幹線 電気工事

2025.01.23

電気工事の幹線工事とは?“電力の大動脈”の仕組みと役割を解説

 

そもそも「幹線」とは?電気の“通り道”を理解しよう

建物における「幹線」とは、受電設備から各フロアや部屋へ電気を運ぶメインルートのことです
言い換えると、幹線は建物全体の電気の“動脈”であり、電力を効率よく安全に届けるための最重要インフラです

幹線は主に、電力会社から受けた高圧電気を分電盤へ運ぶ経路として機能します
ここから照明・コンセント・空調・通信設備などの各系統に分配され、私たちが日常的に使う電気を支えています
したがって幹線の設計や施工に不備があると、全館停電・電圧不安定・機器の誤作動などの深刻なトラブルが起こる可能性があります。

幹線を理解することは、電気工事の基本であり、建物全体の電気品質を守る第一歩です。

電気を運ぶ幹線と分電盤の関係

幹線と分電盤の関係は、「幹と枝」に例えるとわかりやすいです
幹線が建物全体に電気を運ぶ“太い幹”であるのに対し、分電盤はその電気を照明・コンセント・空調などに分ける“枝”の役割を担っています

幹線は受電点から主幹ブレーカーを経て、分電盤に電力を送ります。
分電盤では過電流保護や漏電遮断などの安全装置を通して、必要な電力を各部位へ分配します。
このとき、幹線のケーブル径・長さ・負荷分担が適切でなければ、電圧降下や発熱が発生します。

【幹線と分電盤の役割比較】

項目幹線分電盤
役割電力を建物全体に運ぶ各回路に分配する
主な構成ケーブル・ラック・管路ブレーカー・遮断器
トラブル時の影響範囲建物全体一部の系統のみ

 

幹線と分電盤の連携が正しく構築されていれば、電力の安定供給・安全性・省エネ性のすべてが確保されます。

家庭・オフィス・工場での幹線の役割

幹線は建物の種類によって、その設計思想や使用電力が大きく異なります
以下は主な用途別の特徴です。

【建物別 幹線の役割】

建物種類主な電気需要幹線の特徴
住宅(家庭)照明・家電・エアコン一般的なCVケーブルで短距離配線
オフィスビルパソコン・OA機器・空調・通信設備安定電圧とノイズ対策が重要
工場・倉庫機械・モーター・大型装置大電流対応・高耐熱・長距離配線

 

家庭では小規模な幹線で十分ですが、オフィスや工場では電力負荷が大きく、配線距離も長くなるため、設計段階から電圧降下の計算・ケーブル径の選定・絶縁対策が求められます。

特に工場では、モーター起動時の電流変動が大きいため、幹線に過負荷がかかりやすい傾向があります。
そのため幹線ルートの最適化と定期点検が欠かせません。

なぜ幹線工事が重要なのか?

幹線工事は、建物の安全性・信頼性・省エネ性を左右する根幹工事です
幹線が老朽化したり容量不足になったりすると、絶縁劣化・過熱・漏電・火災リスクが高まります

また、EV充電器や高出力空調などを新設する場合、既存の幹線では電力容量が不足するケースがあります。
このとき幹線を太いケーブルに交換し、電流の流れを最適化する「幹線改修工事」を行うことで、設備を安全に稼働させることができます。

幹線工事の重要性を軽視すると、トラブルの連鎖が起きます。
たとえば、

・ ブレーカーが頻繁に落ちる

・ 機器の動作が不安定になる

・ ケーブルが異常発熱する

といった問題が発生し、最悪の場合、停電や火災事故に発展します。

したがって幹線工事は、見えない場所の「安心」を守るための投資といえます
専門の電気工事士による点検・診断・リニューアルを定期的に行うことで、建物全体の電力インフラを健全に維持することが可能です

この項目では、幹線の基本概念とその役割、そして工事の重要性を理解していただきました。
幹線は普段見えない場所にありますが、建物を動かすための“命綱”として、常に安定した電力を届け続けています。

 

 


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電気工事はプロに任せるべき理由とは?

「突然、ブレーカーが落ちた」「コンセントが焦げている」「照明がチカチカする」──そんな電気のトラブル、意外と多くのご家庭やオフィスで起こっています。
しかし、これらのトラブルを自分で何とかしようとするのは非常に危険です。電気工事は国家資格が必要な作業であり、誤った対応は感電や火災の原因にもなりかねません。

また、以下のようなケースも電気工事の対象です。

・ コンセントやスイッチの増設や移設

・ 照明器具の交換やLED化工事

・ 漏電調査と対応

・ 分電盤やブレーカーの交換

・ エアコン専用回路の新設

こうした専門性の高い電気工事は、必ず資格を持つ業者に依頼することが鉄則です。

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さらに、トラブル内容を相談すれば、その場で概算見積を提示してくれるため、費用面でも安心です。

よくある電気工事のトラブル例と対応事例

1. コンセントが焦げている・熱を持っている

→ 原因:配線の接触不良や電力オーバー
→ 対応:配線の交換、コンセントの安全基準対応への交換

2. エアコン設置の際に電源が足りない

→ 原因:専用回路が未設置
→ 対応:分電盤から専用回路を新設し、安全に使用可能に

3. 築年数の古い住宅での漏電調査

→ 原因:経年劣化やシロアリによる断線
→ 対応:回路全体のチェック+絶縁工事を実施し再発防止

このように、住まいの電気に関するお悩みは「電気工事110番」ひとつで解決可能です。

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幹線工事が必要になる主なタイミング

幹線は長期間にわたり建物の電気を支える“基幹ライン”ですが、永続的に使用できるわけではありません
使用年数や電気需要の変化、設備更新などにより、幹線工事が必要になるタイミングが必ず訪れます

幹線の劣化や容量不足を放置すると、電圧降下・過熱・火災・絶縁劣化などのリスクが高まります
ここでは、幹線工事を検討すべき代表的な3つのケースを紹介します。

電気容量の増設(EV充電器・空調設備など)

近年、電気自動車(EV)充電器の導入や高性能空調設備・サーバー機器の設置などにより、電気の消費量が増えています
これらの新設備は従来よりも大きな電流を必要とするため、既存の幹線容量では対応できない場合があります

特に、築20年以上の建物では設計時点の電力想定が小さく、ブレーカーが頻繁に落ちる・機器が不安定に動作するといった現象が発生します。
これは、幹線ケーブルの太さ(断面積)や遮断器容量が不足している典型例です。

【電気容量増設が必要な主なケース】

設備導入例想定される幹線負荷必要な対策
EV充電器(6kW〜9kW)大電流が流れる幹線ケーブル径の見直し
高出力エアコン・ヒートポンプ起動時の突入電流が大きい主幹ブレーカー容量の増設
サーバーラック・通信機器常時高負荷運転回路の分割・幹線の二重化

 

このような増設工事では、電流値・ケーブル長・配線経路を再計算し、適切なCVケーブルやCVTケーブルを再選定することが重要です。
幹線の太さを増すだけでなく、電力バランスを全体で最適化する設計が求められます。

建物のリフォーム・用途変更時

幹線工事が必要になるもうひとつの大きなタイミングは、建物のリフォームや用途変更のときです
たとえば、住宅をオフィス・店舗・美容サロンなどに改装する場合、照明・機器・空調などの電気使用量が大きく変化します

このとき、既存の幹線をそのまま使い続けると、電力供給が不安定になったり、分電盤が過負荷状態になったりします。
特に、コンセントや照明の増設を伴う改修工事では、幹線ルートや分電盤配置も見直す必要があります。

【リフォーム時に幹線工事が必要となる例】

・ 住宅をオフィスに変更し、OA機器を多数設置する場合

・ 店舗リニューアルで照明や音響設備を増設する場合

・ 工場や倉庫を用途転換し、高出力機械を導入する場合

幹線の再設計により、安全性・省エネ性能・電力供給の安定化を同時に実現できます。
また、近年ではリフォーム補助金や省エネ改修補助金の対象となる場合もあり、コストを抑えてインフラを更新できるケースも増えています。

老朽化や絶縁劣化の兆候があるとき

幹線は長期間使用するうちに、被覆(絶縁体)の劣化や導体の酸化が進行します
特に、温度・湿気・経年振動の影響を受けやすい場所(天井裏・シャフト・機械室など)では、絶縁抵抗値が低下し、漏電リスクが高まります

以下のような症状が現れたら、幹線リニューアルを検討しましょう。

【幹線老朽化の代表的サイン】

・ ケーブルの表面が変色、硬化、ひび割れしている

・ 分電盤周辺で焦げ臭いにおいや異音がある

・ 絶縁抵抗試験の値が基準値を下回る

・ 通電時にケーブルが異常発熱している

これらは絶縁劣化や端子緩み・負荷過多のサインであり、放置するとショート・発火・停電につながります。
幹線を新しいCVTケーブルやEM-EEFケーブルに更新すれば、電気抵抗が低下して電圧降下が改善し、結果的に節電効果や機器寿命の延長も期待できます。

老朽化対応の幹線工事は、安全確保とエネルギー効率化を両立できるリニューアル投資といえます

このように、幹線工事は単なる「電線の交換」ではなく、建物の電力インフラ全体を再設計する重要な工程です。
定期的な点検と早めの対策を行うことで、電気の安定供給と安全性を長期的に維持することができます

 

 

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工場の電気設備を総点検!基礎から最新の改善策まで徹底解説!

 

幹線ケーブルと配線ルートの基本

幹線工事を安全かつ確実に行うためには、「どんなケーブルを使い、どのルートで電気を通すか」を正しく理解することが重要です。
幹線ケーブルの選定や配線ルートの設計を誤ると、電圧降下・発熱・絶縁不良・施工トラブルの原因になります

ここでは、電気工事でよく使われる代表的な幹線ケーブルの種類と特徴、そして効率的な配線ルート設計のポイントについて詳しく解説します。

代表的なケーブル種類とその特徴

幹線に使用されるケーブルは、電流容量・設置環境・耐久性・施工性などによって適切に選定されます
以下に、一般的に使われる代表的な幹線ケーブルをまとめます。

【代表的な幹線ケーブルの種類と特徴】

ケーブル種類主な特徴使用用途
CVケーブル絶縁性能が高く、屋内幹線に広く使用される。柔軟性と施工性に優れる。住宅・小規模オフィスの分電盤接続など
CVTケーブル複数芯をより合わせており、大電流対応。耐熱・耐圧性能が高い。工場・商業施設・高層ビルなど
EM-EEFケーブル難燃性・環境配慮型。絶縁体が柔らかく取り回しやすい。オフィス・住宅リフォームなど
IV線短距離配線や制御盤内部に使用。被覆が薄く小型設備向け。分電盤内部・制御機器配線など

 

幹線ケーブルを選ぶ際は、「電流容量」「ケーブル長」「環境条件(温度・湿度・配管径)」を総合的に考慮します。
特に、高負荷設備を多く扱う工場や商業施設では、CVTケーブルのような大電流対応型が選ばれることが一般的です。

また、ケーブル被覆には絶縁体の種類(ポリエチレン・架橋ポリエチレンなど)があり、これが耐熱温度・電圧耐性・曲げ強度を左右します。
適切な選定によって、長寿命で安全な幹線インフラを実現できます

配線ルートの決め方と施工手順

幹線の配線ルートは、建物構造・機械配置・点検性を踏まえて設計します
最も重要なのは、安全性・保守性・施工効率の3要素をバランス良く確保することです

【幹線ルート設計の基本ポイント】

1. 受電盤から分電盤までの最短ルートを選ぶ(電圧降下を防止)

2. 高温・多湿・振動の多い場所を避ける(絶縁劣化防止)

3. メンテナンススペースを確保する(将来の改修を容易に)

4. 電力線と弱電線(通信線)は分離配線(ノイズ干渉を防止)

5. ケーブルラック・配管・モールなど適切な支持材を使用する

施工の流れとしては、次のような工程で進みます。

【幹線配線工事の一般的な流れ】

工程内容目的
1. ルート設計図面を基に経路を計画最短・安全経路の決定
2. 配管・ラック施工ケーブルを通すルートを整備機械的保護と点検性確保
3. ケーブル敷設ケーブルを引き込み固定絶縁損傷を防ぐ
4. 結線・絶縁試験端子接続と電気試験を実施電気的安全性を確認
5. 通電・検査実負荷運転で確認発熱・電圧降下の確認

 

特に注意が必要なのは、ケーブルの曲げ半径と固定間隔です。
過度に曲げたり、固定が不十分だったりすると、導体や被覆の損傷・電流抵抗の増加につながります。
このため、施工現場では電気工事士法に基づく施工基準を厳格に守ることが求められます。

天井裏・床下・シャフト内の施工事例

幹線の配線ルートは、建物の構造や設備構成によって異なります。
代表的な施工方法を以下に紹介します。

【幹線配線の主要ルート事例】

・ 天井裏配線:オフィスや商業施設で一般的。ケーブルラックを設置して、美観を損なわずに施工可能。

・ 床下配線(OAフロア):オフィス、学校、データセンターなどで採用。メンテナンス性が高く、改修も容易。

・ 縦シャフト内配線:高層ビルやマンションで必須。電気、通信、給排水設備が集約される垂直配線ルート。

これらのルート設計では、防火区画の貫通処理や防水対策も重要です
特に天井裏やシャフト内では、湿度・埃・温度上昇の影響を受けやすいため、ケーブル被覆の選定や固定方法を工夫する必要があります

さらに、最近ではBIM(Building Information Modeling)や3Dスキャン技術を活用して、配線ルートをデジタルで事前検証するケースも増えています。
これにより、施工前に干渉・経路ミス・スペース不足を防ぎ、安全かつ効率的な幹線工事を実現できます。

幹線ケーブルの選定と配線ルート設計は、見た目には地味ですが、電気インフラの品質を決定づける最も重要な工程です。
適切なルート設計と確実な施工によって、電力損失を最小化し、長期にわたり安定した電気供給が可能になります

 


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幹線工事でよくあるトラブルと防止策

どんなに丁寧に設計しても、幹線工事には人為的ミスや想定外のトラブルがつきものです
特に幹線は高電流・高電圧を扱う設備であるため、施工不良や確認不足が原因で重大事故や設備停止に発展することがあります

ここでは、実際の現場で多く見られる代表的なトラブル事例と、それを未然に防ぐためのチェックポイントと対策方法を詳しく解説します。

誤配線・電圧降下・発熱トラブル

幹線工事で最も多いのが、誤配線・電圧降下・発熱に関するトラブルです
いずれも電気供給の安定性や安全性を損なうため、初期段階でのミス防止と施工後の確認試験が重要です。

【幹線工事で発生しやすいトラブルと原因】

トラブル内容主な原因想定される影響
誤配線結線ミス・ラベル誤記・配線図との不一致短絡(ショート)・機器損傷・停電
電圧降下ケーブル径不足・配線距離過多機器の誤作動・照明のちらつき
発熱・焼損負荷超過・端子緩み・圧着不良絶縁劣化・火災・設備停止

 

誤配線は、作業者間での配線ラベルや端子番号の伝達ミスで起こることが多いです。
また、電圧降下はケーブル径の選定ミスによって発生しやすく、距離が長い幹線では特に注意が必要です。

さらに、端子の締付トルクが不足すると、電流抵抗が増えて異常発熱を引き起こすことがあります。
これは「ゆるみ発熱」と呼ばれ、時間経過とともに絶縁体の劣化・端子焼損へつながる危険な症状です。

こうしたトラブルを防ぐには、設計段階での負荷計算・ケーブル径の適正化・二重チェック体制が欠かせません

施工ミスを防ぐチェックポイント

幹線工事では、「確認作業をどれだけ丁寧に行うか」が品質を大きく左右します
現場でのチェック体制の徹底が、トラブルの未然防止に直結します。

【幹線工事におけるチェックポイント】

1. 配線図と現場配線の一致確認(設計と実施工の整合性)

2. 結線箇所のトルク管理(端子ゆるみ防止)

3. 絶縁抵抗試験・導通試験の実施(漏電・断線確認)

4. 電圧降下・温度上昇試験の実施(負荷試験による安全性評価)

5. 配線ルート・防火区画の確認(耐熱・防火性能の維持)

6. ケーブルラベル・端子番号の明確化(誤接続の防止)

また、チェックは「施工者本人」+「第三者によるダブルチェック」が理想です
特に幹線のような大規模電気設備では、施工完了後に別担当が試験・検査を行う体制を整えることで、安全性が格段に向上します

さらに、近年では赤外線サーモグラフィーによる温度診断も有効です。
通電時に異常発熱している箇所を可視化できるため、締付不良や電流偏りを早期に発見できます。

信頼できる電気工事業者の選び方

幹線工事の品質を左右する最大の要素は、施工を担当する電気工事業者の技術力と管理体制です
資格や実績を持たない業者に依頼すると、安全基準を満たさない配線・絶縁不良・検査漏れなどのリスクが高まります

信頼できる業者を選ぶためのポイントは以下の通りです。

【信頼できる電気工事業者を見極めるチェック項目】

確認項目内容
資格保有第一種または第二種電気工事士、電気主任技術者などの有資格者が在籍しているか
施工実績幹線工事・分電盤更新・高圧受電設備などの経験が豊富か
品質管理体制試験記録・検査報告書・安全書類を適正に管理しているか
アフターサポート点検・修繕・更新まで一貫対応できるか
見積・設計の透明性コスト内訳や使用部材が明示されているか

 

また、見積段階での現地調査の丁寧さも重要な判断基準です
現場状況を正確に把握しないまま見積を出す業者は、後から追加費用が発生するケースが多いため注意が必要です。

信頼できる業者は、施工前にリスクや改善提案を明確に説明し、施工後の保証体制もしっかりしているものです
幹線工事のような基幹インフラを扱う工事では、価格だけで選ばず、「安全性と信頼性」を最優先にすることが大切です。

幹線工事におけるトラブルの多くは、施工品質と管理体制の不足から発生します。
しかし、正しい手順と確認を徹底すれば、長期にわたって安定した電気供給を維持することが可能です。
「見えない場所こそ丁寧に」

それが幹線工事の鉄則です

 

 

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オフィスの電気工事完全ガイド|移転・新設で失敗しない配線・照明

 

幹線リニューアルのポイントと費用目安

幹線は長期間にわたり建物の電力を支える「電気の基幹ライン」ですが、永遠に使い続けられるわけではありません
年月の経過とともに絶縁劣化や端子の腐食、電圧ロスの増加などが進行し、電気の安定供給に支障をきたします
そのため、定期的な幹線リニューアル(更新工事)は、建物全体の安全性と電力効率を維持する上で欠かせません

ここでは、幹線を更新するタイミングの見極め方・費用相場・補助金や節電効果など、計画時に押さえておくべき実践ポイントを詳しく解説します。

更新時期の見極め方

幹線ケーブルの寿命は、一般的に20〜30年が目安とされています。
しかし、実際の使用環境や負荷状況によって寿命は前後します。
特に、高温・多湿・振動・粉塵といった過酷な環境では、絶縁材の劣化や導体の酸化が早く進行します。

以下のような兆候が見られたら、幹線更新を検討するサインです。

【幹線更新の必要サイン】

・ 分電盤付近で焦げ臭いにおいや異音がする

・ ケーブル被覆が変色、硬化、ひび割れしている

・ 通電中に異常発熱や電圧低下が確認される

・ 絶縁抵抗試験の数値が基準値(1MΩ以下)を下回る

また、幹線リニューアルは単なる交換作業ではなく、現状負荷+将来の電力需要を見越した設計が重要です
例えば、将来的にEV充電設備やIoT機器、太陽光発電システムを導入する可能性があるなら、それを見据えて幹線容量を確保しておくことで、二度手間の工事を防げるのです

工事費用の相場(配線距離・ケーブル径で変動)

幹線リニューアルにかかる費用は、配線距離・ケーブル径・建物構造・施工難易度によって大きく異なります
一般的な相場を以下の表にまとめました。

【幹線リニューアル工事の費用目安(税込)】

規模・条件配線距離の目安ケーブル仕様概算費用
小規模住宅・店舗10〜20mCVケーブル 14sq〜22sq約¥150,000〜¥300,000
中規模オフィス50〜100mCVTケーブル 38sq〜60sq約¥400,000〜¥800,000
工場・倉庫など大規模施設100〜300m以上CVTケーブル 100sq〜250sq約¥1,000,000〜¥3,000,000

 

費用に影響する主な要素は以下の通りです。

【幹線リニューアルのコストを左右する要素】

・ ケーブル径が太くなるほど材料費が上昇する

・ 配線距離が長くなるほど施工工数と人件費が増加する

・ 天井裏、シャフト、地下配管経路など、施工環境が複雑な場合は追加費用が発生

・ 受変電設備や分電盤の更新を同時に行うと費用は上がるが、長期的な保守コスト削減につながる

また、リニューアル時には絶縁抵抗試験・導通試験・通電検査などの試験費用が別途必要です。
これらは工事完了後の安全性保証と施工品質の証明として非常に重要です。

補助金・節電効果などのメリット

幹線を最新仕様にリニューアルすることで、省エネ効果・安全性・設備効率が大幅に向上します
特に、抵抗値の低いケーブルを採用することで電力損失が減少し、結果的に電気料金の削減につながります。

さらに、環境配慮型の幹線更新工事は、国や自治体の省エネ改修補助金・中小企業省エネ投資促進事業費補助金などの対象になることがあります。

【幹線リニューアルで得られる主なメリット】

項目内容
電気効率の改善電圧降下・電流ロスの低減による電気代削減
安全性の向上絶縁不良・過熱トラブルの防止
保守コストの削減長寿命ケーブル採用で点検頻度を低減
環境性能アップ低損失・難燃ケーブルでCO₂排出削減
補助金活用省エネ設備更新支援制度の対象となる場合あり

 

特に、工場・事業所・公共施設など大規模建物では、幹線更新後の年間電力コスト削減率が5〜10%に達するケースもあります。
加えて、電気品質の安定化により、OA機器・サーバー・制御装置の寿命延長という副次的な効果も期待できます。

幹線リニューアルは、「古い配線を交換する工事」ではなく、建物の電力インフラを最適化する再構築プロジェクトです
更新を計画する際は、信頼できる電気工事業者による調査・負荷計算・将来設計を行い、安全性と経済性の両立を図ることが大切です

 


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まとめ|幹線工事を通して安全で効率的な電気環境を整えよう

幹線工事は、普段目にすることのない建物の「電気の背骨」を支える非常に重要な工事です
受電盤から分電盤、そして各設備へと電気を送り届けるこのルートが、建物の安全性・快適性・省エネ性を決定づけます

幹線が老朽化したり容量不足になったりすると、電圧降下・漏電・過熱・火災リスクなどの深刻なトラブルが発生します。
そのため、定期点検と適切なタイミングでの幹線リニューアルが、建物全体の電力品質を守る鍵となります。

幹線工事は「見えない投資」ではありますが、確実に建物価値を高めるインフラ更新です
安全な電気環境を維持することで、企業や家庭の安心感はもちろん、長期的なコスト削減と省エネ効果も期待できます

幹線を理解することで建物全体の信頼性が上がる

幹線を正しく理解することは、電気設備の健全性を維持する第一歩です
多くの人が気づかない部分ですが、幹線の状態ひとつで、照明の安定性・空調の効率・通信機器の動作までも左右されます

たとえば、幹線のケーブル径が細すぎると電圧降下が起こり、照明がちらついたり、OA機器の誤作動を招いたりします。
逆に、適切なケーブルとルート設計を行えば、電気のロスを最小限に抑え、設備全体の信頼性が向上します。

さらに、幹線工事を通して分電盤やブレーカーの見直し・老朽化機器の更新も同時に行うことで、建物全体の電気環境を総合的に改善できます。
つまり幹線は、単なる「配線」ではなく、建物の生命線としての“品質保証”の役割を果たしているのです

プロに相談する前に押さえるべき3つのポイント

幹線工事やリニューアルを検討する際には、専門業者に依頼する前に、自分でも基本的なポイントを整理しておくことが大切です。

【幹線工事を検討する前に確認すべき3つのポイント】

1. 現在の電気使用量と将来の増設計画を把握する
  (例:EV充電設備・空調機器・IoT機器導入など)

2. 建物の築年数と幹線の使用期間を確認する
  (20年以上経過していれば絶縁劣化の可能性あり)

3. 信頼できる電気工事業者を比較検討する
  (資格・実績・施工報告書の有無を確認)

この3点を押さえたうえで、電気工事士による現地調査と負荷計算を依頼すれば、より正確な診断と安全な工事計画を立てられます。
また、工事の見積時には材料費・人件費・試験費用の内訳を確認し、透明性のある業者選びを心がけましょう。

幹線工事は、見えないところで建物の電気を守り続ける「縁の下の力持ち」です
適切な設計・施工・点検を行えば、10年、20年先まで安定した電気供給を維持できます

これからの時代、EV化・省エネ化・スマートビル化が進む中で、幹線の重要性はますます高まっています。
だからこそ今こそ、自分の建物の“電気の通り道”を見直すことが、未来の安心をつくる第一歩なのです。

幹線は建物の“見えない生命線”です
もし築20年以上が経過しているなら、一度専門業者による絶縁抵抗測定やケーブル劣化診断を受けてみましょう
それが、これからの安心と安全を守る最初の一歩です。

 


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