電気工事

2024.07.13

電気工事で知っておきたい!一次側と二次側の違いとその重要性

 

電気工事における一次側、二次側って何?

電気工事における「一次側」「二次側」という概念は、電力供給の流れを理解するうえで重要な用語です。一次側は、電力供給の最初の部分を指し、主に電力会社から送られてくる高圧電力が流れる部分です。送電線や変電所、変圧器などが一次側の代表的な要素です。

一次側では、まず高圧電力が供給され、それが適切な電圧に変換されることで、一般の家庭や商業施設で使用できるようになります。この変圧のプロセスが重要で、電力の安全かつ効率的な供給を支えるものです。

一方、二次側は、変圧された電力が家庭や事業所内に供給される部分を指します。二次側では、電力は低圧(日本では100Vまたは200V)となり、一般的な家庭用電気機器や照明器具、コンセントに供給されるための配線が行われます。このように、一次側と二次側は電力の供給において役割が異なり、両者の連携が電力インフラの基本を形成しています。

一次側と二次側の違い

 ・ 一次側は電力供給の起点であり、高圧電力が流れます。電力会社からの送電線や変電所が含まれます。

 ・ 二次側は、変圧された低圧電力が家庭や事業所に供給される部分です。コンセントや配線、照明器具が該当します。

このように、電力の流れがどのように家庭や事業所に届くかを理解するためには、一次側と二次側の区別を正確に理解することが不可欠です。

 

電気工事以外で一般的に言われる一次側、二次側って何があるの?

電気工事以外の分野でも「一次側」と「二次側」という用語は幅広く使用されており、特定の供給元と受け手という概念に応じて使われることがあります。以下では、いくつかの例を挙げてみます。

通信分野

通信の世界では、一次側は信号を送信する側、二次側は信号を受信する側として使われます。インターネット接続を例に取ると、プロバイダがインターネット接続を供給する側(一次側)であり、家庭内でそのインターネット接続を使用する部分が二次側にあたります。このように、通信の供給と受信の流れに応じて一次側、二次側が定義されます。

製造業

製造業における一次側と二次側の概念は、製品の製造プロセスの初期段階と最終段階を指すことが多いです。一次側は、原材料や部品の供給・加工の初期段階を指し、二次側はその加工を経て最終製品として市場に出荷される段階です。このように、供給元と最終製品の利用者を区別するために一次側と二次側という概念が使われています。

電子機器の電源系統

電子機器でも一次側と二次側の用語が用いられます。たとえば、パワーサプライ(電源装置)において、一次側はAC電源から供給される部分、二次側はDC電源に変換されて出力される部分を指します。家庭用の電気機器では、AC100VをDC12VやDC5Vなどに変換して内部回路に供給する仕組みがあり、ここで一次側と二次側が使用されます。

 

電気工事における一次側の種類って何があるの?

電気工事における一次側には、さまざまな種類があります。一次側は高圧電力を扱うため、安全性と効率性を確保するための多様な設備が存在します。以下では、代表的な一次側の種類を紹介します。

高圧電力配線

高圧電力配線は、電力会社から直接供給される高圧電力が通る配線のことです。一般家庭では直接使用できない高圧電力は、一次側で変圧される前に、工場や商業施設などで使用されることもあります。高圧電力は長距離の送電に適しており、大規模な施設に直接供給されることが多いです。

変圧器

変圧器は、高圧電力を低圧電力に変換する重要な機器です。一次側で供給された高圧電力を、家庭や商業施設で利用可能な電圧に変換する役割を持っています。変圧器がなければ、高圧電力はそのまま家庭内に送られるため、安全に使用することができません。したがって、変圧器は電力供給において非常に重要な役割を果たします。

変電所

変電所は、高圧電力の受け取りと変圧を行う主要な施設です。電力会社から送られてくる電力はまず変電所に入り、ここで適切な電圧に調整されます。変電所では、送電の効率を保つために高圧電力が扱われ、これを中圧または低圧に変換して各地域に分配します。

開閉器

開閉器は、一次側での電力の供給を管理するための重要な装置です。送電線に設置され、電力の供給と遮断を安全に行います。開閉器が正確に機能することで、事故や緊急時に電力の供給を停止し、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

電気工事における二次側の種類って何があるの?

二次側の工事には、家庭やオフィス内で使用される低圧電力を扱う配線や設備が含まれます。一次側で供給された電力が適切に変圧された後、二次側で最終的な電力の分配や使用が行われます。ここでは、二次側の代表的な種類を詳しく見ていきます。

低圧電力配線

低圧電力配線は、一般家庭や事業所で使用される100Vや200Vの電力を扱う配線です。低圧電力は、家庭内の各部屋や電気機器に供給されるため、配線の設計や設置が非常に重要です。正確な配線が行われないと、電圧降下や過負荷による火災などの危険性が高まります。

分電盤

分電盤は、家庭や事業所における電力の供給を管理する設備であり、電力を各回路に分配する役割を果たします。また、分電盤にはブレーカーが設置されており、過負荷や短絡が発生した場合に電力を遮断することで、火災や感電事故を防ぐ機能を持っています。

コンセント

コンセントは、二次側の電力供給の最終的な接続ポイントです。家電製品や電子機器が電力を使用するためのインターフェースであり、適切な設置と管理が求められます。特に大容量の電力を必要とする家電製品(エアコンやIH調理器など)のコンセントは、専用回路で供給されることが一般的です。

照明設備

照明設備は、二次側で供給される電力を利用して家庭やオフィスを照らす設備です。LEDや蛍光灯など、エネルギー効率の良い照明器具が普及しており、これらの設備も二次側で適切に管理されています。最近では、スマート照明といったIoT技術を利用した設備も登場しており、スマートフォンで照明を制御することが可能です。

 

 

一次側、二次側の作業を行うためにはどうすればいいの?

一次側と二次側の電気工事を行うには、特定の資格が必要です。特に一次側の工事では、高圧電力を扱うため、より高度な技術と専門知識が要求されます。ここでは、各作業に必要な資格や手順について詳しく解説します。

一次側の作業

一次側の作業を行うためには、第一種電気工事士または電気主任技術者の資格が必要です。一次側では高圧電力を扱うため、誤った操作が行われると大規模な停電や感電事故などの重大な事故につながる可能性があります。そのため、法的にも一次側の作業は高度な技術を持つ専門家にしか許可されていません。

二次側の作業

二次側の作業には、第二種電気工事士の資格が必要です。二次側の作業は主に家庭内やオフィス内の配線や機器の設置に関わるものであり、一次側に比べて低圧電力を扱いますが、それでも適切な知識と技術が求められます。特に分電盤や配線の設置は、細心の注意を払って作業を行わなければなりません。

資格取得の方法

これらの資格を取得するためには、国家試験に合格する必要があります。試験には筆記試験と実技試験があり、合格後に資格が付与されます。第一種電気工事士の場合、実務経験も必要となるため、資格取得後も一定の期間、現場での経験を積むことが求められます。

 

作業って自分でできるの?

一次側の作業は、一般の人が行うことはできません。 高圧電力を扱うため、法的にも厳格に資格が求められ、資格を持たない人が作業を行うことは禁止されています。一次側の工事は、専門知識を持つ資格者のみが許可された作業であり、これを無資格で行うと、重大な事故や法的責任を負うことになります。

一方で、二次側の作業は一部の範囲で自分でも行うことが可能です。例えば、家庭内のコンセントの交換や、照明器具の設置などの比較的簡単な作業はDIYとして行える場合があります。ただし、配線の追加や分電盤の操作、専用回路の設置などの高度な作業は専門知識が必要であり、資格を持たない者が行うことは推奨されません。

自分で作業を行う際には、必ず事前に作業内容を把握し、安全対策を徹底することが重要です。また、万が一のトラブルに備え、専門業者に相談することも考慮すべきです。

 

専門業者に依頼した方がいいの?

電気工事においては、一次側、二次側ともに専門業者に依頼することが最善です。 一次側は法的にも資格者以外の作業が禁止されており、一般の人が手を加えることはできません。高圧電力は非常に危険であり、正確かつ安全に作業を行うためには、資格と経験を持ったプロフェッショナルが必要です。

また、二次側の作業も、簡単な作業であればDIYが可能ですが、配線の設置や修理、分電盤の調整などは専門業者に依頼することが安全です。特に、分電盤の交換やコンセントの増設などの作業は、間違った施工が行われると火災や感電事故の原因となるため、専門的な知識を持つ電気工事士に依頼することが推奨されます。

 

専門業者に依頼する際に注意することは?

専門業者に依頼する際には、いくつかの注意点があります。適切な業者を選び、安全かつ確実な作業を依頼するためには、以下のポイントに注意してください。

資格と実績の確認

まず、依頼する業者が適切な資格を持っているか確認することが重要です。一次側の作業であれば第一種電気工事士、二次側であれば第二種電気工事士の資格が必要です。また、業者の実績や過去の作業内容についても確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

見積もりの取得と比較

次に、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することが推奨されます。作業内容や費用、使用する部品について詳細に説明を受け、納得のいく条件で依頼することが大切です。安すぎる業者は、作業品質に問題がある可能性があるため、適正な価格で信頼できる業者を選ぶことが重要です。

保証とアフターサービスの確認

最後に、工事後の保証やアフターサービスについても確認しておきましょう。電気工事は一度施工が完了しても、数ヶ月後や数年後に不具合が発生することがあります。その際に迅速に対応してもらえる業者を選ぶことで、長期的な安心感を得ることができます。

 

 

まとめ

電気工事における一次側と二次側の役割や作業内容について、詳細に解説しました。一次側は電力供給の始まりであり、高圧電力を扱うため、資格を持つ専門家による作業が不可欠です。二次側は家庭や事業所内での低圧電力の供給を担っており、一部の作業はDIYが可能ですが、基本的には専門業者に依頼することが推奨されます。

専門業者に依頼する際には、資格や実績、見積もり、保証などをしっかりと確認し、安全で信頼できる工事を依頼しましょう。電気工事は、日常生活やビジネスに不可欠な電力を支える重要な作業であり、その安全性と効率性を確保するために慎重な対応が求められます。

 

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