LANケーブル

2024.06.05

PoEとは? LANケーブルで電源供給する仕組みとその利便性

 

LANケーブルによる電源供給 (PoE) って何?

PoE (Power over Ethernet) とは、LANケーブルを使用してデータ通信と同時に電力を供給する技術です。通常、ネットワークデバイスにはデータ通信用のLANケーブルと電源供給用の電源ケーブルが必要ですが、PoEを利用することで1本のLANケーブルで済むため、配線の手間やコストを削減できます。

 

PoEの仕組みは?

データと電力の同時伝送

PoEの基本的な仕組みは、LANケーブル内のツイストペア線を利用してデータと電力を同時に伝送することです。通常、LANケーブルは4対(8本)のツイストペア線で構成されています。このうち、データ通信には2対(4本)が使われ、残りの2対(4本)が電力伝送に使用されます。

PoEインジェクターとPoEスイッチ

PoEを実現するためには、電力を供給する側の機器(PoEインジェクターまたはPoEスイッチ)と電力を受け取る側の機器(PoE対応デバイス)が必要となります。PoEインジェクターは、既存のネットワークにPoE機能を追加するためのデバイスであり、PoEスイッチはスイッチ自身にPoE機能が組み込まれています。

 

PoEの主な特徴は?

配線の簡素化

PoEを使用すると、データと電力を1本のLANケーブルで供給できるため、配線が簡素化されます。これにより、設置作業が迅速かつ効率的になります。

コスト削減

電源ケーブルが不要になるため、ケーブルの購入費用や敷設費用を削減できます。また、配線作業の手間も省けるため、トータルコストの削減が期待できます。

柔軟な設置場所

PoEは、電源コンセントのない場所でもデバイスを設置できるため、設置場所の自由度が高まります。これにより、監視カメラや無線アクセスポイントなどの設置場所の選択肢が広がります。

 

PoE規格の種類は?

IEEE 802.3af (PoE)

IEEE 802.3afは、初期のPoE規格で、1ポートあたり最大15.4Wの電力を供給できます。多くの小型デバイスに対応しています。

IEEE 802.3at (PoE+)

IEEE 802.3atは、PoEの拡張規格で、1ポートあたり最大30Wの電力を供給可能です。これにより、より高い消費電力を必要とするデバイスにも対応できます。

IEEE 802.3bt (PoE++)

IEEE 802.3btは、さらに高出力を実現する最新のPoE規格で、1ポートあたり最大60Wまたは90Wの電力を供給できます。これにより、大型ディスプレイや高性能無線アクセスポイントなどにも対応が可能となります。

 

PoEの使用例は?

IPカメラ

PoEは、監視カメラシステムに広く使用されています。電源コンセントのない場所でも設置可能なため、柔軟なカメラ配置が実現できます。

無線アクセスポイント

無線アクセスポイントもPoEを活用しています。これにより、天井や壁などの高所に簡単に設置でき、ケーブルの取り回しも容易になります。

VoIP電話

VoIP電話機もPoEに対応している場合が多く、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給が可能です。これにより、デスク周りの配線がスッキリします。

 

 

PoEで使用されるLANケーブルは?

カテゴリー5e (Cat5e)

Cat5eケーブルは、1000Mbpsまでのデータ通信に対応しており、PoEでも広く使用されています。コストパフォーマンスが高く、一般的な用途に適しています。

カテゴリー6 (Cat6)

Cat6ケーブルは、10Gbpsまでのデータ通信に対応しており、より高性能なPoEネットワークに適しています。ノイズ耐性も高く、信頼性が向上します。

カテゴリー6A (Cat6A)

Cat6Aケーブルは、Cat6よりもさらに高性能で、10Gbpsのデータ通信をより長距離でサポートします。PoE++などの高出力PoE規格に対応する場合に推奨されます。

 

PoEのメリット

配線の簡素化とコスト削減

PoEは、データ通信と電力供給を1本のケーブルで行うため、配線が簡素化され、コストを削減できます。特に、新規設置やレトロフィットの際に有効です。

設置の柔軟性

電源コンセントの位置に制約されないため、デバイスの設置場所が柔軟になります。これにより、最適な場所にデバイスを配置できるようになります。

信頼性の向上

PoE対応デバイスは、UPS(無停電電源装置)と組み合わせることで、電力供給の信頼性が向上します。これにより、重要なネットワークデバイスの稼働率が高まります。

 

PoEのデメリット

ケーブルの制約

PoEはケーブル長に制約があります。通常、100メートル以内の距離で使用されるため、長距離の配線には不向きです。また、高出力のPoEでは、より高品質なケーブルが必要となる場合があります。

コスト

PoE対応の機器は、通常の機器よりも高価です。また、PoEスイッチやインジェクターの導入コストも考慮する必要があります。特に、大規模なネットワークでは初期投資が大きくなることがあります。

熱の問題

高出力のPoEは、ケーブル内部で熱を発生させることがあります。これにより、ケーブルの寿命が短くなる可能性があるため、適切な放熱対策が必要です。

 

 

まとめ

PoEは、LANケーブルを使用してデータと電力を同時に供給する便利な技術です。配線の簡素化や設置の柔軟性、コスト削減といった多くのメリットがありますが、ケーブルの制約やコスト、熱の問題などのデメリットも考慮する必要があります。PoEを導入する際は、これらの利点と課題を十分に理解し、最適なソリューションを選択することが重要となります。

 

 
「2025年の崖」とは何か? 経済産業省のDXレポートが示す課題と解決策
一覧へ戻る
LANケーブルの種類が通信速度に与える影響とは?

関連記事