経理 電気工事

2024.08.12

電気工事はどこまで経費にできる?費用区分と節税の判断基準を解説

 

電気工事の経費とは?まずは基本から理解しよう

電気工事を事業の経費として計上するためには、工事内容が事業に必要であるかどうか、そして費用が「修繕費」か「資本的支出」のどちらに該当するかを正しく判断することが重要です
特に、照明の交換やLANケーブルの増設、エアコン修理などは事務所運営に欠かせない工事であり、多くの場合で経費にできます。
しかし、工事の規模や内容によっては、支払った年に全額経費にできないケースもあるため、税務上のルールを理解しておくことが欠かせません
ここでは、経費として認められる基準から、電気工事の種類、そして「修繕費」と「資本的支出」の違いまでを体系的に整理して解説します。

経費として認められる条件

電気工事が経費として認められるかどうかは、「事業との関連性」、「支出の必要性」、「工事内容の具体性」の3点が大きな判断基準となります

電気工事の費用が経費として認められる最も重要なポイントは、事業に直接必要な工事であることです
例えば、事務所の照明が暗く従業員が作業しにくい場合のLED交換や、オンライン会議が安定しないために行うLAN配線工事などは、事業継続に必要な工事として経費化できます。

また、工事内容が領収書に明記されているかどうかも重要です
税務調査では、「電気工事一式」のように曖昧な記載は認められにくく、工事内容・部材費・作業費を明確に記載した証憑が必要です。
電気工事業者に依頼する際は、「照明交換」「配線増設」「スイッチ交換」など、できるだけ詳細な記載をお願いしましょう

最後に、工事が原状回復のための工事か、それとも設備価値の向上につながる工事かによって、経費にできるかどうかの判断が変わる点も押さえておくべきです。

経費にできる電気工事の種類一覧

電気工事には多くの種類がありますが、事業用として利用している設備の維持・改善が目的の工事は、幅広く経費として認められます
以下に、特に経費化しやすい工事を一覧として整理します。

【経費として認められやすい電気工事】

工事の種類内容経費として認められやすい理由
照明交換(LED化など)電球交換や器具の同等品交換原状回復・省エネ目的で事業継続に必要
LANケーブル増設オフィス内のネットワーク強化業務効率改善につながるため
スイッチ・コンセント交換老朽化した部材の交換安全性確保・性能維持のため
エアコン修理不具合の修理や部品交換設備の維持・機能回復が目的
分電盤の点検・補修設備の不具合改善事業運営に必要な電源維持

 

このような工事は、「設備の維持・運用に必要な範囲」と判断されるため、修繕費として全額経費にできるケースが多くなります。

ただし、同じ工事でも規模や範囲が変わると扱いが大きく変わる点には注意が必要です。
例えば、照明器具の「交換」は経費になりやすいものの、照明レイアウトごと大幅に変更する場合は資本的支出になる可能性があります。

「修繕費」と「資本的支出」の違いをわかりやすく整理

電気工事の経費処理で最も重要なポイントが、修繕費か資本的支出のどちらに該当するかです
この区分を誤ると、税務調査で修正を求められる可能性があるため、事前の理解が欠かせません

修繕費とは設備の維持管理や現状回復を目的とした工事であり、支払った年に全額経費として計上できます。
たとえば、

・ 照明のLED化(器具が同等品)
・ LANケーブルの交換
・ エアコン修理
・ ブレーカーの交換

などが該当します。

資本的支出とは
設備の価値を高める工事、機能を向上させる工事、大規模な更新工事が該当し、減価償却で分割計上が必要です。
例としては、

・ 照明器具の大幅な総入れ替え
・ 10Gbps対応のネットワーク設備への全面刷新
・ 事務所の電気配線の総リニューアル

などがあります。

判断のポイントは次の3点です。

【修繕費か資本的支出かの判断基準】

・ 工事が「原状回復」か「機能向上」か
・ 工事金額が高額(100万円超など)かどうか
・ 工事により耐用年数が延びたかどうか

明確に線引きできないケースも多いため、迷った場合は工事業者に見積書へ詳細を記載してもらうことで判断しやすくなります

 

 


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電気工事ごとの経費処理ルール

前章では、電気工事が経費として認められる基本条件や「修繕費」と「資本的支出」の違いを整理しました。
ここからは、より実務的な視点として、工事の種類別にどのように経費処理すべきかを詳しく解説します。
電気工事と一口に言っても、照明・LAN・エアコン・分電盤など工事の種類は多岐にわたり、それぞれで経費処理の判断基準が大きく変わります
判断を誤ると、本来は全額経費にできた工事を減価償却してしまったり、逆に修繕費として処理して税務指摘を受けるリスクもあるため、正しい区分を理解することが重要です

以下では、事業者がよく実施する主要な電気工事について、税務上の扱い・経費として認められるライン・注意すべきケースを体系的にまとめます。

照明工事(LED交換など)はどこまで経費?

照明工事は、もっとも経費処理に関する質問が多い工事のひとつです
特にLED交換は、企業の省エネ対策や作業効率改善のために実施される場面が多く、頻度の高い工事といえます。

まず基本として、照明の球交換や同等品への器具交換は修繕費として全額経費化できます
これは、照明設備の機能維持を目的とした工事であり、設備価値の向上には該当しないためです。

しかし、以下のようなケースでは注意が必要です。

【経費にならない可能性がある照明工事】

・ 照明器具を全く別のタイプに変更する
・ 事務所内の照明配置を大きく変更する
・ 大規模なLED化で耐用年数が延びると判断される
・ 100万円以上の工事で資産計上が相当と判断される

これらは、設備の価値向上(資本的支出) と判断され、減価償却が必要となる場合があります。

ただし、照明工事は領収書の書き方次第で区分が変わるケースが非常に多く、「照明器具交換(同等品)/原状回復のため」など明確に記載されていれば修繕費として認められやすくなります。

照明工事は税務調査でも指摘されやすい項目のため、工事内容を細かく証憑化しておくことが非常に重要です

LAN工事・ネットワーク設備は経費になる?

昨今の事業環境では、オンライン会議、クラウド業務、データ共有など、ネットワーク設備の重要度が高まっています
LAN配線工事やネットワーク機器の調整は事務所の運営に直結しているため、経費として認められやすい工事のひとつです

例えば、

・ LANケーブル交換
・ 配線の追加や調整
・ スイッチングハブの小規模交換
・ ネットワーク障害の修理

などは、原状維持・機能回復と判断され、修繕費として全額経費化できます。

ただし、以下のケースは資本的支出とみなされる可能性が高まります。

【LAN工事が資本的支出になるケース】

工事内容資本的支出となる理由
1Gbpsから10Gbpsへの全面リニューアル明確な性能向上があるため
ネットワーク機器を一式新調設備価値が上昇するため
事務所全体のLAN配線を全面改修大規模な設備改善と判断される

 

LAN工事は、原状回復か機能向上かの判断が最も重要です
特に、業務効率改善のための工事であっても、性能向上が大きいと資本的支出扱いになるため、工事内容は可能な限り具体的に記録しておきましょう。

100万円超の工事は減価償却?一括償却?

電気工事の費用が高額(おおむね100万円を超える規模)になる場合、工事内容が設備の性能向上や価値の増加につながるケースが多いため、資本的支出として資産計上し、減価償却で経費化すべき判断となる可能性が高まります
100万円を超えたからといって自動的に資産計上になるわけではなく、あくまで工事の性質が「修繕費」に該当するのか「資本的支出」に該当するのかによって判断されます。

ただし、中小企業や個人事業主には例外となる特例も用意されています。

【活用できる可能性がある税制特例】

・ 一括償却資産(30万円未満)
・ 少額減価償却資産の特例
・ 中小企業経営強化税制(即時償却)

特に決算前の工事では、修繕費にできる範囲を正確に把握することが節税の効果を大きく左右します。
工事内容と金額が微妙なラインの場合は、税理士と相談しながら工事計画を進めることが重要です

エアコン工事の経費区分(設備・修繕・備品)

エアコン工事は、電気工事の中でも特に取り扱いが複雑な分野です
「修理なのか」「新規導入なのか」「備品扱いが可能なのか」など、判断ポイントが多いため、あらかじめ区分を理解しておく必要があります。

【エアコン工事の経費区分まとめ】

工事内容区分経費処理
故障修理修繕費全額経費
室外機の交換修繕費全額経費
新規導入設備減価償却
小型エアコン(低価格帯)備品30万円未満なら一括償却可能

 

特に注意すべきなのは、事務所と自宅が併用の場合の按分処理です。
家庭のリビング用エアコンを交換しても、事業利用割合が低い場合は経費化できる金額も減ります。
一方、事業専用スペースのエアコンであれば、工事の全額を経費として扱えるケースが多くなります。

エアコン工事は金額が大きくなりやすいため、修繕費として全額経費にできるかどうかが節税の成否を左右します
工事前に、工事内容を明確に分類してもらうことが非常に重要です

 

 

リフォームにおける配線工事について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

リフォームの配線工事を完全ガイド!失敗しない基礎知識と注意点

 

個人事業主と法人で異なる「経費計上ライン」

電気工事の経費処理は、工事内容だけでなく「事業主体が個人事業主か、法人か」によっても判断基準が大きく変わります
前章では工事の種類別に「修繕費」「資本的支出」を区別する視点を解説しましたが、ここではさらに一歩踏み込み、個人事業主・法人それぞれの経費計上ラインの違いを整理します。

個人事業主の場合、事務所の規模や利用状況によって経費割合が複雑になりやすく、特に自宅兼事務所では按分計算が必須になるケースがほとんどです
一方、法人の場合はすべてのスペースが事業用途であるため、電気工事の経費化の幅が広がり、処理が比較的明確になります

この章では、「按分の必要性」「法人工事の例」「領収書の注意点」まで、実務レベルで役立つポイントを具体的に解説します。

家庭兼事務所の電気工事は按分が必要?

個人事業主が最も注意すべき点が、自宅と事務所が併用の場合の電気工事の按分です
電気工事が事業に必要であっても、プライベート空間にも影響がある場合、その全額を経費にすることはできません。

たとえば、以下のようなケースが典型例です。

【自宅兼事務所で按分が必要なケース】

工事内容按分が必要となる理由
リビングの照明交換家庭利用と事業利用が混在
自宅全体のLAN再配線プライベート利用部分も含まれる
家全体の分電盤交換全体が生活空間と事務空間を兼ねる

 

按分比率の決め方は、

・ 事業に使用している部屋の面積割合
・ 時間割合(業務利用時間)
・ 専用機器の有無

などをもとに判断します。

たとえば、自宅20畳のうち4畳を事務所として使っている場合、工事費の20%が経費計上できるラインという算定になります。

ただし、ケースによっては 工事の全額を経費計上できる場合もあります。

【按分不要=全額経費にできるケース】

・ 事務スペース専用の照明交換
・ 事務部屋専用エアコンの修理
・ 事務用LAN配線の増強工事

このように、事業専用と明確に証明できる設備の工事は按分不要で、個人事業主でも全額経費化が可能です
工事前に業者へ「どの部屋の工事か」「事業専用か」を伝え、領収書へ明確に記載してもらうことが重要です。

法人での会議室・事務所工事の扱い

法人の場合、自宅兼事務所のような按分計算は不要で、事務所・会議室・倉庫・休憩スペースなど会社が使用するすべての場所は「事業用途」として扱われます
そのため、電気工事の経費処理では 「修繕費」か「資本的支出」かの判定が中心 となり、判断基準も比較的シンプルです

法人で実施されることが多い電気工事は次のとおりです。

【法人で多い電気工事と経費処理】

工事内容経費処理の分類
会議室の照明修理修繕費(全額経費)
LAN配線の軽微な追加修繕費(全額経費)※
オフィスレイアウト変更を伴う電気工事修繕費 or 資本的支出
OAフロア配線の整理修繕費

 

※LAN配線の追加であっても、高速化・容量拡大など性能向上が明確な場合は資本的支出となる可能性あり。

判断が揺れやすい「オフィスレイアウト変更工事」

修繕費となりやすい工事(原状維持・利便性向上)

・ 配線整理
・ 照明の位置変更
・ 小規模なスイッチ交換
・ LANの軽微な増設

これらは 業務効率化の範囲内 と判断されることが多く、修繕費扱いとなりやすい工事です。

資本的支出になりやすい工事(性能向上・価値増加)

・ 電源容量を大幅に増設する
・ 照明を全面LED化する
・ LAN配線をCat5e → Cat6A(または10Gbps対応)へ全面更新
・ 床下や天井の配線ルートを根本から刷新する

これらは 価値の増加・性能の向上・耐用年数の延長 に該当し、資本的支出として資産計上になる可能性が高まります。

また、法人では数十万円〜数百万円規模の工事が発生するため、経費処理を誤ると影響額が大きくなります
そのため、工事の目的(原状回復か性能向上か)を明確にしておくことが重要です

特に以下のような記載があると税務署への説明がスムーズになります。

・ 原状回復のための照明交換
・ 業務効率化のための配線整理
・ 老朽化に伴うスイッチ交換
・ 安全確保のための分岐回路修繕

工事の意図が書面で説明できれば、修繕費として認められやすくなります。

電気工事の領収書で気をつけるポイント

個人事業主・法人に関わらず、電気工事の経費処理で非常に重要なのが「領収書の内容」です
どれほど事業に必要な工事であっても、領収書の記載が曖昧だと、税務調査で経費として認められにくくなります。

具体的に、領収書に記載すべき必須事項は次のとおりです。

【領収書に絶対書いてもらうべき項目】

・ 工事の具体的内容(例:LED照明交換/LAN配線増設)
・ 材料費と作業費の内訳
・ 施工場所(どの部屋か)
・ 施工日または工期
・ 数量と単価

特に注意が必要なのが、よく見られる「電気工事一式」の表記です
これは税務上もっとも疑われる記載で、修繕費として認められにくい典型例です

必ず業者に依頼して以下のように記載してもらいましょう。

例:
・ 「会議室のLED器具交換(同等品)」
・ 「事務机増設に伴うLANケーブル10m増設」
・ 「事務所エアコン室外機修理(部品交換)」

このように具体的な記載があれば、修繕費として認められる可能性が非常に高くなります。

 


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電気工事の経費で節税するポイント

前章では、電気工事を経費として計上する際の判断基準や、個人事業主と法人で異なる経費処理のラインについて整理しました。
本章ではさらに踏み込み、「電気工事を活用して節税効果を最大化するための実践的なポイント」を解説します。

照明・LAN・エアコン工事は、事業運営に欠かせないだけでなく、税務上も優遇されやすい領域です
適切に計画すれば設備改善と節税効果の両立が可能になります

電気工事の経費を最大限に活用するためには、次の複数施策を組み合わせることが重要です。

・ 補助金や助成金の併用
・ 少額減価償却資産の特例(30万円未満)
・ 中小企業経営強化税制(即時償却)
・ 決算前の修繕計画

ここからは、工事内容に応じてどのように節税につなげるかを、具体的な例を交えて解説します。

補助金・助成金を併用して工事費を大幅に削減する

電気工事は、国・自治体が支援対象としやすい分野のため補助金との相性が非常に良いのが特徴です
特に「省エネ化」「ネットワーク強化」「業務効率化」を目的とした工事は採択されやすく、経費化と併用することで実質負担を大きく下げられます。

【電気工事で利用しやすい補助金の例】

補助金名対応工事特徴
省エネ補助金LED化・空調改善省エネ効果が高いほど優先度が上がる
IT導入補助金LAN設備・ネットワーク更新ハード+ソフト導入で申請可能
事業再構築補助金大規模改修・設備更新最大2/3〜3/4の補助率もある大型制度
自治体の省エネ助成LED更新・空調入替地域独自の支援が豊富

 

補助額は制度によって異なりますが、補助率1/3〜3/4 など高額採択が可能な制度も存在します。

補助金利用時の注意点

・ 申請前に工事を開始すると対象外(よくある失敗)
・ 写真、図面、領収書など証憑が多い
・ 採択後の工程管理が必要
・ 公募期間や条件が毎年変わる

そのため、「補助金を使う前提」で工事時期を計画することが重要です。

即時償却・30万円未満の特例で当期の経費を最大化

電気工事の節税で特に効果が大きいのが、次の2つです。

1. 少額減価償却資産(30万円未満)

中小企業者等(資本金1億円以下・個人事業主)は、1点30万円未満・年間300万円までなら全額即時経費化が可能です。

対象例:

・ 小型エアコン
・ スイッチングハブ
・ 無線AP
・ LED照明器具

※工事費部分(作業費)は別途「修繕費」扱いになるケースが多い。

2. 中小企業経営強化税制(即時償却)

・ 生産性向上に資する設備が対象
・ 「経営力向上計画」の認定が必要
・ 認定後の購入や導入分が即時償却可能

LAN設備の刷新や照明の高度化が業務効率・処理速度の改善につながる場合に適用されます

決算前に実施すると効果が大きい修繕費計上

節税目的で特に活用されるのが「決算前の修繕費」です
修繕費は支出した年に全額経費化できるため、利益調整として非常に有効です。

【決算直前でも行いやすい修繕系の電気工事】

工事内容修繕費として認められやすい理由
LED照明への交換省エネ化・原状回復が目的と判断されやすい
LANケーブル交換・調整安定通信の維持を目的とするため
スイッチ・コンセント交換安全維持のためのメンテナンス
エアコン修理既存設備の性能維持

 

これらは工期が短く、決算直前のタイミングで非常に使いやすい工事です。

修繕費判断の注意点

・ 工事の規模が大きくなると「資本的支出」と判定される可能性
・ 金額ではなく工事目的(性能向上か、維持か)が重要
・ 領収書・見積書には「修理」「交換」「調整」など明確な記載が必要

迷う場合は、税理士+電気工事業者の両方に確認するのが最も安全です

 

 

リフォームにおけるLAN配線の見直しについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

LAN配線リフォームで通信速度を改善!有線LANで快適ネット環境

 

まとめ:電気工事の経費処理を正しく行い、ムダな支出を防ごう

ここまで、電気工事に関わる経費処理の基本、工事種類ごとの税務判断、個人事業主と法人の違い、さらに節税につながる活用方法まで体系的に整理してきました。
電気工事は照明・LAN・エアコンなど事業運営に不可欠な工事が多い一方、工事内容によって税務上の扱いが大きく変わるという特徴があります

そのため、判断を誤ると、

・ 本来は全額経費にできた工事を減価償却してしまう

・ 修繕費として処理した結果、税務調査で指摘される

といったリスクが生じます。

電気工事を正しく経費計上するために、特に重要なのが次の3点です。

電気工事の経費処理で最も重要な3ポイント

1. 工事が「原状回復」か「価値向上」かを見極める

・ 同等品への交換は修繕費になりやすい

・ 配置を変える、性能を高める工事は資本的支出の可能性

2. 個人事業主と法人で経費計上ラインが違うことを理解する

・ 個人事業主(特に自宅兼事務所)は按分が必要

・ 法人は判断が比較的シンプルだが、大規模工事は要注意

3. 領収書・見積書の記載を正確に残し、曖昧な証憑を避ける

・ 「電気工事一式」は最も疑われやすい

・ 対象場所、工事内容、数量、内訳を詳細に記載してもらう

具体例で見る工事区分の違い

例えば、同じLED交換でも、

・ 同等品への交換 → 修繕費(全額経費になりやすい)

・ 照明配置の変更や大幅な増設 → 資本的支出の可能性

LAN工事でも、

・ 既存配線の修理や小規模の増設 → 経費化しやすい

・ ルーターやスイッチを含むネットワーク設備の全面更新 → 減価償却の対象となる場合あり

このように、工事の目的・内容・規模によって税務区分は大きく変わるため、「どの範囲にどのような工事をしたか」を正確に把握し、証憑に残すことが不可欠です

節税効果の高い工事が多い点も大きな特徴

電気工事は、適切に計画することで節税効果を得やすい工事が多く存在します
特に次の制度は、照明・LAN・空調などの設備更新と相性の良い代表例です。

・ 補助金や助成金の活用

・ 少額減価償却資産の特例(30万円未満、青色申告が要件)

・ 中小企業経営強化税制(即時償却など ※対象設備や金額要件あり)

・ 決算前の修繕費計画の見直し

これらを組み合わせることで、設備改善と節税を同時に実現できます。
ただし、いずれも詳細な適用要件や上限額があるため、実際に利用する際は税理士や専門家への確認が必須です

個人事業主は「按分の考え方」も重要

個人事業主の場合、自宅兼事務所というケースが多く、次のような判断が複雑になりがちです。

・ どのスペースに工事を行ったか

・ 事業利用部分と家庭利用部分の割合

・ 事業専用設備として計上できるか

領収書に「対象部屋」「事業用途かどうか」が明記されているだけで、税務リスクは大幅に減ります

一方、法人は原則すべて事業用途となるため比較的判断しやすいものの、大規模な電気工事では修繕費・資本的支出の区分が細かく分かれるため、工事内容の記録は必須です。

最終的に重要なのはこの2点

電気工事の経費処理で本質的に重要なのは、次の2つです。

1)税務基準を理解しつつ、工事内容を正しく分類すること

2)証憑を正確に残し、節税制度を適切に活用すること

これらを徹底することで、

・ 不必要な税負担を防ぎ

・ 適切なタイミングで工事を実施でき

・ 設備改善による生産性向上につながる

という、事業にとって大きなメリットが得られます。

電気工事は単なる設備メンテナンスではなく、経費戦略・節税戦略の重要な一部です
本記事を参考にしながら、必要な工事の優先順位を整理し、より効率的な経費管理と設備改善を進めてみてください。

 


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