
LANケーブルを空配管に通す前に知っておきたい基本
そもそも空配管とは何か
住宅の壁の中や床下、天井裏には、電気配線や通信ケーブルを安全に通すための「配管」が張り巡らされています。
その配管のうち、現時点でケーブルが何も入っていない状態のものを「空配管(からはいかん)」と呼びます。
空配管は、建築時やリフォーム工事の際に、将来的な配線の追加や変更を見越してあらかじめ設置される「配線の通り道の予備」です。
住宅内で使われる配管の素材としては、合成樹脂製が主流であり、「CD管(コンクリート埋設用)」と「PF管(耐候性・自己消火性)」の2種類が広く普及しています。
CD管はオレンジ色、PF管はグレーまたは黒色をしており、色で見分けることができます。
内径の規格は14mm・16mm・22mm・28mmなどが一般的で、通すケーブルの太さや本数に応じて使い分けられています。
壁の内部に完全に隠れているため、普段の生活では存在を意識することはほとんどありませんが、LANケーブルの引き込みや配線の変更を検討したときに、この空配管の有無が作業の難易度を決定的に左右します。
LANケーブル配線で空配管が重要になる理由
インターネット環境を有線LANで整備しようとする場合、最初にぶつかる壁が「壁の中にどうやってケーブルを通すか」という問題です。
壁に直接穴を開けてケーブルを通す方法も存在しますが、壁の内部には断熱材・構造材・防湿シートといったさまざまな材料が詰め込まれており、素人が工具を使って安全に通線するのは非常に困難です。
また、壁に不用意な穴を開けることで、気密性や断熱性が損なわれるリスクもあります。
その点、空配管がすでに設置されている場合は、その管の中にケーブルを通すだけなので、壁を傷めることなく、安全かつ迅速に配線できるのが最大のメリットです。
近年は、テレワークの普及・オンラインゲームの高精細化・動画配信サービスの大容量化などにより、家庭内における有線LANの重要性が急速に高まっています。
無線LAN(Wi-Fi)では電波干渉や距離による速度低下が避けられませんが、有線LANは物理的な接続による安定した通信速度が確保できるため、快適なネット環境を求める方にとって空配管の活用は非常に有効な手段となっています。
空配管がある住宅・ない住宅の違い
空配管が設置されているかどうかは、住宅の建築時期・施工会社の方針・グレードによって大きく異なります。
2010年代以降に建てられた新築一戸建て住宅では、情報化住宅への対応として、光回線の終端装置を収める情報分電盤と各部屋をつなぐ空配管があらかじめ設置されているケースが増えています。
一方、築20年以上の住宅や、コスト優先で建てられた建物では、空配管が設置されていないことが珍しくありません。
また、マンションの場合は、専有部分(居室内)には空配管がある場合もありますが、共用スペースの配管に手を加えることは原則として認められていないため、配線の自由度は一戸建てよりも制限されることが多いです。
| 住宅の種類 | 空配管の設置状況の目安 |
|---|---|
| 2010年代以降の新築一戸建て | 設置済みのケースが多い |
| 築20年以上の一戸建て | 設置されていないことが多い |
| 新築マンション(高グレード) | 専有部分に設置されている場合がある |
| 旧型マンション・公団住宅 | 設置されていないケースが大半 |
| リフォーム済み住宅 | リフォーム内容により異なる |
自宅に空配管があるかどうか確認するには、まず壁に設置されている情報コンセント(LANコンセント)のプレートを外してみることが有効です。
プレート裏に配管の開口部が確認できれば、空配管が存在している可能性が高いといえます。
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なぜLAN配線が重要なのか?通信トラブルの多くは“配線”が原因
多くのご家庭やオフィスでは、Wi-Fiルーターのスペックや通信プランばかりに注目しがちですが、「LAN配線の劣化」や「不適切な配線方法」が原因で通信速度が落ちているケースも少なくありません。
よくあるLAN配線のトラブル事例
・ 築年数の経った住宅で使用されている古いLANケーブル
・ 天井裏や床下での断線・接触不良
・ 無理な分岐や延長による信号劣化
・ 外部ノイズによる通信エラー(特に電源ケーブルと並行に配線されている場合)
こういった問題は、通信機器をいくら高性能にしても解決できません。根本から快適な通信環境を整えるには、適切なLAN配線工事が必要不可欠です。
LAN配線を見直すメリットとは?
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✅ 将来の回線増設やリフォーム時の拡張性も確保
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LANケーブルを空配管に通すメリットとは?
見た目がすっきりして室内が整う
LANケーブルを壁の外側に這わせると、床や壁際にケーブルが露出してしまい、どうしても室内が乱雑な印象になります。
市販の配線モール(ケーブルカバー)を使って隠す方法もありますが、モールを貼り付ける手間がかかるうえ、壁面や床面に「後付け感」が出てしまい、インテリアを損なうことがあります。
空配管を活用してLANケーブルを壁の内部に通せば、室内にはコンセントプレートのみが見える状態になり、まるで最初からそのように設計されていたかのような、すっきりとした仕上がりになります。
特に、リビングや寝室など、インテリアや生活感を大切にしたい空間ではこの差が際立ちます。
ケーブルが床に這っていないことで、掃除機をかける際に引っかかる煩わしさや、つまずきによる転倒リスクも解消されるため、小さなお子様がいるご家庭でも安心して生活できる環境が整います。
ケーブルの保護につながる
壁の外側に露出したLANケーブルは、日常生活の中でさまざまなダメージを受けます。
椅子の脚や家具の重みで圧迫されたり、ドアに挟まれたり、人に踏まれたりすることで、外被(シース)が傷ついたり内部の導体が断線したりするリスクが高まります。
また、窓際や外気に近い場所では、紫外線・湿気・温度変化による経年劣化も避けられません。
空配管の内部を通すことで、ケーブルはこれらの物理的・環境的なストレスから確実に守られます。
配管に格納されたケーブルは外部からの衝撃を受けにくく、温度・湿度の変化にも直接さらされないため、長期にわたって安定した通信品質を維持しやすくなります。
LANケーブル自体は消耗品ですが、配管による保護でその寿命を大幅に延ばすことができる点は、長期的なコスト管理においても重要な視点です。
将来の配線交換や増設がしやすい
空配管の最も本質的なメリットは、一度設置してしまえば将来何度でも配線を入れ替えられるという拡張性の高さにあります。
LANケーブルの規格は、Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat8と技術の進歩とともに進化を続けており、数年後には現在使用しているケーブルでは対応できない通信速度が必要になることも十分に考えられます。
空配管があれば、古いケーブルを引き抜いて新しいケーブルを引き直すだけで済むため、壁を壊したり大がかりな内装工事を行ったりする必要がありません。
リフォームや機器変更時に役立つ場面
住宅のリフォームに合わせて間取りを変更したり、テレビや録画機・ゲーム機の設置場所を移動させたりする際には、既存のLAN配線の引き直しが必要になることがあります。
この時、すでに空配管が設置されていれば、新たに壁を開口する工事を省略できるため、工期の短縮と費用の削減が同時に実現します。
NASサーバー・IPカメラ・スマートホーム機器など、後から有線LAN接続が必要になる機器を追加する場面でも、空配管があれば柔軟に対応できます。
子供が成長してオンライン学習やゲームを始めるタイミングで子供部屋のネット環境を強化したいときにも、空配管があれば工事費を最小限に抑えながら迅速に対応できます。
通信環境の見直しに強い理由
現時点では無線LAN(Wi-Fi)で満足しているとしても、居住人数の増加・スマートホーム機器の導入・4K・8K映像の視聴環境構築などをきっかけに、将来的に有線化を検討するご家庭は少なくありません。
そのような場合でも、空配管が設置済みであれば大規模な内装工事なしに有線LAN環境を構築できるため、初期段階での設置投資の価値が長期にわたって発揮されます。
光回線の乗り換えやWi-Fi 6E・Wi-Fi 7対応ルーターへの切り替えに伴う配線の一新といったニーズにも、空配管があれば迅速かつ低コストで対応できるのは大きな強みです。
LANケーブルを空配管に通すために必要なもの
LANケーブルの種類の選び方
空配管への通線を検討する際、まず決めなければならないのがどの規格のLANケーブルを使用するかという点です。
現在の一般家庭向けの主流規格はCat6またはCat6Aであり、それぞれ最大1Gbps〜10Gbpsの通信速度に対応しています。
| ケーブル規格 | 最大通信速度 | 最大帯域幅 | 想定される主な用途 |
|---|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 100MHz | 一般家庭の基本的なインターネット用途 |
| Cat6 | 1Gbps(条件付きで10Gbps) | 250MHz | 家庭・小規模オフィスの標準 |
| Cat6A | 10Gbps | 500MHz | 高速通信・将来の規格対応 |
| Cat7 | 10Gbps | 600MHz | 業務用・高シールド環境向け |
| Cat8 | 40Gbps | 2,000MHz | データセンター・超高速用途 |
家庭内での利用を前提とするなら、Cat6Aを選んでおくことが最もコストパフォーマンスに優れた選択です。
将来的に10Gbps対応の光回線や対応ルーターに切り替えても、ケーブルの引き直しが不要になるため、長期的な視点で見るとCat6Aへの投資は非常に合理的です。
空配管に通す場合は、ケーブルの外径が配管の内径に対して適切かどうかを必ず確認してください。
Cat6Aはシールド付きのものだと外径が約8mmに達するケースもあり、内径16mmの配管には通しにくいことがあります。
「スリムタイプ」や「細径タイプ」と表記された製品は外径が3~4mm程度のものもあり、既存の細い配管でも通線しやすくなっています。
また、ケーブルには「単線(ソリッド)」と「より線(ストランデッド)」の2種類があります。
固定配線(壁内通線)には単線タイプが適しており、硬さがあることで配管内での滑りがよく、引き込み作業がしやすいという特性があります。
通線ワイヤーや呼び線などの準備品
LANケーブルを配管に通す際、ケーブル単体を直接押し込もうとすると、摩擦や配管の曲がりに阻まれてまったく進まないことがほとんどです。
通線作業を成功させる鍵は、適切な補助工具を事前にそろえておくことにあります。
必要な道具を以下にまとめます。
通線ワイヤー(スチール製またはグラスファイバー製)
配管の入口から挿入し、出口まで到達させてからケーブルを引き込む先導役です。長さは配管の長さに応じて10〜30m程度を選びます。曲がりの多い配管にはグラスファイバー製の柔軟なタイプが適しています。
呼び線(ナイロン製・ポリプロピレン製)
あらかじめ配管内に入れられている細い紐状のもので、これにケーブルを結びつけて引き込む方法が基本です。新築住宅には最初から入っていることがあります。
引き込みグリップ(ケーブルグリップ)
ケーブルの先端を保護しながら引き込むための専用工具で、コネクタを傷めずに通線できます。
ケーブル潤滑スプレー(プルボックス用)
配管内の摩擦を大幅に軽減し、通線をスムーズにします。特に長距離配管や曲がりの多い配管では必需品といえます。
養生テープ・ビニールテープ
呼び線とLANケーブルの接続部をなめらかに固定するために使います。段差ができると配管の曲がり部で引っかかる原因になるため、しっかりと巻き付けてください。
懐中電灯または作業用ペンライト
配管の入口・出口の状態を確認する際に役立ちます。
これらの道具はホームセンターや電気部材の専門店、またはネット通販で比較的安価に入手できます。
配管の太さや長さの確認ポイント
通線作業を始める前に必ず確認しておきたいのが、配管の内径(呼び径)と配管の実際の全長です。
一般的に、通すケーブルの外径に対して配管の内径が1.5〜2倍以上の余裕があることが理想とされています。
例えば、外径約7mmのCat6ケーブルを通す場合は、内径16mm以上の配管が必要です。
複数本のケーブルを同時に通したい場合は、それぞれのケーブルの断面積の合計が配管の断面積の40%以内に収まるように計算することが推奨されています。
配管の全長については、入口と出口の直線距離だけでなく、壁や床の内部でのルートによって実際の通線距離が変わることを念頭に置いてください。
配管の曲がりが多いほど摩擦抵抗が大きくなるため、同じ長さでも直線配管に比べて格段に難易度が高くなります。
配管の種類を確認する際は、入口付近に刻印されているメーカー型番や管の色を参考にしてください。
CD管はオレンジ色、PF管はグレーまたは黒色が基本であり、この色によって素材の違いを把握することができます。
LANケーブルを空配管に通す手順をわかりやすく解説
配管の入口と出口を確認する
通線作業の第一歩は、配管の入口と出口の場所を正確に特定することです。
多くの住宅では、配管の入口は光回線の終端装置やルーターを収める「情報分電盤」の付近にあり、出口は各部屋に設置された「情報コンセント(LANコンセント)」のプレート裏に開口部があります。
入口と出口の場所が特定できたら、それぞれのプレートや蓋を外して配管の開口部を露出させます。
このとき、配管の中に既存の呼び線が残っていないかを真っ先に確認してください。
呼び線がある場合は、それをそのまま活用することで、通線ワイヤーを挿入する手間を省けます。
呼び線がない場合は、懐中電灯で配管内を照らしながら入口の状態を確認し、詰まりや異物がないかをチェックしてから作業に入ります。
通線ワイヤーを少しだけ挿入してみて、すんなり進むかどうかを事前に確認しておくことで、後の作業でのトラブルを予防できます。
呼び線を使って通線する
配管内に呼び線がない場合は、通線ワイヤーを使って自分で通線ルートを作ることから始めます。
通線ワイヤーを配管の入口からゆっくりと押し込み、出口まで到達させることが目標です。
ワイヤーを押し込む際は、焦らず一定のペースでゆっくり前進させることが基本中の基本です。
途中でワイヤーが止まってしまった場合は、曲がり部でワイヤーの先端が引っかかっていることがほとんどです。
そのような場合は、ワイヤーを少し手前に引き戻してから、ゆっくり回転させながら再度押し込むと、引っかかりが解消されやすくなります。
ワイヤーの先端が出口から出てきたら、その先端に引き込み用のナイロン紐を結び付けます。
ワイヤーを入口側から引き抜くことで、紐が配管内を通り、これが新しい「呼び線」として機能します。
この呼び線に次の工程でLANケーブルを取り付けて引き込みます。
LANケーブルを傷めないように引き込む
呼び線の先端にLANケーブルをしっかりと取り付けたら、いよいよケーブルの引き込み作業です。
ケーブルと呼び線の接続部分は、ビニールテープを巻いて段差ができないようになめらかに仕上げることが非常に重要です。
接続部分に段差や突起があると、配管の曲がり部で確実に引っかかり、それ以上進まなくなります。
引き込み作業は、一人が呼び線を引く側・もう一人がケーブルを送り出す側に分かれて行うのが最も効率的です。
二人で作業することで、ケーブルに無駄なテンションがかかりにくくなり、引き込みがスムーズに進みます。
一人で作業する場合は、ケーブルをゆっくりと送り出しながら少しずつ引き込んでいくことになります。
無理に引っ張らない
ケーブルを引き込む際に絶対に守らなければならないルールが、引っかかりを感じたときに絶対に無理に引っ張らないという点です。
強引に引っ張ると、ケーブル内部の導体が断線したり、外被(シース)が破れたりするリスクがあります。
また、配管のジョイント部や固定部にも過剰な力がかかり、配管そのものが損傷するケースもあります。
引っかかりを感じたら、一度ケーブルを手前に戻し、配管内にケーブル潤滑スプレーを吹き込んでから再度引き込みを試みてください。
それでも進まない場合は、呼び線とケーブルの接続部を再確認し、段差がないかを確かめることが先決です。
コネクタの扱いに注意する
あらかじめRJ-45コネクタが取り付けられたLANケーブルをそのまま配管に通そうとすると、コネクタの角ばった形状が配管の曲がり部で引っかかることがよくあります。
コネクタの外径はケーブル本体より太くなるため、内径の小さな配管ではほぼ確実に通過できません。
このような場合は、コネクタなしの「生ケーブル(切り売りタイプ)」を通線してから、両端に現地でコネクタを圧着する「後付け加工」を行うことを強くおすすめします。
コネクタの圧着にはLANケーブルクリンパー(かしめ工具)と対応コネクタが必要ですが、難易度はそれほど高くなく、道具をそろえれば初心者でも対応可能です。
LANケーブルを空配管に通すときの注意点
途中で詰まる・曲がりがきついケース
空配管には、壁の角や床との接続部などに曲率半径が小さいベンド(曲がり継ぎ手)が存在することがあります。
特に90度のエルボ(直角継ぎ手)が連続して設置されている箇所では、ケーブルや通線ワイヤーが曲がりに沿って進めなくなることがよくあります。
このような場合は、ケーブルを無理に押し込まず、潤滑剤を使いながらゆっくりと少しずつ前進させることが基本的な対処法です。
配管の途中に「プルボックス」と呼ばれる中間点検口が設置されている場合は、その箇所を起点に作業を2区間に分割することで、困難な通線も対応しやすくなります。
電源線との距離に気をつける理由
LAN配線を行う際に見落としがちな重要ポイントが、電源線(AC100V配線)との距離の確保です。
電源線の周囲には常に電磁場が発生しており、この電磁場がLANケーブルに干渉すると「電磁ノイズ(EMI)」が発生します。
電磁ノイズの影響を受けると、通信速度の低下・パケットロスの増加・接続の不安定化といったトラブルが起きやすくなります。
一般的には、電源線とLANケーブルの距離は最低でも15〜30cm以上離すことが推奨されています。
空配管の位置が電源配管と隣接・並行している場合は、シールドタイプのLANケーブル(STPケーブル)を選択することで、電磁干渉の影響を大幅に軽減できます。
非シールドタイプ(UTPケーブル)しか選択肢がない場合は、交差する箇所では直角に交差させ、平行区間を最小限にすることで干渉リスクを下げることができます。
ケーブル規格と配管サイズの相性
LANケーブルの規格が高くなるほど外径が大きくなる傾向があり、配管の内径との相性が悪いと物理的に通線できないというケースが発生します。
以下の表を参考に、ケーブル外径と配管内径の組み合わせを事前に確認してください。
| 配管の内径(呼び径) | 通線できるケーブルの目安 |
|---|---|
| 14mm | Cat5e(細径・外径5mm程度)1本 |
| 16mm | Cat5e・Cat6(スリムタイプ)1〜2本 |
| 22mm | Cat6・Cat6A(標準タイプ)1〜2本 |
| 28mm | Cat6A・Cat7(標準タイプ)複数本 |
同じ規格のケーブルでもメーカーによって外径が異なる場合があるため、購入前にカタログや製品仕様書でケーブルの外径寸法を必ず確認することを習慣にしてください。
空配管にLANケーブルが通らない原因と対処法
既存配線や異物が詰まっている
築年数の古い住宅では、かつて使われていた電話線・アンテナ線・旧型LANケーブルなどがそのまま配管内に残っているケースがあります。
こうした既存のケーブルが配管内に残留している場合、新しいLANケーブルが入る物理的な余地がなくなります。
また、断熱材が配管の開口部から入り込んでいたり、ネズミなどの害獣が配管内に営巣したりしているケースも報告されており、これらが詰まりの原因となることがあります。
既存配線が原因の場合は、まず古いケーブルを慎重に引き抜いてから通線を試みるか、古いケーブルをそのまま引き込み用の呼び線として活用しながらLANケーブルと入れ替える方法が有効です。
配管の曲がりが多すぎる
配管の曲がり箇所が多く、さらに曲率が小さいほど通線の難易度は急激に上がります。
目安として、90度の曲がりが4か所以上連続している場合は、経験豊富な電気工事士でも通線に相当な時間と技術を要するレベルです。
このような配管では、金属製の通線ワイヤーが曲がり部で折れ曲がってしまい、それ以上前進できなくなることがあります。
対処法としては、金属製ではなくグラスファイバー製の通線ワイヤーへの切り替えが有効です。
グラスファイバー製は柔軟性が高く、曲がりへの追従性に優れているため、困難な配管ルートでも比較的通線しやすい特性があります。
それでも通線できない場合は、配管ルートの見直しや新設を含めた専門業者への相談を検討することが現実的な選択肢です。
配管径に対してケーブルが太すぎる
配管の内径に対してケーブルが太い場合、物理的に挿入できないばかりか、強引に押し込もうとすることでケーブルの外被が傷ついたり、内部の通信線対(ツイストペア線)が押しつぶされたりします。
このような状態になったケーブルは通信性能が著しく低下するため、最終的には引き直しが必要になります。
自力対応できるケース
以下の条件が揃っている場合は、DIYでの対応が十分現実的です。
・ 配管がほぼ直線的で、曲がりが2か所以内に収まっている
・ 配管内に既存の呼び線が残っており、引き込みの準備が整っている
・ 配管の入口と出口の場所が明確に把握できている
・ ケーブルの外径と配管の内径の相性に十分な余裕がある
・ 通線に必要な道具がそろっており、作業環境が安全に確保できている
これらの条件が揃っていれば、手順に沿って慎重に作業を進めることでDIYでの通線は十分に達成できます。
業者依頼が必要なケース
以下に当てはまる場合は、無理に自力で対応しようとせず、専門の電気工事会社への依頼を早めに検討することが最善です。
・ 通線ワイヤーを挿入しても途中で止まってしまい、原因が特定できない
・ 配管内に既存配線や異物が詰まっており、取り除きが困難
・ 配管の入口や出口の場所が不明で、壁内の探索から始める必要がある
・ コンセントの増設や移設など、電気工事士免許が必要な作業が発生する
・ マンションの管理規約で工事の制限がある
無理な自力作業は、ケーブルや配管の損傷にとどまらず、壁の内装を傷めるリスクもあります。
LANケーブルの空配管工事は業者に依頼したほうがいい?
DIYが向いているケース
空配管を使ったLANケーブルの通線は、条件が整っていればDIYに比較的向いた作業のひとつです。
特に、配管内に呼び線が残っており、入口と出口が明確に特定できており、配管のルートがシンプルな場合は、電気工事の専門知識がなくても十分に作業を完結させることができます。
必要な道具をそろえるコストは、ホームセンターや通販を活用すれば5,000〜15,000円程度に収まるケースが多く、業者に依頼する費用(20,000〜50,000円程度)と比較すると大幅な節約になります。
ただし、「作業ができる」ことと「安全かつ確実にできる」ことは別問題であることを常に念頭に置いておく必要があります。
業者依頼が安心なケース
以下のような状況では、電気工事士や情報配線の専門業者への依頼を強くおすすめします。
・ 配管の場所が不明で、壁内の探索から始める必要がある場合
・ 情報コンセントや情報分電盤の増設や移設が必要な場合
・ 光回線の終端装置から複数の部屋への配線を一括で整備したい場合
・ マンションで管理組合の許可申請や施工業者の指定がある場合
・ 電磁ノイズ対策やアース工事など高度な施工が求められる場合
専門業者に依頼することで、配管の状態診断から通線作業・コンセントの仕上げ・通信テストまでを一括で対応してもらえるため、品質と安全性が確実に保証されます。
また、施工後に問題が発生した場合の保証・アフターサポートが受けられる点も、業者依頼の大きなメリットです。
業者選びで確認したいポイント
業者に依頼する際は、以下のポイントを比較・確認してから依頼先を絞り込むことで、失敗のない業者選びができます。
電気工事士免許の保有確認
内装に関わる配線工事は電気工事士免許保有者が行うことが法律で定められています。施工前に資格の確認を必ず行いましょう。
見積もりの透明性と詳細度
作業内容・使用材料・工賃が項目ごとに明示された詳細な見積書を提出してもらいましょう。「一式」のみの見積もりは内訳が不明瞭で後からトラブルになりやすいです。
施工実績と口コミ評価
GoogleマップやSNSのレビュー、地域の口コミサイトなどで過去の施工品質・対応の丁寧さを事前に確認します。
アフターサポートの有無と期間
通線後に接続不良や断線が起きた場合の対応方針を事前に確認しておくことで、万一のトラブルにも安心して対応できます。
複数社からの相見積もり
1社だけでなく、最低でも2〜3社から見積もりを取ることで相場を把握し、適正価格かどうかを判断する材料が得られます。

FAQ|LANケーブルと空配管に関するよくある質問
空配管があれば必ずLANケーブルは通せますか?
空配管が存在することは通線の前提条件ではありますが、必ずしも通線できるとは限りません。
配管の途中に既存配線が残っていたり、異物や害獣の巣が詰まっていたり、曲がりが多すぎてワイヤーが前進できなかったりするケースがあります。
また、配管の内径に対してケーブルが太すぎる場合も通線は困難になります。
作業を始める前に配管の状態を入念に確認し、必要であれば専門業者による事前診断を受けることを強くおすすめします。
電話線用の配管を流用できますか?
電話線用の配管をLAN配線に流用することは、条件が合えば可能ですが、いくつかの注意点があります。
電話線用の配管は内径が比較的小さいものが多く(14〜16mm程度)、Cat6やCat6Aの標準サイズケーブルを通すには窮屈になる場合があります。
スリムタイプ(細径)のLANケーブルを選ぶことで対応できるケースもありますが、まずケーブルの外径と配管の内径の相性を確認することが先決です。
また、既存の電話線が配管内に残っている場合は、撤去してからLANケーブルを通すか、既存線を呼び線として活用する方法を検討してください。
Cat6やCat6Aでも通線できますか?
Cat6・Cat6Aは現在の家庭用LANケーブルとして最も普及している規格であり、適切な配管サイズ(内径22mm以上)が確保されていれば問題なく通線できます。
ただし、Cat6Aはシールド付き(STPタイプ)のものだと外径が約8mmに達する製品もあり、内径16mmの配管では通過が困難なケースがあります。
この場合は、外径3~4mm程度のスリムCat6やスリムCat6Aを選ぶことで、細い配管でも通線しやすくなります。
購入前に製品仕様書でケーブル外径を必ず確認し、配管の内径と照らし合わせてから選ぶようにしてください。
マンションや戸建てでもやり方は同じですか?
基本的な通線の手順は共通していますが、マンションと戸建てでは制約条件が大きく異なります。
戸建ての場合は、光回線の引き込みから各部屋への配管が自宅内で完結しているため、作業の自由度が比較的高いです。
一方、マンションの場合は、共用スペース(パイプスペース・共用廊下の配管)には原則として手を加えることができず、専有部分(居室内)の範囲内での作業に限られます。
また、マンションによっては管理規約で内装工事や電気工事に関する制限が設けられていることがあり、作業前に必ず管理組合または管理会社へ確認・申請を行ってください。
集合住宅での工事では、特に管理規約の確認・施工業者の指定の有無・工事時間帯の制限などを事前に把握しておくことが、後からのトラブルを防ぐ最も重要なステップです。
まとめ|LANケーブルを空配管に通すなら事前確認が成功のカギ
LANケーブルを空配管に通す作業において、最も重要なのは「準備」と「事前確認」の徹底です。
配管の有無・入口と出口の場所・内径のサイズ・曲がりの数と角度・既存配線の有無・ケーブル規格との相性。
これらのポイントをひとつひとつ丁寧に確認してから作業に臨むことが、スムーズな通線への確実な近道となります。
適切な道具をそろえ、正しいケーブル規格を選び、手順に従って慎重に作業を進めれば、DIYでも十分に対応できる可能性は十分にあります。
しかし、配管の状態が悪かったり、曲がりが多かったり、コンセント工事が必要になったりする場合は、無理に自力で対応しようとするよりも、専門の電気工事業者に依頼することが結果的にコストと時間の節約につながります。
有線LAN環境の整備は、テレワーク・オンライン学習・オンラインゲーム・大容量データの共有など、現代の生活に直結するさまざまな課題への根本的な解決策です。
この記事でご紹介した知識と手順を参考に、ご自宅の通信環境をより快適で安定したものへと一歩ずつ整えていただければ幸いです。






