インターネット設備の工事は、外部の回線を建物内に引き込み、室内で使用できるようにする一連の作業を指します。この工事は、単にケーブルを繋げるだけではなく、ネットワークの安定性や効率性を確保するための高度な知識と技術が必要です。ここでは、工事の具体的な内容や手順、そして注意点について詳しく解説します。
1. 工事の全体的な流れ
インターネット設備工事は、大きく以下のステップに分けられます。
1-1. 回線引き込み工事
建物の外部から、インターネットプロバイダが提供する回線を建物内部へ引き込む工事です。
・ 具体例:光回線の場合、外壁に設置された光キャビネットから光ファイバーケーブルを建物内に引き込みます。
・ 注意点:建物の構造によっては、外壁に穴を開ける必要があり、事前に管理者やオーナーへの許可が必要な場合があります。
1-2. 機器設置工事
引き込んだ回線をモデムや光終端装置(ONU)に接続します。
・ 設置機器例:モデム、ONU、ルーター。
・ 設定作業:プロバイダ情報の入力やWi-Fiルーターの初期設定を行います。
1-3. 室内配線工事
建物内で必要な場所にネットワークを提供するために、LANケーブルやWi-Fiアクセスポイントを設置します。
・ 隠蔽配線:配線が目立たないように壁内や天井裏を通す作業。
・ ネットワークポイント:各部屋にLANポートを設置し、直接接続可能にする。
2. 実際の工事内容の具体例
以下に、典型的なインターネット設備工事の内容を詳しく解説します。
2-1. 光回線の引き込み作業
光ファイバーを建物に引き込む作業は、インターネット接続の基盤となる重要な工程です。
・ 手順:
1. 外部回線(光ファイバー)を建物の配管内に通します。
2. 配管がない場合は、壁に穴を開けてケーブルを通します。
3. 建物内の指定された場所(リビングルームや配電盤付近)にONUを設置。
事例:一戸建て住宅の場合、光キャビネットからリビングに直接引き込むか、天井裏を経由して配線を行います。
2-2. Wi-Fi環境の構築
Wi-Fiの設置は、現代のインターネット利用において欠かせない作業です。
・ 手順:
1. Wi-Fiルーターを設置し、プロバイダ情報を入力して設定。
2. 電波干渉を避けるために、最適な場所(建物の中央や障害物が少ない位置)に配置。
3. 範囲を拡大するために、メッシュWi-Fiアクセスポイントを設置。
注意点:電波が届きにくい場所(コンクリートの壁や金属製の扉の裏など)では、追加の中継器が必要になることがあります。
2-3. オフィスでのネットワーク構築
オフィスでは、家庭用の設備以上に複雑な設計が必要です。
・ 具体作業:
1. 各デスクへのLANポート設置。
2. サーバールームの設置と接続機器の設定。
3. VLAN(仮想LAN)の構築により、部署ごとにネットワークを分離。
事例:50名以上が働くオフィスでは、スイッチングハブを利用して効率的にデバイスを管理します。
3. 使用する機器とその選定基準
インターネット設備工事では、適切な機器を選定することが非常に重要です。
必要な機器一覧
機器名 | 選定基準 |
---|---|
モデム | プロバイダが提供するものを利用する場合が多い。 |
光終端装置(ONU) | 光回線に対応した専用装置が必要。 |
Wi-Fiルーター | 利用人数や接続範囲に応じて選定。上位モデルほど多くのデバイスに対応可能。 |
LANケーブル | Cat5e以上を推奨(高速通信が必要な場合はCat6aまたはCat7を利用)。 |
スイッチングハブ | デバイス数やネットワーク構成に応じたポート数のものを選ぶ(8ポート~24ポートが一般的)。 |
Wi-Fiアクセスポイント | 範囲を広げるメッシュWi-Fi対応機器が便利。 |
4. 工事時に注意すべきポイント
4-1. 建物の構造を把握する
建物の材質や構造によっては、電波が遮断されやすい場所があります。
事例:鉄筋コンクリートのマンションでは、Wi-Fiの電波が届きにくくなるため、複数のアクセスポイントを設置する必要があります。
4-2. 配線の整理
ケーブルが乱雑に見えると見栄えが悪く、またメンテナンス性が低下します。
・ 対策:
配線ダクトやモールを使用してケーブルを隠す。
配線図を作成してどのケーブルがどのポートに繋がっているかを明確化。
4-3. セキュリティ対策
工事後には、ネットワークのセキュリティを確保することが重要です。
・ 具体例:
Wi-Fiのパスワードを強力なものに設定。
ファイアウォールの設定や、ゲストネットワークを別途設ける。
インターネット設備に関して何かお困りの時はコチラをチェック