自宅の書斎や子供部屋でWi-Fiの電波が弱く、動画が止まったり、オンライン会議の音声が途切れたりして困っていませんか。そうした悩みを根本から解決する方法のひとつが、LANケーブルを床下に通して有線ネットワークを整備する「床下配線」です。
床下配線は、壁や床の上にケーブルを露出させることなく、各部屋へ安定した通信環境を届けられる工事です。とはいえ、「本当に自分の家でもできるのか」「費用はどれくらいかかるのか」「業者に頼むべきかDIYでも大丈夫なのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、LANケーブルの床下配線について、基礎知識からケーブル選び、施工手順、DIYの可否、費用相場、業者選びのポイント、よくある失敗例まで、実務的な視点でわかりやすく解説していきます。これから配線を検討する方が、後悔のない判断をするための材料としてお役立てください。
LANケーブルの床下配線とは何か?
LANケーブルの床下配線とは、ルーターや回線終端装置が設置されている場所から各部屋まで、床下の空間を経由して有線LANのケーブルを通す施工方法のことです。床や壁の表面にケーブルをむき出しにする必要がないため、室内の見た目をそこなわず、すっきりとした状態のまま安定した通信環境を実現できる点が最大の特徴です。
無線LANは工事なしで手軽に導入できる反面、壁や床、家具、家電製品などの影響を受けやすく、建物の構造やルーターの設置場所によっては通信速度が大きく低下してしまうことがあります。これに対して有線LANは、通信機器と端末をケーブルで直接つなぐ方式のため、通信速度が安定しやすく、遅延や接続の途切れも起こりにくいという特長を持っています。
動画配信サービスの視聴、オンライン会議、オンラインゲーム、大容量データのやり取り、防犯カメラの映像伝送など、通信の安定性が強く求められる用途では、有線LANの安定性が大きな武器になります。
ただし、床下に空間さえあれば、どの住宅でも簡単にLANケーブルを通せるというわけではありません。床下点検口の位置、基礎の形状、断熱材の施工状況、給排水管やガス管の有無、目的の部屋までの距離といった条件によって、施工の難易度は大きく変わってきます。そのため床下配線を検討する際は、単に「ケーブルを通せるかどうか」だけでなく、将来の交換のしやすさ、日常のメンテナンス性、対応する通信規格、湿気対策までを含めて計画を立てることが重要になります。
床下配線と露出配線の違い
床下配線では、LANケーブルの大部分を床下に隠し、必要な場所だけを床上へ引き出します。壁の中を通して情報コンセントを設置すれば、一般的な電源コンセントと同じような自然な仕上がりにできるのが魅力です。
一方、露出配線は壁や巾木に沿ってLANケーブルを配置し、モールと呼ばれる配線カバーで保護する方法です。床下に入れない住宅でも比較的施工しやすく、工事費用を抑えやすい反面、モールやケーブルが室内から見えてしまう場合があります。それぞれの違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 床下配線 | 露出配線 |
|---|---|---|
| 見た目 | ケーブルを隠しやすく美観を保てる | モールや配線が室内から見える |
| 施工難易度 | 床下の構造や状態に左右されやすい | 比較的施工しやすい |
| 費用 | 高くなりやすい傾向がある | 抑えやすい |
| ケーブル保護 | 適切に固定すれば衝撃を受けにくい | 家具の移動などで傷つきやすい |
| 交換のしやすさ | 配管の有無によって大きく変わる | 比較的交換しやすい |
| 総合的な仕上がり | 美しく整えやすい | 配線経路次第で目立つことがある |
見た目や仕上がりの美しさを重視するなら床下配線、施工のしやすさや費用を優先するなら露出配線が向いていると言えるでしょう。どちらが正解というわけではなく、住宅の条件と優先順位に応じて選ぶことが大切です。
床下配線が向いている住宅の特徴
床下配線は、ルーターから離れた部屋でWi-Fiが不安定になりやすい住宅と特に相性が良い工事です。とりわけ鉄筋コンクリート造の住宅、間仕切りや扉が多い間取り、複数階に分かれた住宅では、電波が壁や床に遮られて届きにくくなる傾向があります。
次のような状況に心当たりがある場合は、床下配線を検討する価値が十分にあります。
・ オンライン会議中に映像や音声が頻繁に途切れる・ オンラインゲームの遅延やラグを少しでも減らしたい
・ テレビやレコーダーを有線LANで安定接続したい
・ 書斎や子供部屋に新しくLANポートを増設したい
・ 電波の届きやすい位置にWi-Fiアクセスポイントを設置したい
・ NASや家庭内サーバーへ高速かつ安定した速度で接続したい
・ PoE対応の防犯カメラを新たに設置したい
・ 将来的な10Gbps回線の導入に備えておきたい
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現代の生活において、インターネットは水道や電気と同じくらい欠かせない存在となりました。動画配信、リモートワーク、オンライン授業、IoT家電の利用など、安定した通信環境が日常に直結しています。しかし、意外と見落とされがちなのが「LAN配線の品質」です。
「Wi-Fiが不安定」「通信速度が遅い」「会議中に音声が途切れる」…そんなお悩みを抱えている方は、ぜひLAN配線の見直しを検討してみてください。そして、その工事を信頼できるプロに任せるなら、【電気工事110番】が圧倒的におすすめです。
なぜLAN配線が重要なのか?通信トラブルの多くは“配線”が原因
多くのご家庭やオフィスでは、Wi-Fiルーターのスペックや通信プランばかりに注目しがちですが、「LAN配線の劣化」や「不適切な配線方法」が原因で通信速度が落ちているケースも少なくありません。
よくあるLAN配線のトラブル事例
・ 築年数の経った住宅で使用されている古いLANケーブル
・ 天井裏や床下での断線・接触不良
・ 無理な分岐や延長による信号劣化
・ 外部ノイズによる通信エラー(特に電源ケーブルと並行に配線されている場合)
こういった問題は、通信機器をいくら高性能にしても解決できません。根本から快適な通信環境を整えるには、適切なLAN配線工事が必要不可欠です。
LAN配線を見直すメリットとは?
LAN配線工事をプロに依頼して改善すると、以下のようなメリットがあります
✅ 通信速度の向上:光回線本来のスピードを最大限に引き出せる
✅ Wi-Fiの安定化:メッシュWi-Fiやアクセスポイントとの相性も◎
✅ 業務効率アップ:オンライン会議やクラウド業務がスムーズに
✅ 防犯カメラやIoT機器との連携が快適に
✅ 将来の回線増設やリフォーム時の拡張性も確保
「電気工事110番」のLAN配線サービスが選ばれる理由
LAN工事は、単にケーブルを通すだけではなく、建物構造や配線経路、ネットワーク機器との整合性を熟知したプロの知識が求められます。
「電気工事110番」は、全国対応・最短即日対応可能なうえ、以下のような安心の特徴を持っています。
| 特徴 | 内容 |
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| ✅ 年中無休・24時間受付 | 急なトラブルにもスピーディに対応 |
| ✅ 有資格者による施工 | 電気工事士資格を持つプロが対応 |
| ✅ 累計相談実績30万件以上 | 多くのユーザーから高評価 |
LAN配線工事の具体例:こんなシーンで活用されています
戸建て住宅
・ リビング、書斎、子供部屋にLANを分配して快適ネット環境を構築
・ 防犯カメラのPoE接続やNAS設置にも対応
賃貸マンション
・ 原状回復に配慮した露出型モール工事
・ Wi-Fiの届かない部屋への有線接続
オフィス・店舗
・ 社内ネットワークの設計、配線、ハブ設置まで一括対応
・ POSレジや監視カメラの安定接続工事も
LAN配線はプロに任せて、安心・快適な通信環境を!
通信トラブルの原因がWi-Fiや回線プランではなく、「LAN配線の問題」だったという事例は少なくありません。正しく配線された有線LAN環境こそが、真に安定したネットワークの基盤となります。
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LANケーブルを床下配線するメリットとデメリット
床下配線には、通信の安定性、室内の美観、安全性など数多くのメリットがある一方で、施工費用や点検のしにくさといった、事前に把握しておきたいデメリットも存在します。良い面だけを見て判断するのではなく、自宅の構造や利用目的にきちんと合っているかを確認したうえで検討を進めましょう。
メリット:見た目・安全性・通信の安定性が向上する
床下配線の代表的なメリットは、室内に長いLANケーブルを露出させずに済むことです。廊下や部屋を横切るような配線がなくなるため、足を引っかけてつまずく危険を減らせますし、掃除機や家具によってケーブルが傷つく心配も少なくなります。安全性、美観、耐久性をまとめて高められる点は、床下配線ならではの大きな利点です。
有線LANはWi-Fiと比べて、壁や家電製品による電波干渉の影響を受けにくいという特性も持っています。対応機器と適切なLANケーブルを組み合わせれば、複数の端末が同時に通信する環境でも、速度や応答性を安定して保ちやすくなります。
さらに、各部屋にあらかじめ情報コンセントを設置しておけば、後から端末を増やしたり、Wi-Fiアクセスポイントを追加したりする際にも柔軟に対応できます。新築時やリフォーム時に予備の配管とLANケーブルを一緒に整備しておくことは、将来の通信設備を無理なく更新するための備えにもなります。
デメリット:施工の難易度と将来の交換性に注意が必要
床下配線を行うには、作業者が床下に入るための点検口や、目的の場所まで移動できる十分な空間が欠かせません。基礎によって通路が分断されている住宅や、床下が極端に狭い住宅では、希望する場所までケーブルを通せない可能性があります。
断熱材や給排水管、ガス管、電気配線などが複雑に入り組んでいる場合も、施工の難易度は上がります。また、ケーブルを床下に直接敷設すると、後になって不具合が発生した際、正確な位置を確認しづらくなる点にも注意しなければなりません。
配管を使わずにケーブルだけを通した場合、将来の交換時に再び床下へ入る作業が必要になることがあります。さらに、床下への進入口や配線経路を新設する場合には、穴あけ、壁内配線、情報コンセントの設置といった追加作業も発生します。したがって床下配線を計画する際は、初期費用だけでなく、交換のしやすい経路設計、予備配管の確保、点検性の確保まで含めて考える必要があるのです。
LANケーブルを床下配線する前に確認しておきたいこと
床下配線を成功させるには、施工前の現地確認が欠かせません。配線を始めてから障害物や通行できない基礎が見つかると、施工方法の変更や追加費用が発生してしまいます。床下点検口を開けただけでは全体の状況を把握しきれないため、図面の確認、目視、距離の測定などを組み合わせて確認していきましょう。
床下へ入れる点検口があるかを確認する
最初に確認すべきは、床下点検口の有無とその位置です。一般的には、台所の床下収納庫、洗面所、廊下、収納の内部などに点検口が設けられています。
点検口があっても、開口の寸法が小さい、収納設備を取り外せない、配線したい部屋から遠く離れているといった理由で、実際の作業には利用しにくい場合があります。また、人が入れるだけの高さがあったとしても、基礎や配管が障害物となり、目的地まで移動できるとは限りません。点検口の有無、床下の高さ、基礎の配置、目的地までの通路をひとまとめに確認しておくことが大切です。
床下の湿気や漏水がないかを確認する
LANケーブルを屋内の床下へ配線する場合、床下が乾燥した正常な状態に保たれていることが前提条件になります。水たまりや結露、配管からの漏水、強いかび臭などが見られる場合は、配線工事に着手する前に、まず原因を調べる必要があります。
屋内用のLANケーブルの中には、常時濡れる場所や屋外での使用を前提としていない製品もあります。湿気の多い床下では、コネクターや中継部分が腐食し、通信不良につながるおそれもあるため注意が必要です。そのため、床下でケーブル同士を安易に中継するのではなく、原則として始点から終点まで1本で配線することが望ましいとされています。
配線距離と経路を確認する
LANケーブルの必要な長さは、部屋同士の直線距離だけで決まるわけではありません。ルーターから床下へ下ろす距離、基礎や配管を避けて迂回する距離、壁内を立ち上げる距離、端末までをつなぐパッチケーブルの長さまで含めて考える必要があります。
一般的なツイストペアケーブルによる配線では、固定配線部分にあたる「パーマネントリンク」を最大90メートル、両端のパッチケーブルを含めた通信経路全体を最大100メートルとする考え方が標準です。一般住宅でこの上限を超えることはそう多くありませんが、余ったケーブルを長いまま巻いて放置したり、不必要な迂回を繰り返したりする施工は避けましょう。必要な余長は確保しつつ、できるだけ単純で点検しやすい経路を計画することが理想です。
電源線や設備配管との位置関係を確認する
床下には、電源線、給水管、排水管、ガス管、換気設備などさまざまな配管・配線が通っています。LANケーブルを電源線と長い距離にわたって密着させると、施工条件によっては電磁的な影響を受ける可能性があります。
電源線とLANケーブルは適切に距離を取って分離し、どうしても交差させる必要がある場合は、できるだけ直角に交差させるのが基本的な考え方です。ただし、必要な離隔距離は電源線の種類や電圧、配線方法、遮へいの有無、使用するLANケーブルの種類によっても変わってきます。既存の電気設備に触れる作業や、電源コンセントの移設をともなう作業は、自己判断で進めず、必ず電気工事業者へ相談してください。
配線先と必要なLANポート数をあらかじめ決めておく
施工前には、現在使用している機器だけでなく、将来設置する可能性のある機器まで洗い出しておきましょう。テレビ、パソコン、ゲーム機、Wi-Fiアクセスポイント、NAS、防犯カメラなどを合わせて考えると、LANポートが1口では不足するケースは珍しくありません。
配線を終えたあとにポートを追加しようとすると、再び床下作業が必要になってしまうことがあります。書斎やテレビ周辺のように複数機器を使う場所には、あらかじめ2本以上のLANケーブルを通しておくか、適切なスイッチングハブを配置する方法を検討しましょう。空配管や呼び線、予備ケーブルのいずれかを用意しておくことも、将来の増設費用を抑えるうえで有効な対策になります。

★ LANケーブルの配線方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!
LANケーブル配線方法を徹底解説|費用・工事のコツと業者選び
床下配線に適したLANケーブルの選び方
床下配線では、家電量販店などで販売されている短いLANケーブルを、そのまま長距離の固定配線に流用すればよいというわけではありません。固定配線には、用途、通信規格、導体の構造、外被の性能などを踏まえたケーブルを選ぶ必要があります。特に、壁内や床下に一度施工したケーブルは交換に手間がかかるため、現在の通信速度だけでなく、将来性も見据えて選定することが大切です。
基本はCat6かCat6Aから選ぶ
一般住宅の新規床下配線では、Cat6またはCat6Aが有力な選択肢になります。Cat6は1Gbpsの家庭内ネットワークを構築しやすく、対応する機器や部材の種類も豊富です。Cat6Aは500MHzの伝送帯域と最大10Gbpsの通信規格に対応しており、10Gbps回線や高速な家庭内通信を見据えた配線に適しています。
| カテゴリー | 主な最大通信速度 | 伝送帯域 | 床下配線での考え方 |
|---|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 100MHz | 既存配線としては使えるが、新設時は将来性を検討したい |
| Cat6 | 1Gbps | 250MHz | 一般家庭における標準的な選択肢 |
| Cat6A | 10Gbps | 500MHz | 長期利用や10Gbps環境を見据えるなら有力 |
| Cat7以上 | 製品・構成による | 600MHz以上 | 端子や接地を含めた規格整合性の確認が必須 |
カテゴリーの数字が大きいからといって、必ずしも家庭内の通信速度が上がるわけではありません。回線契約、ルーター、スイッチングハブ、情報コンセント、端末側のLANポートのいずれかが1Gbpsまでしか対応していなければ、ケーブルだけをCat6Aに交換しても実際の通信は10Gbpsになりません。
一方で床下配線は交換作業そのものが難しいため、価格差を許容できるのであれば、ケーブル、情報モジュラジャック、パッチパネルをすべてCat6Aで統一しておく方法が現実的な選択と言えるでしょう。
固定配線には単線ケーブルを選ぶ
LANケーブルの導体には、主に「単線」と「より線」の2種類があります。単線ケーブルは1本の太い導体で構成されており、長距離の固定配線に適しています。一方でより線ケーブルは柔らかく取り回しやすいため、情報コンセントからパソコンまでをつなぐ短いパッチケーブルに向いています。
一般的な構内配線の規格でも、固定配線部分には単線、両端の短い接続部分にはより線を使う構成が基本とされています。床下から壁内まで長距離を通す場合は、Cat6またはCat6A対応の単線ケーブルを基本として選びましょう。
UTPとSTPは設置環境に応じて選ぶ
UTPケーブルは、金属製の遮へい材を使用していない、一般的なLANケーブルです。家庭内の通常の環境では取り扱いやすく、接地について複雑な検討を必要としないため、広く使われています。
STPやFTPといったシールドケーブルは外来雑音への対策として有効ですが、その性能を正しく発揮させるには、対応するジャックやパッチパネル、接地を含めた配線設計が不可欠です。接地が不適切な状態では、シールドケーブルに交換しても期待した効果を得られないことがあります。一般住宅では安易に高価なSTPを選ぶよりも、電源線との適切な分離、丁寧な施工、規格に適合したUTP部材の使用を優先するほうが現実的でしょう。
屋内用と屋外用は使用環境で使い分ける
床下が建物内部の乾燥した環境であれば、原則として屋内用のLANケーブルを使用できます。ただし、屋外を経由する配線、地面に近い湿潤な環境、紫外線が当たる場所、雨水が入り込む可能性のある場所では、その環境に対応した屋外用ケーブルや保護管が必要です。
屋内用ケーブルを屋外へ露出させると、紫外線や温度変化によって外被が劣化するおそれがあります。「床下だから一律に屋外用が必要」と決めつけるのではなく、製品の仕様と実際の温度、湿度、浸水の可能性を照らし合わせて判断することが大切です。
極端に細いケーブルやCCAケーブルは避ける
薄型や極細のLANケーブルは取り回しに優れていますが、長距離の固定配線やPoE給電においては、標準的な太さのケーブルより不利になる場合があります。また、導体に「CCA」と呼ばれる銅被覆アルミニウムを用いた安価な製品も市場に出回っています。
長期使用を前提とする床下配線では、規格適合が確認できる純銅導体の製品を選ぶほうが安心です。価格だけで選ぶのではなく、メーカー、導体材料、対応規格、使用温度、曲げ半径、最大張力といった仕様までしっかり確認しましょう。
LANケーブルを床下へ通す具体的な施工手順
床下配線の基本的な流れは、配線計画、養生、通線、端末処理、固定、通信試験という順序で進みます。住宅ごとに構造が異なるため、実際の施工方法も現場によって変わってきます。無理に一律の方法にこだわらず、床下や壁内の状態に合わせて、安全に通せる方法を選択することが重要です。
配線経路と両端の位置を決める
最初に、ルーターや回線終端装置を置く「始点」と、LANポートを設置する「終点」を決めます。家具の位置、電源コンセントの位置、端末を使う場所、扉の開閉なども合わせて確認しておきましょう。
情報コンセントを家具の裏側に設けてしまうと、家具を置いたあとに接続や点検ができなくなってしまいます。反対に、通路に近すぎる位置に設けると、差し込んだLANケーブルが足や掃除機に当たりやすくなります。始点から終点までの経路は図面や床下の写真に記録し、必要なケーブル長に適切な余長を加えて準備しましょう。
必要な道具と部材を準備する
一般的な床下配線では、次のような道具や部材を使用します。
・ 規格に適合した単線LANケーブル・ 情報モジュラジャック
・ 情報コンセント用プレート
・ 通線ワイヤーまたは呼び線
・ ケーブル支持材や結束部材
・ 穴あけ工具
・ LANケーブル用の成端工具
・ ワイヤーマップテスター
・ ヘッドライト
・ 防じんマスク、保護眼鏡、手袋、作業服
・ 養生材、配線表示用ラベル
床下までケーブルを下ろす
既存の空配管に余裕があり、目的地までつながっている場合は、呼び線を使ってLANケーブルを通していきます。配管がない場合は、収納内部など目立ちにくい場所から床下へ通す方法や、壁内を利用して情報コンセントまで配線する方法を検討します。
穴を開ける前には、床下側の梁、根太、配管、電線、基礎などの位置を必ず確認してください。位置を確認しないまま長いドリルを使用すると、給排水管や電気配線を損傷させる危険があります。構造材への穴あけも建物の強度に影響しかねないため、位置と大きさは慎重に判断する必要があります。
床下でLANケーブルを通して固定する
床下へLANケーブルを通す際は、ケーブルを強く引っ張ったり、ねじったり、鋭角に折り曲げたりしないよう十分に注意しましょう。必要な曲げ半径や最大張力は製品によって異なるため、使用するケーブルの仕様書を必ず確認してください。
製品例としては、施工時の最小曲げ半径をケーブル外径の8倍、固定後は外径の4倍とするCat6Aケーブルもあります。ケーブルを梁や配管へ強く巻き付けたり、結束バンドで外被が変形するほど締め付けたりする施工は避けましょう。床下に垂らしたままにせず、適切な支持材を使って経路を整理しておくと、清掃や点検、将来の工事の際にも損傷しにくくなります。
情報コンセントへ成端する
床下から壁内へLANケーブルを立ち上げたら、規格に対応する情報モジュラジャックへ成端していきます。結線方式にはT568AとT568Bがあり、両端を同じ方式で統一することが重要です。
より戻しを必要以上に長くしてしまうと、LANケーブルが本来持つ雑音抑制性能を損なう可能性があります。芯線の配列だけでなく、外被の処理方法、より戻しの長さ、ジャックへの固定方法についても、製品の説明書に従いましょう。Cat6Aの性能をしっかり確保したい場合は、ケーブルだけでなく、ジャック、パッチパネル、パッチケーブルもCat6A対応品で統一することをおすすめします。
配線後に通信試験を行う
施工後は、パソコンを接続してインターネットが表示されるかどうかを確認するだけでは不十分です。最低限、ワイヤーマップテスターを使って、断線、短絡、誤配線、対の入れ替わりがないかを確認しましょう。
通信速度についても確認しますが、インターネット速度測定だけではLAN配線そのものの性能を正確に判断することはできません。回線事業者側の混雑状況、ルーターの性能、端末の性能などが測定結果に影響してしまうためです。施工品質を厳密に確認したい場合は、専門業者にパーマネントリンク試験を依頼しましょう。専用の認証試験器を使えば、長さ、挿入損失、漏話などを測定し、Cat6やCat6Aとしての規格を満たしているかどうかを確認できます。
LANケーブルの床下配線をDIYできる条件
LANケーブルの床下配線は、条件さえ整っていればDIYで行える場合もあります。しかし、作業内容がLANケーブルの通線だけで完結するのか、それとも建物や電気設備に手を加える必要があるのかによって、難易度と危険性は大きく変わってきます。「LAN配線だから簡単」と安易に考えず、作業範囲を具体的に切り分けて判断することが大切です。
DIYを検討しやすい条件
次のような条件がそろっている場合は、DIYでの施工を検討しやすいでしょう。
・ 床下点検口から目的地まで安全に移動できる・ 床下に十分な高さが確保されている
・ 水漏れ、害虫、著しいかび、危険物が見当たらない
・ 既存の空配管と呼び線を利用できる
・ 構造材や設備配管に穴を開ける必要がない
・ 電源線や電気設備に触れる必要がない
・ 配線距離が短く、経路がシンプルである
・ LANジャックの成端方法を理解している
・ 配線後にテスターで確認できる
・ 作業を補助してくれる人がいる
業者へ依頼したほうがよい条件
床下が狭い、湿っている、基礎で通路が分断されているといった状況では、専門業者への依頼をおすすめします。壁内の状況が分からない場所に穴を開ける場合や、複数の部屋へ配線する場合も、DIYの難易度は一段と高くなります。
次のような条件に当てはまる場合は、無理に自分で作業しないほうが安全です。
・ 床下へ入ること自体が難しい・ 基礎に穴を開けなければ配線できない
・ 電源コンセントの移設や電源配線の変更をともなう
・ 配線先が2階や離れた建物にある
・ 断熱材を大きく取り外す必要がある
・ 床下に漏水や害虫被害がある
・ 防火区画や共同住宅の共用部分を通る
・ PoE機器を多数設置する予定がある
・ Cat6Aの性能保証や試験結果が必要である
・ 賃貸住宅で建物に穴を開ける必要がある

★ LANケーブルにおける空配管について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!
LANケーブルを空配管に通す方法|失敗しない手順・コツ・注意点
LANケーブル床下配線の費用相場
LANケーブルの床下配線費用は、配線距離、本数、空配管の有無、床下の高さ、壁内配線の必要性、情報コンセントの数などによって大きく変わります。同じ「1部屋にLANを通す工事」であっても、既存配管を利用できる場合と、作業者が床下に入って新たな経路を設ける場合とでは、総額が大きく異なるのです。そのため、以下の相場は固定価格ではなく、あくまで予算を考えるための目安として参考にしてください。
一般的な費用の目安
住宅のLAN配線では、1本あたり8,000円前後がひとつの目安として紹介されていますが、床下作業や壁内立ち上げ、穴あけ、ジャック設置などが加わると、総額はさらに高くなります。
2026年に公開された施工会社の料金例では、床下に潜って通線する追加作業費を11,000円からとしています。また、配管を使う住宅内LAN工事を10,000〜40,000円程度、配管がない工事を30,000〜60,000円程度とする施工会社の目安も見られます。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 既存配管を使ったLAN配線 | 10,000〜40,000円程度 |
| 配管がない場所への配線 | 30,000〜60,000円程度 |
| 床下へ入る追加作業 | 10,000円前後から |
| 壁穴加工 | 数千円から |
| 情報コンセントの設置 | 数千〜10,000円程度/箇所 |
| 複数部屋への配線 | 50,000〜100,000円以上になる場合もある |
| 専用試験器による認証試験 | 見積もりによる |
上記はあくまで一般的な参考額であり、出張費、基本作業費、部材費、消費税などが別途必要になる場合があります。正確な金額を知るには、写真だけの概算見積もりではなく、必ず現地調査を受けたうえで見積書を確認することが重要です。
費用を左右する主な要因
床下配線の費用は、主に次のような条件によって変動します。
・ LANケーブルの長さと本数・ Cat6やCat6Aなど、ケーブルの規格
・ 既存の空配管を利用できるかどうか
・ 床下へ安全に入れるかどうか
・ 基礎や配管を回避する必要があるか
・ 壁内への立ち上げが必要かどうか
・ 穴あけや情報コンセントの設置が必要か
・ ルーターやスイッチングハブの設定を依頼するか
・ 通信試験や成績書が必要か
・ 駐車料金や遠方への出張費が発生するか
費用を抑えるための工夫
複数の部屋へLANケーブルを配線する場合、1部屋ずつ別の日に依頼するよりも、まとめて施工したほうが出張費や基本作業費を抑えられる可能性があります。施工前に家具を移動させ、点検口周辺を片付けておくことも、作業時間の短縮につながります。
ただし、費用を抑えるために品質の不明なケーブルを自分で用意すると、業者による保証を受けられなくなる場合があります。部材を自分で購入したい場合は、事前に業者へメーカー、型番、規格、必要な長さを伝え、使用可能かどうかを確認しておきましょう。
LANケーブル床下配線:DIYと業者依頼の比較
DIYと業者依頼には、それぞれ異なる利点があります。費用だけを比較するとDIYのほうが安く見えますが、工具の購入費用、作業にかかる時間、失敗した場合の修復費用まで考慮しなければ、正確な比較にはなりません。長期間使い続ける固定配線においては、完成後の見た目だけでなく、通信品質と保守性も重要な判断材料です。
| 比較項目 | DIY | 業者依頼 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい | 作業費が必要 |
| 作業時間 | 長くなりやすい | 比較的短い |
| 安全性 | 作業者の知識に左右される | 現地状況に応じた対応を期待できる |
| 仕上がり | 経験によって差が出やすい | 情報コンセントなどを整えやすい |
| 通信試験 | 簡易テスターが中心になる | 認証試験に対応できる業者もある |
| 不具合対応 | 自分で原因を探す必要がある | 保証があれば相談できる |
| 複雑な配線 | 難易度が高い | 対応方法を提案してもらえる |
| 将来の増設 | 自分で計画する必要がある | 予備配管なども含めて相談できる |
DIYが向いている人
DIYは、空配管があり、短い距離を1本だけ通すような単純な工事に向いています。LANケーブルの規格や結線方法を理解していて、テスターを使って誤配線を確認できることも必要な条件です。作業費を抑えられる一方で、床下に入る準備、工具の購入、成端作業、不具合が起きた際の調査まで、すべて自分で行わなければなりません。施工の途中で難しいと感じた場合は、その時点で作業をいったん止め、専門業者に相談する判断も大切です。
業者依頼が向いている人
複数部屋への配線、壁内配線、2階への立ち上げ、Cat6Aによる10Gbps対応などを希望する場合は、業者への依頼が適しています。専門業者であれば、床下だけでなく天井裏、既存配管、収納内部、屋外配管などの選択肢を比較し、住宅に合った経路を提案してくれます。
施工後の試験結果、配線ラベル、経路図、保証内容まで提供してもらえれば、将来のメンテナンスや増設にも役立つでしょう。費用差だけでなく、安全性、通信品質、仕上がり、保証まで含めてトータルで比較することが重要です。
LANケーブルの床下配線でよくある失敗例
床下配線では、施工直後には問題なく通信できていても、数か月後や機器を交換したあとになって不具合が表面化することがあります。代表的な失敗例をあらかじめ知っておくことで、配線のやり直しや思わぬ追加費用を防ぎやすくなります。
ケーブルだけを高いカテゴリーへ変更してしまうという失敗はよくあるパターンです。Cat6Aケーブルを使用しても、両端のジャックやパッチケーブルがCat5eのままであれば、配線経路全体をCat6Aとして扱うことはできません。ルーター、ハブ、パソコンもすべて10Gbpsに対応している必要があります。カテゴリーはケーブル単体で決まるのではなく、端から端までを構成するすべての部材のうち、最も性能の低い部分に左右されると考えておきましょう。
通線時にケーブルを強く引っ張ってしまうのも典型的な失敗です。ケーブルが引っかかった状態で無理に引くと、外被や内部のより対を傷めてしまうおそれがあります。見た目に破損がなくても、漏話や挿入損失といった性能が悪化する可能性があります。通りが悪い場合は力任せに引かず、どこで引っかかっているのか、曲がりの数や配管径を確認するようにしてください。
LANケーブルを鋭角に曲げてしまう失敗もよく見られます。梁や柱の角に沿わせてケーブルを直角に折ると、内部の構造が変形してしまいます。特にCat6AはCat5eより太く、製品によって許容される曲げ半径も異なるため注意が必要です。施工時には余裕のある曲線を作り、ステップルや結束バンドで強く押しつぶさないようにしましょう。
電源線と一緒に束ねてしまうのも避けたい施工です。床下にある電源線へLANケーブルを結束すると、雑音の影響だけでなく、点検や改修時の誤認識にもつながります。弱電配線と電源配線は分けて支持し、識別できるように配線しましょう。どうしても近接する区間が発生する場合は、施工業者に離隔方法や使用部材を確認してください。
床下へケーブルを置いただけにしてしまうことも失敗の原因になります。LANケーブルを床下の地面や防湿シートの上に直接置くと、水分や害虫、点検作業などの影響を受けやすくなります。余ったケーブルを無造作に丸めて放置すると、あとから配線経路を判別しにくくなってしまいます。適切な支持材で固定し、始点、終点、行き先が分かるようラベルを付けておきましょう。
中継コネクターを床下に隠してしまう失敗も要注意です。長さが足りないLANケーブルを床下で中継すると、その接続部分が将来的な故障箇所になりかねません。床下の奥に中継部を隠してしまうと、不具合が起きたときに点検や交換が非常に困難になります。固定配線は可能な限り始点から終点まで1本で通し、接続点は点検できる場所にまとめるようにしましょう。
配線後の試験を省略してしまうのも見落としがちな失敗です。端末がインターネットにつながっただけでは、すべての芯線が正しく結線され、規定の性能を満たしているとは断定できません。1Gbpsでは問題がなくても、10Gbps対応機器へ交換したあとに通信が不安定になるケースもあります。最低限の導通試験は必ず行い、高い通信性能を求める場合は、施工業者に認証試験の実施可否を確認しましょう。
将来の交換方法を考えていないまま施工してしまうことも、長期的には大きな失敗につながります。ケーブルを構造材へ過度に固定したり、狭い穴へ直接通したりすると、将来の交換が難しくなってしまいます。通信規格は今後も更新され続けるため、床下配線を永久に使い続けられるとは限りません。可能であれば空配管を設けて呼び線を残しておくと、次回の交換や増設が容易になります。

LANケーブルの床下配線を依頼する業者の選び方
床下配線は、電気工事会社、通信設備会社、ネットワーク工事会社、住宅設備会社など、さまざまな業者に相談できます。名称だけでは得意分野を判断できないため、住宅のLAN配線実績や対応範囲をしっかり確認することが大切です。
住宅の床下配線実績を確認する
オフィスのLAN工事を得意とする会社であっても、戸建住宅の床下や壁内への配線経験が豊富とは限りません。問い合わせの際には、木造住宅の床下配線、既存住宅の壁内立ち上げ、情報コンセント設置などの実績を確認しておきましょう。施工写真が掲載されている場合は、ケーブルの固定方法、端末処理、ラベル表示、仕上がりの美しさまでチェックするとよいでしょう。
見積書の内容を比較する
複数社の見積もりを比較する際は、総額だけで判断しないことが重要です。ある業者の見積もりには情報コンセントや通信試験の費用が含まれ、別の業者には含まれていないというケースもよくあります。見積書では、少なくとも次の内容を確認しておきましょう。
| 確認項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| ケーブル規格 | Cat6かCat6Aか、メーカーと型番も含めて明記されているか |
| 導体構造 | 単線かより線か |
| 配線本数・距離 | 本数と概算の配線距離が明記されているか |
| 作業費 | 床下作業費、穴あけ費、壁内配線費が個別に記載されているか |
| 情報コンセント | 規格と設置口数が明記されているか |
| 通信試験 | 導通試験か認証試験か、内容が明確か |
| 諸費用 | 出張費、駐車料金が含まれているか |
| 保証 | 工事後の保証期間と対応範囲 |
「Cat6A対応」と書かれていても、どの部材までがCat6Aに対応しているのか分からない場合は、契約前に必ず確認するようにしてください。
試験方法と保証内容を確認する
一般的なワイヤーマップテスターは、断線や誤配線を確認するうえで有効な手段です。ただし、これはCat6Aとしての伝送性能そのものを保証する試験とは異なります。安定した10Gbps通信が必要な場合や、事業所で使用する場合は、規格適合を確認できる認証試験器の使用と、試験結果の提出が可能かどうかを尋ねてみましょう。
また、施工後に通信不良が起きた場合の連絡先、無償対応の範囲、部材保証と施工保証の違いについても、契約前にきちんと確認しておくことが大切です。
説明が具体的な業者を選ぶ
信頼できる業者は、希望する工事方法だけでなく、住宅の状況に応じた代替案まで丁寧に説明してくれます。たとえば床下配線が難しい場合に、天井裏配線、既存配管の活用、屋外配管、モール配線などを比較しながら提案してくれる業者は、施工方法を幅広く検討している証拠と考えられます。
反対に、現地状況を確認しないまま工事が可能だと断言したり、ケーブル規格や試験内容について具体的に説明できなかったりする業者は、慎重に見極めたほうがよいでしょう。
LANケーブルの床下配線に関するよくある質問(FAQ)
LANケーブルの床下配線を検討している方から寄せられやすい疑問をまとめました。工事条件は住宅ごとに異なるため、最終的な施工可否や費用については、必ず現地調査を受けて確認するようにしてください。
| 質問 | 回答の要点 |
|---|---|
| 床下へ通すと通信速度は必ず速くなる? | 床下配線自体が速度を上げるわけではなく、電波干渉や距離の影響を受けにくくなることで安定しやすくなる |
| Cat6とCat6Aどちらを選ぶべき? | 1Gbps中心なら Cat6、10Gbps回線や将来性重視ならCat6A |
| Cat7やCat8を選んだほうがよい? | 一般住宅ではCat6Aで十分な場合が多く、Cat7以上は規格整合性の確認が必須 |
| 電源線と同じ配管に入れられる? | 雑音・安全・保守の観点から慎重な判断が必要で、専門業者に相談すべき |
| 床下へ置いたままでよい? | 支持材で固定し、防湿シートや地面へ直接置くのは避ける |
| 床下でケーブルを延長できる? | 物理的には可能だが、点検しにくい場所への中継は避け、可能な限り1本で配線する |
| 何mまで配線できる? | 固定配線は90m以内、パッチケーブルを含む全体で100m以内が基本 |
| 床下配線後もWi-Fiは必要? | スマートフォンなど移動端末のためWi-Fiは引き続き必要。固定機器は有線、移動端末はWi-Fiと使い分けるのが効果的 |
| 賃貸住宅でも施工できる? | 管理会社や所有者から書面で許可を得ることが前提。許可が得られない場合は原状回復しやすい方法を検討 |
| 工事にはどのくらい時間がかかる? | 既存配管を使う単純な工事なら数時間、複数部屋や壁内配線をともなう場合は半日〜1日以上 |
それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。
床下へLANケーブルを通すこと自体が、通信速度を直接引き上げるわけではありません。Wi-Fiから有線LANへ切り替えることで、電波干渉や距離による影響を受けにくくなり、結果として通信速度や応答性が安定しやすくなるという関係です。実際の速度は、回線契約、ルーター、ハブ、LANケーブル、端末側のポートなど、経路全体の中で最も遅い部分に左右されます。
Cat6とCat6Aのどちらを選ぶべきかについては、1Gbpsを中心に利用し、費用や施工性を重視するのであればCat6が現実的な選択です。10Gbps回線や大容量の家庭内通信、長期的な設備利用を見据えるのであれば、Cat6Aが適しています。Cat6Aは太く曲げにくい製品もあるため、空配管の太さや曲がり具合も事前に確認しておきましょう。
Cat7やCat8については、一般住宅であればCat6Aで十分に事足りるケースが多いというのが実情です。Cat7以上を検討する場合は、ケーブル単体だけでなく、コネクター、遮へい、接地、対応機器を含めた規格全体の整合性を確認する必要があります。通販サイトで「Cat7」と表示されたRJ45ケーブルが、構内配線全体として想定した規格に適合しているとは限らないため、数字の大きさだけで判断せず、使用目的と配線構成に合った製品を選んでください。
電源線とLANケーブルを同じ配管に収めることについては、雑音や安全性、保守性、関連する施工基準の観点から慎重な判断が求められます。既存の電源配管が空いているように見えるからといって、それだけの理由でLAN配線に流用するのは避けましょう。配線設備の状態を把握できる電気工事業者や通信工事業者に相談することをおすすめします。
床下へケーブルをそのまま置く方法については、地面や防湿シート、断熱材の上に無造作に置くのはおすすめできません。水分、害虫、点検作業、他の工事による損傷を避けるため、床下環境に合った支持材で経路を整理しましょう。固定する際には、外被を押しつぶすほど強く締め付けないことも重要なポイントです。
床下での延長については、中継アダプターを使えば物理的には可能ですが、点検しにくい場所へ接続点を設けることは避けたほうが賢明です。中継部は接触不良や腐食の原因になりやすいため、可能な限り1本のケーブルで配線するようにしましょう。延長がどうしても必要な場合は、点検可能な場所に中継点を設け、使用するカテゴリーに対応した部材を選んでください。
配線距離の上限については、一般的なメタルLAN配線であれば、固定配線を90メートル以内、両端のパッチケーブルを含む全体を100メートル以内とする構成が基本です。100メートルを超える長距離配線が必要な場合は、途中にネットワーク機器を設置する方法や、光ファイバーを利用する方法を検討しましょう。機器の仕様だけを根拠に100メートルを超えて配線すると、通信速度や安定性を保証できない場合があります。
床下配線後にWi-Fiが不要になるわけではありません。スマートフォンやタブレットを使う以上、Wi-Fiは引き続き必要な設備です。床下へ有線LANを整備し、その先にWi-Fiアクセスポイントを設置すれば、電波の届きにくかった部屋の環境を改善できます。有線LANとWi-Fiを対立するものとして考えるのではなく、固定機器は有線LAN、移動端末はWi-Fiというように使い分けると、より効果的なネットワーク環境を構築できます。
賃貸住宅で床下配線を検討する場合、穴あけ、情報コンセントの増設、床下への固定などは建物の変更に該当する可能性があります。施工前に、管理会社または所有者から書面で許可を得ることが重要です。許可を得られない場合は、既存配管の活用、配線モール、薄型ケーブルなど、原状回復のしやすい方法を検討しましょう。
工事にかかる時間については、既存配管を使って1本だけ通す簡単な工事であれば、数時間程度で終わることもあります。床下調査、複数部屋への配線、壁内立ち上げ、情報コンセント設置などをともなう場合は、半日から1日以上かかることも珍しくありません。床下の状態によっては現地調査後に別日で施工する場合もあるため、問い合わせの際に予定を確認しておくとよいでしょう。
まとめ
LANケーブルの床下配線は、室内の見た目を整えながら、安定した有線ネットワークを構築できる優れた方法です。オンライン会議、動画視聴、オンラインゲーム、NAS、防犯カメラなどを快適に利用したい住宅にとって、Wi-Fi環境を補う頼もしい設備になってくれるでしょう。
新しく配線する場合は、一般的な用途であればCat6、10Gbpsや将来性を重視するのであればCat6Aを検討するとよいでしょう。固定配線には単線ケーブルを使用し、ケーブル、ジャック、パッチケーブルなどのカテゴリーを統一しておくことも忘れてはいけないポイントです。
施工時には、床下の湿気、配線経路、電源線との位置関係、曲げ半径、固定方法、通信試験といった項目を、ひとつひとつ丁寧に確認する必要があります。空配管があり、短く単純な経路であればDIYでも対応できる場合がありますが、床下が狭い、壁内配線が必要、構造材への穴あけが必要、電気設備に関わる作業が発生するといったケースでは、思わぬ危険をともなうことがあります。難しい条件に当てはまる場合は、無理をせず、住宅のLAN工事に慣れた業者へ相談することをおすすめします。
見積もりを比較する際は、総額だけでなく、使用するケーブルの規格、情報コンセントの内容、床下作業の範囲、試験方法、追加料金が発生する条件、施工保証の有無まで、しっかりと確認しましょう。現在の機器を問題なく接続できるだけでなく、将来の交換や増設まで見据えて設計しておくことこそが、長く安心して使い続けられるLAN床下配線を実現する近道になります。






