換
・ LAN、ネットワーク配線工事:オフィス、医療施設、学校などでの需要が大きい
・ 防犯カメラ、インターホン設置工事:法人、個人ともに急速に需要が拡大している
・ EV充電設備(EVSE)の設置工事:国の補助金制度もあり今後爆発的な需要増が見込まれる
・ 太陽光発電、蓄電池システムの設置工事:ZEH、ZEBの普及で継続的な需要がある
・ 電気温水器、エコキュートの設置工事:オール電化住宅の普及で安定した需要がある
これらの周辺工事に対応できると、1件の顧客から複数の工事を受注できる確率が高まり、単価・利益率ともに向上します。
また、「電気のことなら何でも相談できる業者」として顧客から認識されることで、リピート率や紹介率が上がり、広告費をほとんどかけずに仕事が来るような状態を作れる可能性があります。
とりわけ、EV充電設備は今後10年間で急激に需要が拡大すると予測されており、早めに施工実績を積んでおくことが大きな競争優位につながります。
電気工事士が儲かる仕事である一方で大変な点
電気工事士が儲かる仕事である一方、現実的な「大変な面」についても正直にお伝えします。
収入と向き合う際には、その仕事の魅力だけでなくリスクや負荷についても理解しておくことが重要です。
長く活躍し続けるためにも、大変な点をあらかじめ把握した上でキャリアを設計することが、後悔のない判断につながります。
体力面の負担がある
電気工事士の仕事は、基本的に現場での肉体労働が中心です。
重い電線ドラムや配電盤を運ぶ・狭い天井裏や床下を這いまわる・炎天下や極寒のなかでの屋外作業・足場を使っての高所での作業など、身体への負担が非常に大きい仕事です。
20〜30代の若いうちは体力でカバーできますが、40代・50代になると体力的なきつさが増してくる職人も少なくありません。
体力的な負担を長期的にコントロールするためには、施工管理・設計・積算など技術を活かした管理業務へのキャリアシフトを早めに計画しておくことが賢明です。
「現場一筋」という働き方を長年続けてきた電気工事士のなかには、体力の衰えとともに仕事量が落ち、収入が下がってしまうケースもあります。
現場での実務経験を積みながら、マネジメントスキルや管理業務のノウハウを並行して習得しておくことが、長期的なキャリアを安定させる上で重要です。
繁忙期と閑散期で波が出ることがある
電気工事士の仕事量は、建設業全体の動向に連動するため、年間を通じて繁忙期と閑散期の差が出やすいという特徴があります。
一般的に、3月・9月・12月は工期末に向けた工事の集中が起きやすく、現場が立て込んで多忙になる傾向があります。
一方、梅雨の時期や年明けの1〜2月などは現場が動きにくく、仕事量がやや落ち着く傾向があります。
独立している場合は、閑散期に向けた資金繰り・先行した仕事の仕込みを意識的に行う必要があります。
具体的には、繁忙期に得た収入を閑散期の運転資金として計画的に積み立てておく・閑散期に営業活動を集中させて次の繁忙期の仕事を確保しておく・保守・点検などの定期収入を別途確保しておくといった対策が有効です。
会社員の場合はこうした波の影響が給与に直結しにくいですが、独立後は売上が月によって大きくばらつくリスクを念頭に置いておく必要があります。
事故防止や安全管理の責任が重い
電気工事は、感電・漏電・火災・墜落など、重大事故に直結するリスクと常に隣り合わせの仕事です。
作業前の停電確認・検電・絶縁保護具の着用・安全帯の使用など、安全に関する手順を一つひとつ確実に守ることが求められます。
また、施工管理の立場になると、作業者全員の安全管理に対する責任も生まれます。
自分自身だけでなく、現場全体の安全を守る義務と責任の重さは、他の職種と比べてもかなり高い水準にあります。
この責任の重さが、電気工事士という仕事の単価と社会的な信頼を支えているともいえますが、常に精神的な緊張感がつきまとうという側面も忘れてはなりません。
長年現場に携わってきた経験豊富な電気工事士でも、「慣れからくる油断」が最も危険だと口をそろえるほど、安全意識の維持は非常に重要です。
独立後は施工以外の業務も増える
独立開業すると、収入が上がる可能性がある一方で、施工作業以外のさまざまな業務が一気に増えます。
具体的には以下のような業務を自分でこなさなければなりません。
・ 見積もり作成、資材発注、工程管理
・ 請求書の発行、入金確認、経費管理
・ 確定申告、消費税申告などの税務対応
・ 社会保険、労働保険の手続き(従業員を雇う場合)
・ 集客、営業、顧客対応、クレーム処理
・ 協力業者、外注先との関係管理
これらの事務・経営業務をこなしながら現場に出続けるのは、体力的・時間的にかなりの負担です。
独立後に経営が軌道に乗るまでの3〜5年間は、特に業務量が集中しやすいという現実を事前に理解しておくことが大切です。
税理士・社会保険労務士などの専門家を早い段階から活用し、自分が集中すべき業務と外部に任せる業務を明確に分けることが、独立後の経営を安定させる重要なポイントになります。
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FAQ|電気工事士は儲かるのか気になる人がよく抱く疑問
電気工事士の収入に関して、読者の方からよく寄せられる疑問をまとめてお答えします。
電気工事士は未経験からでも稼げますか?
未経験からでも十分に稼げます。
ただし、最初は見習い・アシスタントの立場からスタートするため、入職当初の年収は250〜320万円程度になるケースがほとんどです。
しかし、第二種電気工事士の資格を取得し(目安1〜2年)、実務経験を積み重ねることで、収入は着実に上がっていきます。
多くの電気工事会社では、資格取得のための費用補助・受験休暇・技術研修などを設けているため、未経験入職であっても資格取得のサポートを受けながらキャリアを積める環境が整っています。
また、第二種電気工事士の試験は毎年上期・下期の2回実施されており、計画的に準備すれば1〜2年で取得できる現実的な難易度です。
焦らず3〜5年を見通してキャリアを設計することが、未経験からの成功への近道です。
第二種電気工事士だけでも儲かりますか?
第二種電気工事士だけでも、住宅・マンション・小規模店舗の電気工事を手がけることができるため、安定した収入を得ることは十分に可能です。
ただし、第二種のみでは対応できない工事(自家用電気工作物)が多く、収入の上限が第一種取得者と比べて低くなりやすいという現実があります。
第二種電気工事士を持ちながら、周辺工事(防犯カメラ・LAN・EV充電設備など)への対応力を高めることで、単価アップや差別化を図ることは十分に可能です。
しかし、将来的に本格的に収入を伸ばしたいのであれば、第一種電気工事士の取得を中長期の目標として設定することを強くおすすめします。
独立しないと高収入は難しいですか?
必ずしも独立しなければ高収入が難しいわけではありません。
大手設備会社や総合建設会社(ゼネコン)で施工管理職・技術管理職として勤務している場合、年収600〜800万円以上を会社員として得ているケースも実際に存在します。
電気施工管理技士(1級)の資格を持ち、大型プロジェクトの管理経験を積んだ人材は、業界内での希少性が高く、転職市場でも高値がつきやすい傾向があります。
とはいえ、年収1,000万円超を目指すには、独立・開業という選択肢が最も現実的なルートであることも事実です。
自分の収入目標・ライフスタイル・リスク許容度に合わせて、会社員継続か独立かを判断することが大切です。
将来的にも電気工事士の需要はありますか?
将来的な需要については、非常に明るい見通しが持てます。
理由として、以下の複数の社会的トレンドが電気工事士の需要を長期的に押し上げることが予想されます。
・ 脱炭素、カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー設備の普及
・ EV(電気自動車)の急速な普及に伴う充電インフラ整備
・ ZEH、ZEBの義務化、普及促進による電気設備工事の高度化
・ 5G、IoT、スマートシティ化による電気設備の複雑化と更新需要
・ 老朽化した電気設備の改修、更新需要の継続的な拡大
・ 電気工事士の高齢化による人手不足と若手、中堅の市場価値向上
特に、電気工事士の高齢化と後継者不足は業界全体の深刻な問題となっており、若手・中堅の電気工事士の市場価値は今後さらに上がっていくことが見込まれます。
「AIに仕事を奪われる」という懸念もある時代ですが、電気工事は現場での物理的な作業が不可欠であり、AI・ロボットによる完全代替が極めて難しい職種のひとつでもあります。
長期的なキャリアを見据えたとき、電気工事士という職種は「安定性・将来性・収入の伸びしろ」という三拍子が揃った選択肢といえます。

まとめ|電気工事士は儲かる可能性が高いが、稼ぎ方次第で差が出る
ここまで、電気工事士が儲かるといわれる理由・年収の実態・儲かる人と儲からない人の違い・具体的に収入を上げる方法・大変な点・よくある疑問まで、幅広くかつ詳しく解説してきました。
本記事のポイントを整理すると、以下のとおりです。
・ 電気工事士は生活インフラを支える資格職であり、景気変動に左右されにくく安定した需要がある
・ 会社員の平均年収は400〜500万円台が中心であり、経験、資格、勤務先によって大きな差が生まれる
・ 儲かる電気工事士は、資格取得、技術研鑽、営業力、元請け化という4点を継続的に意識している
・ 収入を大きく伸ばすには、第一種取得、関連資格の積み上げ、法人案件対応、独立、周辺工事対応が有効
・ 体力負担、繁忙閑散の波、安全管理責任、独立後の事務業務増加という現実的なリスクも理解しておく必要がある
・ 将来的な需要は脱炭素、EV、DX推進などの社会的トレンドを背景に非常に旺盛であり続ける見通し
電気工事士は、努力と戦略次第で確実に収入を伸ばせる、将来性の高い職種です。
資格を取って満足するのではなく、技術・資格・営業力・経営力を継続的に積み上げていくことで、年収1,000万円超も決して夢ではありません。
「電気工事士として本気で稼ぎたい」と思っているなら、今日からでも行動を始めることが大切です。
まずは直近の目標として、取得すべき資格・広げるべき対応工事・接触すべき人脈を紙に書き出すことから始めてみてください。
本記事が、電気工事士としてのキャリアを本気で考えている方・収入アップを目指している方にとって、少しでも具体的な道しるべになれば幸いです。








