
プロローグ|空配管は「将来ケーブルを通せる道」を残しておく工事
「LANケーブル用の空配管は付けておきますか?」
新築の打ち合わせでこう聞かれて、判断に迷う方は少なくありません。入居後に有線LANを増やそうとしたら、壁の中に配管はあるらしいのにケーブルが通らない、という相談もよく寄せられます。空配管の悩みは、家を建てる前と住み始めた後で形を変えて現れます。
空配管とは、将来ケーブルを追加したり交換したりするために、建物の中へあらかじめ設けておく「中身の入っていない管」のことです。ただし、図面に「空配管」と書かれているだけでは十分ではありません。使いたい場所までつながっていること、必要な太さと曲がりの余裕があること、両端に手が届くこと。 この3つがそろって、はじめて役に立つ設備になります。
入口はあるのに出口が分からない、管が細くて新しいケーブルが入らない、呼び線がなく長い経路を通せない。こうした「あるのに使えない空配管」は、計画と記録の不足から生まれます。
この記事では、LANケーブル用の空配管を新築時にどう計画するか、既存の配管へどうLANケーブルを通すかに絞って解説します。壁沿いのモール、壁の中、天井裏・床下など、配線方法そのものを比較したい方は<LANケーブルの壁配線方法>をあわせてご覧ください。
この記事でわかること
・ 空配管の基本と、「使える空配管」の条件
・ 新築でLAN用の空配管が必要な場所と優先順位
・ 工務店、施工会社へ伝えるべき6つのポイントと依頼文例
・ 既存住宅で空配管の有無と行き先を確認する方法
・ 空配管にLANケーブルを通す5つのステップ
・ 通らないときの原因別の対処法
・ 工事費用の目安と、見積もりで確認すべき項目
空配管とは?LANケーブルを後から通すための予備経路
空配管は、ケーブルを入れない状態で設置しておく予備の管です。住宅では主に、次の2つの区間で使われます。
・ 外壁の回線引込口から、ONU(光回線終端装置)やルーターを置く場所まで
・ ルーターや情報分電盤から、各部屋のLAN端子まで
新築時にLANケーブルを通して完成させる場合でも、将来の交換を考えて管の中に配線することがあります。壁の中へケーブルを直接固定するより、管に通しておくほうが後から引き替えやすいためです。
住宅でよく使われる配管の種類
LAN用の空配管には、主に合成樹脂製の可とう電線管が使われます。代表的なものを整理すると次のとおりです。
| 種 類 | 主な特徴 | LAN用空配管での使われ方 |
|---|---|---|
| PF管 | 自己消火性があり、壁内・天井裏・露出など幅広く使える | 住宅の室内LAN用空配管で最も一般的 |
| CD管 | 自己消火性がなく、コンクリート埋設が前提(オレンジ色が多い) | マンションの躯体内など、コンクリートに埋め込む部分 |
| 硬質ビニル管など | 曲がらない直管で、露出配管や屋外で使われる | 外壁や屋外設備への引き回し |
どの管を使うかは、建物の構造や施工箇所によって施工会社が判断します。施主として押さえておきたいのは、管の種類より「太さ・曲がり・行き先」が使い勝手を左右するという点です。
「空配管がある」と「空配管が使える」は違う
図面に空配管の記載があっても、実際にケーブルを通せるとは限りません。施工時に管がつぶれていたり、途中のボックスで行き先が変わっていたりすることもあります。使える空配管かどうかは、次の5つで判断します。
| 確認項目 | 使える状態 | 使いにくい状態 |
|---|---|---|
| 行き先 | 起点と終点が図面と現物で一致している | 出口が分からない、途中で分岐している |
| 太さ | 通したいケーブルの外径・本数に余裕がある | 1本入れるのがやっと |
| 曲がり | 曲がりが少なく、急な折れがない | S字の連続、つぶれた箇所がある |
| 呼び線 | 両端で確認でき、抜けない状態で残っている | 呼び線がない、途中で切れている |
| 両端の作業性 | 家具や仕上げでふさがれず、手が届く | 家具の裏、点検できない天井内に隠れている |
この表のすべてを満たす必要はありませんが、条件が欠けるほど通線の難易度は上がります。
空配管が役立つ3つの場面
1つ目は、後から別の部屋へ有線LANを増やすときです。 仕事部屋を移した、子どもがパソコンを使い始めた、といった変化があっても、通り道があれば壁を大きく開けずに配線できます。
2つ目は、古いケーブルを新しい規格へ交換するときです。 通信機器の性能や使い方は10年、20年で大きく変わります。ケーブルそのものより、「後から引き替えられる状態」が長期的な価値になります。
3つ目は、不具合の調査と復旧です。 壁内に直接固定されたケーブルが傷むと、原因箇所の特定も交換も難しくなります。経路が分かる空配管なら、問題を切り分けて再通線を検討できます。ケーブルの傷みの見分け方は<LANケーブルの断線の見分け方>で解説しています。
電源用の管と通信用の管を混同しない
分電盤やコンセントの近くで見つけた管を、LAN用と決めつけるのは危険です。電源設備と通信設備では、安全上の条件も施工方法も異なります。用途が確認できない管は、管口を開けたり中の線を動かしたりする前に、施工会社や専門業者へ確認してください。
電話線が入っている通信用の管にLANケーブルを追加できる場合もあります。ただし「電話線が通っている=空きがある」わけではありません。管内の余裕と、電話やインターホンなど既存設備の使用状況を確かめてから判断します。
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なぜLAN配線が重要なのか?通信トラブルの多くは“配線”が原因
多くのご家庭やオフィスでは、Wi-Fiルーターのスペックや通信プランばかりに注目しがちですが、「LAN配線の劣化」や「不適切な配線方法」が原因で通信速度が落ちているケースも少なくありません。
よくあるLAN配線のトラブル事例
・ 築年数の経った住宅で使用されている古いLANケーブル
・ 天井裏や床下での断線・接触不良
・ 無理な分岐や延長による信号劣化
・ 外部ノイズによる通信エラー(特に電源ケーブルと並行に配線されている場合)
こういった問題は、通信機器をいくら高性能にしても解決できません。根本から快適な通信環境を整えるには、適切なLAN配線工事が必要不可欠です。
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新築でLAN用の空配管は必要か
結論から言うと、すべての部屋に同じ本数を設ける必要はありませんが、「有線で使いたい場所」と「後から配線しにくい場所」には設けておく価値があります。 完成後に壁や天井を開けて経路を追加するより、建築中に計画するほうが、位置や通り道の選択肢はずっと多くなります。
優先順位は「有線で使う場所」と「後から追加しにくい場所」
判断の軸は、現在の機器の数だけではありません。部屋の用途が変わる可能性と、完成後の工事の難しさを合わせて考えます。たとえば1階の収納から2階の部屋へ上がる縦方向の経路は、完成後に確保するのが難しい代表例です。一方、同じ部屋の中の数メートルなら、必要になってから目立たないモールで配線できる場合もあります。
| 場 所 | 主な用途 | 優先度の目安 | 打ち合わせで決めること |
|---|---|---|---|
| 回線引込口→機器置き場 | 光回線などの引き込み | 高 | 回線事業者の条件、引込位置 |
| 書斎・仕事部屋 | パソコン、Web会議、NAS | 高 | 机の位置、LAN端子の数 |
| 各階のアクセスポイント候補 | Wi-Fiのエリア確保 | 高 | 天井か壁か、給電方法 |
| テレビ・ゲーム機の周辺 | 常設機器の有線接続 | 中〜高 | 機器数、家具と電源の位置 |
| 子ども部屋など用途が変わる部屋 | 学習、将来の在宅勤務 | 中 | 予備経路をどこまで設けるか |
| 屋外設備の予定地 | 防犯カメラ、インターホン | 中 | 防水、屋外対応、保守位置 |
表はあくまで考え方の例です。実際には間取り、Wi-Fiの届き方、機器の置き場、予算によって変わります。必要性の低い場所へ一律に増やすより、使う可能性の高い経路を確実に施工するほうが結果的に満足度は高くなります。
新築のLAN配線全体(どの部屋に何口必要か、情報分電盤を使うかなど)は、<新築時のLAN配線計画>の記事で詳しく扱っています。本記事では、そのうち「空配管」の部分を掘り下げます。
「将来のために全部Cat6A」と決める前に考えること
将来を見越すなら、最初にケーブルの規格を決めるより、配管を通線しやすく設計することが先です。細くて曲がりの多い管では、今のケーブルは入っても、将来もっと太いケーブルへ引き替えられないことがあります。
現在の用途に合ったケーブルを選びつつ、後から交換できる管の太さ・曲がり・点検位置を確保しておけば、選択肢は残ります。なお、10Gbpsの通信を目指す場合は、ケーブルだけでなくルーター、スイッチングハブ、LANジャック、接続する機器もすべて対応している必要があります。
新築時の空配管計画|工務店・施工会社へ伝える6つのこと
「LANの空配管をお願いします」とだけ伝えると、使いたい場所に届かない、太さが足りない、といった結果になりがちです。次の6つを具体的に伝え、見積書と図面に残してもらいましょう。
1. 起点となる情報機器の置き場を決める
最初に、ONU、ルーター、スイッチングハブを置く場所を決めます。各部屋からの配管が集まっても、そこに電源がない、扉を閉めると熱がこもる、ケーブルを抜き差しできない、という状態では使いにくくなります。
機器の置き場に必要なのは、コンセント、放熱できる空間、点検や作業ができる広さ、外からの回線引込経路の4つです。Wi-Fiルーターを金属製の箱や奥まった収納に閉じ込めると、電波の届き方にも影響します。有線の集約点と無線アクセスポイントの位置は、同じ場所にしなくてもかまいません。
2. 各部屋へは個別の経路で延ばす
機器の置き場から各部屋へ、それぞれ独立した経路を計画します。途中で枝分かれさせるのではなく、「どの部屋に何本つながっているか」が一目で分かる形にしておくと、後の管理が楽になります。
机を2台置く部屋や、複数の機器を常設する場所では、端子の数も先に決めておきます。1経路だけ引いて部屋側にハブを置く方法もありますが、その場合はハブ用の電源と置き場所が必要です。
3. 管の太さは「呼び径」だけで決めない
PF管などの太さは「呼び16」「呼び22」のように呼び径で表されます。呼び径はおおむね内径の目安ですが、製品によって実際の内径には差があり、継手や曲がりの部分ではさらに余裕が小さくなります。
一般的な考え方の目安を示すと、次のようになります。
| 呼び径 | 想定される使い方の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 呼び16 | 細めのLANケーブル1本、短く曲がりの少ない経路 | 引き替えや追加の余裕は小さい |
| 呼び22 | 住宅の各部屋へ1〜2本、将来の引き替えも考える場合 | 住宅用LAN空配管で検討されることが多い太さ |
| 呼び28以上 | Cat6Aの複数本、長い経路、階をまたぐ縦配管 | 壁内の納まりや下地との干渉を確認 |
これはあくまで出発点です。実際の太さは、通すケーブルの外径と本数、経路の長さ、曲がりの数を踏まえて施工会社に判断してもらいます。管の断面積に対してケーブルが占める割合が大きいほど通線は難しくなるため、「ぎりぎり入る」ではなく「余裕を持って通せる」太さを選ぶのが基本です。
設計の段階で、使う予定のケーブルの型番や外径を伝え、「この経路でこのケーブルを何本通せるか」を確認してもらいましょう。
4. 曲がりを減らし、点検できる中継点を作る
通線のしやすさは、長さよりも曲がりに左右されます。短い経路でも急な曲がりが続くと、呼び線やケーブルが途中で止まりやすくなります。S字状の連続した曲がりや、管を無理に押しつぶした納まりは避けたいところです。
曲がりが多くなる場所では、途中に中継ボックス(点検できる箱)を設けられないか相談します。ただし、完成後に家具や天井の仕上げでふさがれてしまっては意味がありません。「完成後も手が届く位置」かどうかを、図面と現場の両方で確認しましょう。
5. 呼び線・ラベル・竣工図を残してもらう
呼び線は、後からケーブルを引き込むための案内役です。両端で確認でき、途中で抜けない状態で残してもらいます。
配管の入口と出口には同じ番号のラベルを付け、どの部屋のどの位置へつながっているかを竣工図や引き渡し資料に記載してもらいましょう。壁を閉じた後は中が見えなくなるため、記録がそのまま将来の工事の手がかりになります。
6. 引き渡し前に「通ること」をどう確認するか決める
図面上では配管が連続していても、施工後に継手が外れている、途中でつぶれている、といった問題は起こりえます。引き渡し前に、呼び線の両端を確認できるか、想定するケーブルが通る見込みをどの方法で確かめるかを施工会社と決めておきます。
先にケーブルを通して完成させる場合も、将来の引き替えに使える余裕があるか、経路図が残るかを確認してください。
打ち合わせでそのまま使える依頼文例
ルーターを置く1階の収納から、2階の書斎の机の横まで、将来LANケーブルを交換できる通信線用の配管をお願いします。通す予定のケーブルの型番と本数をお伝えしますので、配管の太さと曲がり、中継点を含めて通線できる案を示してください。両端の位置、呼び線、ラベル、図面への記録もお願いします。
このくらい具体的に伝えれば、施工会社も「空配管一式」ではなく、目的に合った経路として検討できます。
新築時の空配管チェックリスト
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 間取りの打ち合わせ | 機器の置き場、有線を使う部屋、アクセスポイント候補 |
| 見積もり | 本数、起点と終点、管の種類と太さ、呼び線、端部の仕上げ |
| 施工中 | 予定どおりの経路か、曲がりが増えていないか、写真の記録 |
| 引き渡し前 | 両端のラベル、呼び線の有無、通線の確認方法 |
| 引き渡し時 | 変更後の経路を反映した図面、配管の対応表 |
新築時に起きやすい「空配管はあるのに使えない」を防ぐ
空配管の仕様は、壁を閉じる前に確かめるほど修正しやすくなります。打ち合わせで決めた内容を、施工中と引き渡し時の確認につなげることが大切です。
端子の位置は家具の配置から逆算する
部屋の中央の壁に空配管の出口を作っても、机を置いたら家具の後ろに隠れてしまうことがあります。書斎なら机と椅子の位置、テレビまわりなら壁掛けにするかどうかとテレビ台の奥行きを先に考えましょう。無線アクセスポイントなら、据え置きにするのか天井に固定するのかで、出口の位置と電源の考え方が変わります。
家具の配置を決めきれない場合は、使えそうな壁面をいくつか比較し、後で端子を仕上げやすい場所を選びます。配管の出口だけでなく、LANコンセントから機器までの短いケーブルの取り回しまで想像しておくと失敗を防げます。
工事途中の経路変更を記録してもらう
現場では、梁や給排水管と干渉して予定どおりに管を通せないことがあります。経路を変更する場合は、起点と終点が同じでも、曲がりが増えていないか、点検できる場所がなくなっていないかを確認します。狭いすき間へ無理に押し込む変更は、後から通線できない原因になります。
施工中の写真は、壁を閉じた後に管の位置を探すときの貴重な手がかりです。管だけを接写するのではなく、柱や窓との位置関係が分かる広めの写真も残しておきましょう。
既存住宅で空配管があるか確認する方法
入居後に有線LANを増やす場合は、設計より先に「既存の管がどこにつながっているか」を確かめます。「電話の差込口があるから通るはず」と推測で進めると、別の設備の管を触ったり、出口のない経路を探し続けたりすることになりかねません。
手順 1:図面と引き渡し資料から探す
電気設備図、弱電設備図、配線図、引き渡し時の説明書を確認します。「空配管」「予備配管」「情報配線」「PF」「CD」「弱電」などの表記を探し、どの部屋と情報盤がつながっているかを見ます。途中のボックスで線が分かれていないかも確認してください。
ただし、図面は出発点であり、現在の状態を保証するものではありません。リフォームや設備交換で経路が変わっている可能性もあります。施工した工務店や管理会社が分かるなら、どの管が通信用で、どこへ出るのかを問い合わせると早く進みます。
手順 2:情報盤や壁の端子を見る
情報分電盤(マルチメディアポート)、電話端子、テレビ端子の近くに、配管の入口が集まっていることがよくあります。写真を撮り、図面上の名称と現物の番号を照合しましょう。管の中へ異物を入れたり、既存の線を試しに引き抜いたりするのは避けてください。
電源コンセントと同じプレートに情報端子が付いている場合は、特に注意が必要です。100Vの設備に触れる作業を安易に行わず、用途が分からないものは専門業者へ確認します。
手順 3:両端が同じ1本の管か確かめる
部屋側と情報盤側に似た管があっても、同じ1本とは限りません。複数の予備配管が集まる場所では、表示がなければ行き先の特定が必要です。既存の呼び線に印を付けて動きを確認する方法もありますが、他の設備の線を巻き込んでいないことが前提です。
特定が難しい場合は、無理に力をかけず施工会社へ調査を依頼しましょう。確認できた配管には両端で同じラベルを付けておくと、次の工事で一から探さずに済みます。
マンションの場合の注意点
マンションでは、住戸内の配管が共用部分の設備とつながっていることがあります。専有部分と共用部分の区分や、工事の届出が必要かどうかは管理規約で決まっています。作業の前に管理会社や管理組合へ確認し、指示に従ってください。コンクリートに埋め込まれたCD管は、後から経路を変更するのが難しい点も覚えておきましょう。
LANケーブルを空配管へ通す前の準備
作業の前に、配管の行き先、管内の空き、ケーブルの外径、両端の作業スペースを確認します。通線が途中で止まる原因は、ケーブルの長さよりも、入口でプラグが引っかかる、途中に急な曲がりがある、既存の線が管を占めている、といった条件であることがほとんどです。
ケーブルのカテゴリーは配管と機器を見て決める
ケーブルの太さは規格や製品によって異なり、上位の規格ほど太く硬くなる傾向があります。
| カテゴリー | 最大通信速度の目安 | 外径の傾向 | 住宅での使いどころ |
|---|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 細め | 既存の細い配管、短い経路 |
| Cat6 | 1Gbps(条件により10Gbps) | 標準的 | 一般的な住宅配線の主な候補 |
| Cat6A | 10Gbps | 太め・硬め | 10Gbps機器を使う予定がある場合 |
外径は製品ごとに差があるため、購入前に仕様書で確認し、配管の内径と照らし合わせてください。1Gbpsで使う家庭内配線ならCat6が現実的な選択肢です。10Gbpsを見据えるならCat6Aを検討できますが、既存の細い管には入らないこともあります。
なお、「Cat7」「Cat8」と表示された製品を選ぶだけで家庭内の速度が上がるわけではありません。ルーター、ハブ、ジャック、パッチコード、接続先の機器まで含めた全体で性能が決まります。
単線ケーブルと、プラグ付きケーブルの扱い
壁の中に固定する配線には、一般に単線のケーブルを使い、両端をLANコンセント(モジュラージャック)で仕上げます。機器とLANコンセントをつなぐ短いケーブル(パッチコード)には、しなやかなより線の製品が向いています。
プラグ付きの完成品ケーブルを狭い配管へ通すと、プラグやツメが曲がり部分に引っかかりやすくなります。両端をLANジャックで仕上げる予定なら、端末処理をしていないケーブルを引き込むのが一般的です。
用意する道具
| 道 具 | 用 途 | ポイント |
|---|---|---|
| 通線ワイヤー(入線ワイヤー) | 呼び線がない管に経路を作る | 管の長さと曲がりに合う長さ・硬さを選ぶ |
| 呼び線 | ケーブルを引き込む | 将来用に新しい呼び線も同時に通すと便利 |
| ビニールテープ | ケーブルと呼び線の接続 | 段差ができないよう細く巻く |
| 通線潤滑剤 | 摩擦を減らす | ケーブルの外被に使える製品を選ぶ |
| LANジャック・専用工具 | 両端の端末処理 | ジャックの製品に合った工具を使う |
| LANテスター | 導通と結線順の確認 | 簡易テスターは性能までは測れない |
既存の線が入っている場合は、電話、LAN、テレビ用の同軸など何に使われているかを必ず確認します。用途が分からない段階で、既存の線を「呼び線代わり」に使うのはやめましょう。

空配管にLANケーブルを通す5つのステップ
ここで紹介するのは、通信用の配管と両端の行き先が確認でき、電源設備に触れずに作業できる場合の流れです。強い抵抗がある、既存の線が一緒に動くなどの異常があれば、その時点で作業を止めて専門業者に相談してください。
| ステップ | 作業内容 | 中止の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 両端の経路と空きを確認する | 行き先が特定できない |
| 2 | ケーブルの長さと送り方を決める | 必要な長さが測れない |
| 3 | 呼び線とケーブルを接続する | 接続部が太くなり管口を通らない |
| 4 | 送り側と引き側で通線する | 急に重くなる、既存の線が動く |
| 5 | 両端を仕上げて通信を確認する | 導通や結線順に異常がある |
ステップ 1:両端の経路と空きを確認する
図面と現物を照合し、入口と出口にラベルを付けます。呼び線があるか、既存のケーブルが何本入っているか、管口が変形していないかを確認します。ライトで照らしても見えるのは手前だけで、奥の曲がりまでは分かりません。管内の余裕が判断できない場合は、予定しているケーブルの外径と本数を業者に伝えて意見を聞きましょう。
部屋側の出口が家具の裏にある場合は、家具を動かして通線と端末処理の作業スペースを確保します。
ステップ 2:ケーブルの長さと送り方を決める
必要な長さは、配管の長さに、両端で端末処理をするための余裕を加えて決めます。実際の経路は図面より長かったり、途中のボックスを迂回していたりすることがあります。余ったケーブルで間に合わせようとすると、足りなくなって継ぎ足しが必要になりかねません。少し長めに用意しておくのが安心です。
ケーブルは巻きぐせやねじれが出ないよう、箱や巻き枠から素直に送り出せる状態にします。入口で床や角に擦れないよう、送り出す位置も整えておきましょう。
ステップ 3:呼び線とケーブルを接続する
呼び線とケーブルの接続部は、途中で抜けないことと、管の中で引っかからないことの両方が求められます。大きな結び目やテープの段差があると、入口は通っても曲がりで止まってしまいます。接続部は細く滑らかにまとめ、ケーブルの外被だけに力が集中しないようにします。
引っ張る力の上限は、ケーブルの製品仕様に従います。一般的な4対のUTPケーブルでは約110N(約11kgf)が目安とされることが多いものの、製品によって異なるため仕様書を確認してください。将来また通線する可能性があるなら、このタイミングで新しい呼び線も一緒に引き込んでおくと便利です。
ステップ 4:送り側と引き側に分かれてゆっくり通す
できれば2人で作業し、送り側はケーブルを管口へまっすぐ導き、引き側は一定の力でゆっくり引きます。引き側だけが強く引くと、管口でケーブルが折れたり外被が傷ついたりします。声を掛け合い、引っかかりを感じたら少し戻して状態を確かめてください。
次のような状態になったら、すぐに作業を中止します。
・ 既存の線が一緒に動いている
・ 呼び線が切れそうなほど張っている
・ 何度試しても同じ位置で止まる
「もう少し引けば通りそう」と力を加え続けると、使用中の電話線などを傷めるおそれがあります。
ステップ 5:両端を仕上げ、通信を確認する
通線後は、管口でケーブルを傷つけていないかを確認し、両端をLANジャックなどで仕上げます。壁からケーブルを長く垂らして機器へ直接差すより、LANコンセントで終端しておくほうが、点検や交換がしやすくなります。どのポートがどの部屋につながっているか、ラベルも付けておきましょう。
仕上げたら、LANテスターで導通と結線順を確認し、機器側でリンク速度(1Gbps、10Gbpsなど)が想定どおり出ているかを確かめます。インターネットの速度測定だけでは、壁内の配線品質は評価できません。性能を保証してほしい場合は、どの試験を行うかを業者と事前に決めておきましょう。
空配管にLANケーブルが通らないときの原因と対処法
通らない原因を「ケーブルが太いから」と決めつけないことが大切です。入口で止まるのか、毎回同じ位置で止まるのか、既存の線が動くのかによって、確認すべき場所が変わります。
| 症 状 | 考えられる原因 | 最初に確認すること | 中止すべき状態 |
|---|---|---|---|
| 管口ですぐ止まる | プラグや接続部が太い、入口に段差 | 先端の形状、管口の傷 | 管口やケーブルが削れる |
| 毎回同じ距離で止まる | 急な曲がり、継ぎ目、つぶれ、行き先違い | 図面と両端、途中のボックス | 両側から試しても進まない |
| 途中から急に重くなる | 摩擦、ねじれ、既存の線との絡み | 少し戻して外被を点検 | 外被が傷つく、既存の線が動く |
| 2本目だけ通らない | 管の太さに対して収容物が多い | 既存の線と新しい線の外径 | 既存の線を押しつぶしそう |
| 呼び線がない | 引き込む案内がない | 両端と経路、通線ワイヤーの適否 | 用途不明の設備へ届く |
配管が細い・曲がりが多い場合
入口に余裕があっても、曲がりの内側ではケーブルが強く管に当たります。まずはプラグ付きケーブルをやめて、端末処理前のケーブルに切り替えられないか検討します。通線潤滑剤で摩擦を減らすことで通る場合もあります。
それでも通らない場合は、本数や経路そのものを見直しましょう。より細いケーブルへ替える案もありますが、必要な通信性能や固定配線への適合を確認せずに「細ければ入る」だけで選ぶと、通った後に用途を満たせない可能性があります。壁沿いのモールなど、別の工法に切り替えるほうが確実な場合もあります。
呼び線がない・行き先が分からない場合
呼び線がなければ、通線ワイヤーで経路を確保する方法があります。ただし、細い管や曲がりの多い管、途中に別のボックスがある管では、ワイヤーも届かないことがあります。反対側の出口が特定できないまま押し続けるのは避けましょう。
行き先が分からない場合は、工務店への問い合わせや現地調査を先に行います。行き先を特定できたら、図面や写真に記録し、両端に表示を残しておけば、同じトラブルを繰り返さずに済みます。
既存の線が詰まっている・一緒に動く場合
管内に電話線などが入っていると、新しいケーブルの入る余地が足りないことがあります。引っ張ったときに既存の線まで動くなら、絡みや強い摩擦が起きています。使用中の設備が止まるおそれがあるため、その場で作業を中止してください。
使っていない線を撤去する方法もありますが、用途と両端を確認したうえで判断します。将来必要になる線を抜いたり、誤って切ったりしないよう注意が必要です。配管自体に余裕がなければ、別経路の新設やモール配線も含めて比較しましょう。
通線できたのに速度が出ない場合
通線時に強く引いてケーブルを傷めた、端子の結線を誤った、接続部品が想定の性能に対応していない、といった原因が考えられます。まずはリンク速度、両端の結線、使用した部材を確認し、インターネット回線側の問題と切り分けます。
導通が確認できても、必要な伝送性能を満たしているとは限りません。性能の保証が必要な場合は、見積もりの段階でどの試験を行い、結果をどの形で受け取るかを決めておきましょう。

空配管へのLAN通線はDIYでできる?業者に頼むべきケース
既存の空配管にLANケーブルを通す作業そのものは、条件がそろえばDIYで検討できます。判断の目安は次のとおりです。
| 状 況 | DIYの可否の目安 |
|---|---|
| 通信用の管と両端が分かり、呼び線と十分な空きがある | DIYで検討できる |
| 呼び線はないが、管が短く曲がりが少ない | 通線ワイヤーで試せる場合がある |
| 行き先が不明、既存の線が多い、途中で止まる | 業者へ相談 |
| 端子が電源コンセントと一体になっている | 業者へ相談 |
| 壁や天井の開口、配管の新設が必要 | 業者へ依頼 |
| 通信性能の保証が必要 | 業者へ依頼 |
DIYで進める場合でも、ケーブルと端末部材の適合確認、施工後の導通確認は欠かせません。作業前に「抵抗を感じたらやめる」という基準を決めておきましょう。
また、LANケーブルを通す作業と、コンセントの新設など電源設備の工事は別物です。付随して電気工事が必要な場合は、電気工事士の資格を持つ人へ依頼してください。
業者に依頼するときに伝える情報
依頼の際に次の情報をそろえておくと、見積もりが正確になり、当日の作業もスムーズに進みます。
・ 新築の場合: 間取り図、機器の置き場、配線したい部屋、ケーブルの想定規格と本数
・ 既存住宅の場合: 情報盤と各部屋の端子の写真、配管にある表示、通そうとして止まった位置や状況
「空配管に通せますか」だけでなく、「通らなかった場合は原因調査と別経路の提案までお願いしたい」「部屋側はLANコンセントで仕上げたい」と作業範囲まで伝えると、見積もりの抜け漏れを減らせます。
工事完了後に受け取っておきたいもの
経路と端子の対応表、施工後の写真、使用したケーブルと部材の型番、試験の結果、保証の範囲を確認しましょう。配管を使わず別の経路に変更した場合は、その内容も図面に反映してもらいます。部屋の使い方が変わったとき、残された記録が次の工事の手がかりになります。
LANケーブルと空配管の工事費用の目安
費用は、「新築時に空配管を設ける費用」と「既存の空配管にLANを通す費用」に分けて考えます。さらに、調査、通線、両端の端末処理、部材、通信試験のどこまで含むかによって金額は変わります。
既存の空配管へLANを通す費用
公開されている料金の一例として、既存の空配管へ通す工事を1か所15,000円から(部材費込み)と案内している会社があります。また、別の会社ではCat6・10m・既存の配管とコンセントの空きスペースを使う施工例で税込24,200円からと示しています。
いずれも各社の条件付きの料金で、全国一律の相場ではありません。行き先の調査、呼び線の追加、詰まりの解消、端子の新設などは別料金になることがあります。配管が使えなかった場合に調査費がかかるか、別工法へ切り替えたときの費用はどうなるかも、事前に確認しておきましょう。
新築時に空配管を設ける費用
新築時は、施工会社の標準仕様に含まれているか、追加工事になるかで費用が大きく変わります。見積もりの対象になるのは、管の種類と長さ、本数、階をまたぐ経路、点検口や中継ボックス、端部のプレート、図面への記録などです。建築中のどの段階で依頼するかによっても、作業内容と金額は変わります。
「空配管一式」とだけ書かれた見積もりでは、何本をどこまで、どの太さで通し、呼び線と端部の仕上げが含まれているのかを確認してください。費用を抑えるために管を細くした結果、将来使えなくなれば本来の目的を果たせません。金額の大小だけでなく、使える経路が完成するかどうかを基準に比べましょう。
見積もりで確認したい項目
| 項 目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 経路と本数 | 「1か所」と「1経路」の意味が業者によって異なる |
| ケーブル・ジャック | カテゴリー、長さ、両端の仕上げ方が違う |
| 調査と通線 | 行き先不明や呼び線なしの場合は手間が増える |
| 端末・プレート | 情報コンセントを新設するかどうかで変わる |
| 試験 | 導通確認と伝送性能の試験は内容が異なる |
| 追加工事 | 点検口、穴あけ、補修、別経路の有無で変わる |
| 出張費・諸経費 | 本体価格に含まれているか別途か |
DIYと業者依頼、費用の考え方
DIYなら出張費や作業費はかかりませんが、ケーブル、LANジャック、通線ワイヤー、専用工具、テスターなどをそろえる必要があります。1本通すために工具を一式買う場合、材料費だけを見て「DIYのほうが必ず安い」とは言い切れません。
また、通線に失敗してケーブルや既存の線を傷めれば、復旧に費用がかかります。行き先が明確で作業しやすいか、今後も複数経路を施工する予定があるか、性能試験が必要かを考えたうえで、DIYに踏み切る前に一度見積もりを取って比べるのがおすすめです。
空配管とWi-Fi・PoE機器の関係
空配管は、パソコン用のLANケーブルを通すためだけの設備ではありません。 Wi-Fiの電波が届きにくい階にアクセスポイントを設置する場合は、ルーターやハブからアクセスポイントまでLANケーブルでつなぐと、通信が安定しやすくなります。机の近くだけでなく、アクセスポイントの設置予定場所までの配管経路も考えておくと、家全体の通信環境を整えやすくなります。
PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブルを通じて対応機器に電力を供給する仕組みです。 PoE給電に対応したアクセスポイントや防犯カメラなら、機器の近くに電源コンセントを設けずに設置できる場合があります。ただし、機器と給電側の設備(PoE対応ハブなど)が対応する規格であることに加え、給電側が機器に必要な電力を供給できることが条件です。LAN端子があれば、どの機器にも給電できるわけではありません。
屋外に防犯カメラを設置する場合は、配管経路に加え、接続部などの防水処理や、点検・交換しやすい設置場所も検討する必要があります。屋外での配線については、<屋外の有線LAN配線方法>で解説しています。
新築時にアクセスポイントの設置場所を決めきれない場合は、各階の設置候補と、そこまで配線しやすい経路を考えておきましょう。点検しにくい高所に配管の出口を設けるよりも、機器の交換や再起動がしやすい場所を選ぶほうが実用的です。
リフォーム時に空配管を追加するなら
既存住宅に空配管がなくても、リフォームで壁や天井を開ける予定があるなら、将来使う通り道を一緒に設けることを検討できます。内装工事が終わってから改めて壁を開けるより、工程を合わせたほうが施工の自由度は高く、費用も抑えやすくなります。
ただし、壁を開けたからといって、どこでも自由に配管を通せるわけではありません。耐力壁の構造材、防火区画、断熱層や防水層を貫く場合には、それぞれ適切な処理が必要です。建築工事と通信設備工事の担当者に、配管の経路、固定方法、貫通部の処理を確認しましょう。壁を閉じる前に通線できることを確かめ、経路を写真と図面に残しておくことも大切です。
リフォームの範囲が一部屋だけなら、家全体を配管で結ぼうとせず、その部屋から情報機器の置き場まで通せるかを先に検討します。有線LANの口数を増やす工事全般については、<有線LANの増設工事>の記事も参考になります。空配管を追加する費用は、内装の開口と補修を含むかどうかで大きく変わるため、通信設備と内装工事の見積もりの境界も確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 新築なら、すべての部屋に空配管が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。仕事部屋、各階のアクセスポイント候補、機器が集まる場所など、有線で使う可能性が高く、後から配線しにくい場所を優先して検討しましょう。予算が限られている場合も、本数を増やすより、太さ・曲がり・行き先が確認できる使える経路を確実に作ることを優先してください。
Q2. 空配管があるかどうか、自分で確認できますか?
電気設備図や引き渡し資料を見て、情報分電盤や電話端子のまわりを確認することはできます。ただし、図面上の管が実際に目的の部屋までつながっているかは別の問題です。電源を含むプレートの分解や、用途の分からない線を引っ張る作業は避け、施工会社へ確認してください。
Q3. LAN用の空配管は、どのくらいの太さが必要ですか?
通すケーブルの外径と本数、将来の引き替え、経路の長さと曲がりによって決まります。住宅では呼び22前後が検討されることが多いものの、呼び径の数字だけで通せる本数は確定できません。設計時にケーブルの型番や外径を伝え、実際の経路で通線できるかを施工会社に判断してもらいましょう。
Q4. PF管とCD管、どちらを使えばよいですか?
PF管は自己消火性があり、壁の中や天井裏など住宅の多くの場所で使えます。CD管はコンクリートに埋め込むことが前提の管です。どちらを使うかは建物の構造と施工箇所によって施工会社が判断するため、施主としては「どこからどこへ、何を通したいか」を明確に伝えることが大切です。
Q5. 電話線が入っている配管にLANケーブルを追加できますか?
通信用の配管であれば可能な場合があります。管内に余裕があるか、既存の電話線が使われているか、通線時に双方を傷めないかを確認します。電話線用の管と電源用の管を混同しないよう注意し、用途が分からなければ業者に確認しましょう。
Q6. 呼び線がないと通線できませんか?
通線ワイヤーを使って新たに経路を確保できる場合があります。ただし、細い管、曲がりの多い管、出口が分からない管では届かないこともあります。何度も同じ位置で止まる場合は力を強めず、経路の調査を優先してください。
Q7. 既存の配管にCat6Aが通りません。Cat6に変えるべきですか?
まず、どこで引っかかっているか、プラグや接続部が太くないか、管内に既存の線がないかを確認します。Cat6に変えれば必ず解決するわけではなく、必要な通信速度や将来の用途も考える必要があります。配管が物理的に使えない場合は、別経路やモール配線も含めて検討しましょう。
Q8. 配管の中のLANケーブルは、後から交換できますか?
管内の余裕、曲がり、両端の作業性、既存ケーブルの固定状態によって変わります。空配管を設けたから必ず交換できるわけではありません。新築時に通線しやすい経路を計画し、施工後は経路図・ラベル・呼び線を残しておくことで、交換できる可能性が高まります。
Q9. 空配管を使ったLAN工事の費用はいくらですか?
公開されている料金では、1か所15,000円から(部材費込み)とする例や、Cat6・10m・両端の端子処理を含めて税込24,200円からとする例があります。起点と終点、ケーブルの種類、端末処理、調査、試験、出張費を同じ条件でそろえ、現地見積もりで比べることをおすすめします。
Q10. 空配管がない家でも、別の部屋へ有線LANを引けますか?
引ける場合が多くあります。天井裏や床下を通して壁から出す方法、室内でモールを使って配線する方法などを、現場の条件に合わせて比較します。建物の構造や管理規約によって選べる方法は異なります。詳しい比較は<LANケーブルの壁配線方法>ご覧ください。
まとめ|「空配管あり」ではなく「後から通せる」を目標にする
LANケーブル用の空配管は、今使うケーブルのためだけでなく、部屋の使い方や通信機器が変わったときの選択肢を残すための設備です。
新築の場合は、次の点を具体的に決めて、図面と見積もりに残してもらいましょう。
・ 起点(機器の置き場)と終点(各部屋の端子位置)
・ 通すケーブルに合った管の太さと、曲がりの少ない経路
・ 点検できる中継点、呼び線、両端のラベル
・ 引き渡し前の通線確認と、変更を反映した竣工図
既存住宅の場合は、図面と現物を照合し、通信用の管であること、行き先と管内の空きを確認してから作業します。強い抵抗や既存の線の動きを感じたらすぐに中止し、別経路も含めて専門業者へ相談してください。
空配管の価値は、図面上の「あり」の一言ではなく、必要になったときに実際にケーブルを通せるかどうかで決まります。配管が使えない場合にどの配線方法を選ぶかは、<LANケーブルの壁配線方法>で整理しています。







