インターホン設備

2024.08.08

電気工事でインターホンの設置をどう行う?仕組み・手順・費用を解説

 

電気工事で行うインターホンの設置とは?

インターホンの設置工事とは、住宅やオフィス、マンションなどの建物において、来訪者を確認し、安全性と利便性を高めるための通信機器を設置する電気工事のことを指します
この工事は、単に呼び出し音を鳴らすための配線を行うだけではなく、電源の供給・通信信号の伝達・防水処理・取り付け位置の調整など、複数の専門的工程を伴います
そのため、施工には電気工事士の資格と高度な技術が必要不可欠です

インターホン設置の目的と必要性

インターホンは、防犯・安全・利便の3つの観点から、現代の建物に欠かせない設備です。
特に近年では、防犯意識の高まりや非対面対応の普及によって、その重要性が一層高まっています。

【インターホン設置の主な目的】

・ 来訪者を音声や映像で確認し、不審者の侵入を防ぐ

・ 在宅や不在にかかわらず、訪問対応をスムーズに行う

・ 宅配業者や営業訪問者の確認により、トラブルを防止する

また、インターホンは単なる便利機器ではなく、「建物のセキュリティを守る第一防衛ライン」としての役割も担っています。
玄関で来訪者の顔を確認できるだけでなく、録画・録音機能を備えることで、防犯カメラの補助的役割も果たします。

電気工事が必要な理由

インターホンの設置には、通信だけでなく電力供給が必要です。
そのため、機種によってはAC100V電源からの供給が求められ、安全基準を満たした電気配線が必要になります。
この配線工事を行えるのは、第二種電気工事士以上の有資格者に限られています。

特に以下のようなケースでは、確実な電気工事が不可欠です。

・ モニター付きインターホン(映像対応タイプ)の設置

・ 既存のインターホンからの機種変更、配線更新

・ 100V電源を用いたコンセント直結型の電源供給

・ 屋外に設置する防水型インターホンの配線防水処理

このように、インターホン工事は単なる通信機器の取り付けではなく、「電気通信と電気設備の両面を扱う複合工事」といえます。
したがって、施工には法令に基づく電気工事士資格が必須であり、無資格で行うと感電事故や火災リスクを伴う危険があります。

電気工事の流れと施工手順

電気工事によるインターホン設置は、次のような手順で行われます。

【インターホン設置工事の一般的な流れ】

工程作業内容注意点
1. 現地調査既存配線・電源・壁構造の確認建物構造により配線ルートを決定
2. 取付位置決定屋外子機と屋内親機の設置位置を決定呼び出しやすさ・見やすさを考慮
3. 配線工事VVFケーブルまたはLANケーブルを通線防水・防塵処理を徹底
4. 機器接続電源・通信ケーブルの結線接触不良を防ぐため端子を確実に固定
5. 動作確認音声・映像・呼び出し動作の確認電圧測定と絶縁チェックを実施

 

この一連の工程を正確に行うことで、ノイズのないクリアな映像と音声を実現します。
また、屋外配線では防水・防湿処理が非常に重要であり、結線部に防水テープやシリコン処理を施すことで、雨水や結露による腐食を防ぎます。

有線・無線による施工の違い

インターホンは、大きく分けて有線式と無線式があります。
施工方法は通信方式によって異なります。

有線式インターホンの電気工事

有線式は、子機(玄関側)と親機(屋内側)を配線ケーブルで直接接続します。
この方式は通信の安定性が高く、ノイズが少なく高画質・高音質であることが特徴です。
主にVVFケーブル・LANケーブル(Cat6A以上推奨)が使用されます。

しかし、有線の場合は壁貫通工事や配線ルートの確保が必要となるため、施工には時間と技術が求められます。
配線を壁内に隠す隠ぺい配線を行うことで、美観を保ちながら安全性を確保できます。

無線式インターホンの電気工事

ワイヤレス通信を用いる無線式は、配線工事が不要で手軽に設置可能です。
ただし、電源供給や通信距離の制約があるため、鉄筋コンクリートや金属構造の建物では電波干渉が発生する可能性があります。
この場合、中継機の設置やアンテナ位置の調整を行うことが効果的です。

屋外設置時の防水・耐久対策

屋外に設置するインターホン子機は、風雨・紫外線・温度変化に晒されるため、電気工事の際に十分な防水処理が必要です。
特に接続部(結線端子)や貫通穴周辺は、防水ボックス・コーキング材・自己融着テープなどで密閉します。
これにより、雨水の侵入・結露・腐食による断線を防止します。

また、設置位置も重要で、雨の吹き込みにくい高さと角度に取り付けることが推奨されます。
寒冷地では、凍結対策としてヒーター内蔵型子機の採用や配線の断熱保護も行います。

インターホン設置における安全対策

インターホン工事は低電圧回路を扱うことが多いものの、電源回路が関わるため安全管理は必須です。
電気工事士は、以下のような安全対策を徹底しています。

・ 作業前にブレーカーを遮断し感電防止を徹底

・ 絶縁抵抗計を用いた配線絶縁チェック

・ 電線の被覆処理、結線固定でショート防止

・ アース接続による漏電リスクの低減

これらの安全対策を怠ると、機器の誤作動・火災・感電事故が発生する可能性があるため、慎重な施工が求められます。

電気工事士に依頼するメリット

DIYでも簡易型インターホンを設置することは可能ですが、プロの電気工事士に依頼することで次のようなメリットがあります。

・ 建物の構造に応じた最適な配線設計が可能

・ 安全基準に準拠した確実な施工

・ 設置後の動作保証とアフターサポート

・ 将来的なスマート連携への対応工事が可能

電気工事士は施工時に電圧測定・ノイズ検査・防水チェックを行い、長期的に安定した動作を保証します。
また、後日スマートホーム機能(AI連携・クラウド録画・遠隔通知など)を導入する際にも、既存配線を流用できるように設計することが可能です。

 

インターホンの設置工事は、安全と快適を支える電気工事の一部であり、防犯対策やDX化の基盤となる施工です
モニター付きやスマート連携型など、機能が進化する中で、適切な電源処理・通信品質の確保・防水対策がより重要になっています

施工を成功させるポイントは、

1. 資格を持つ電気工事士への依頼

2. 建物構造と通信環境に合わせた機種選定

3. 安全・美観・拡張性を意識した配線設計

これらを押さえることで、インターホンは単なる通信機器ではなく、家全体のセキュリティインフラとして機能します。
そして今後、AI・IoT・クラウド技術の進化によって、インターホンはますます高度な防犯・通信システムへと発展していくでしょう。

 

 


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電気工事はプロに任せるべき理由とは?

「突然、ブレーカーが落ちた」「コンセントが焦げている」「照明がチカチカする」──そんな電気のトラブル、意外と多くのご家庭やオフィスで起こっています。
しかし、これらのトラブルを自分で何とかしようとするのは非常に危険です。電気工事は国家資格が必要な作業であり、誤った対応は感電や火災の原因にもなりかねません。

また、以下のようなケースも電気工事の対象です。

・ コンセントやスイッチの増設や移設

・ 照明器具の交換やLED化工事

・ 漏電調査と対応

・ 分電盤やブレーカーの交換

・ エアコン専用回路の新設

こうした専門性の高い電気工事は、必ず資格を持つ業者に依頼することが鉄則です。

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よくある電気工事のトラブル例と対応事例

1. コンセントが焦げている・熱を持っている

→ 原因:配線の接触不良や電力オーバー
→ 対応:配線の交換、コンセントの安全基準対応への交換

2. エアコン設置の際に電源が足りない

→ 原因:専用回路が未設置
→ 対応:分電盤から専用回路を新設し、安全に使用可能に

3. 築年数の古い住宅での漏電調査

→ 原因:経年劣化やシロアリによる断線
→ 対応:回路全体のチェック+絶縁工事を実施し再発防止

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インターホンの種類と特徴。モニター付き・ワイヤレス・スマート連携の違い

インターホンは、防犯・利便性・快適性を支える住宅設備として欠かせない存在です
一見どれも同じように見えますが、実際には「モニター付き」「ワイヤレス」「スマート連携」といった複数のタイプが存在し、それぞれに配線方法・通信方式・電気工事の内容が異なります
ここでは、主要な3タイプの特徴と違いを具体的に比較しながら解説します。

モニター付きインターホン。最も普及しているスタンダードタイプ

モニター付きインターホンは、現在最も一般的に普及しているタイプです。
玄関子機にカメラを内蔵し、屋内の親機に映像を映し出すことで「誰が来たかを確認してから応答できる」という安心感を提供します。

モニター付きタイプの特徴は以下のとおりです。

・ 有線接続(2芯またはLANケーブル)による安定通信

・ 録画機能付きモデルでは不在時の来訪者履歴も確認可能

・ 広角カメラ、夜間撮影対応で防犯性を強化

・ 電源はAC100VまたはPoE給電(LAN経由)

このタイプは電気工事士による配線工事が必要です。
玄関から親機までの距離や建物構造に合わせて、VVFケーブルまたはLANケーブルを壁内に通す施工が行われます。
特にマンションやオフィスでは、PoEスイッチを使って給電と通信を1本のLANケーブルで行うケースも増えています。

このタイプのメリットは、映像・音声ともに安定していることです。
ワイヤレスと比べて通信干渉が少なく、セキュリティ性・信頼性が高いのが特長です。
反面、設置位置を変える場合は再配線が必要なため、リフォーム時の計画性が重要になります。

ワイヤレスインターホン。工事不要で設置が簡単なタイプ

ワイヤレスインターホンは、無線通信を利用して親機と子機を接続するタイプです。
配線工事を行わずに設置できるため、賃貸住宅・仮設現場・倉庫・工事現場など、配線が難しい場所で多く利用されています。

ワイヤレス型の特徴をまとめると、次のようになります。

【ワイヤレスインターホンの基本特徴】

項目内容
通信方式無線(2.4GHz帯・Bluetoothなど)
電源乾電池式・USB給電・ACアダプタ式
メリット配線不要・設置が容易・移動も簡単
デメリット電波干渉・距離制限・セキュリティリスク

 

無線タイプの大きな魅力は、工事不要ですぐに設置できることです。
そのため、DIYでの導入やリフォーム前の一時的な運用にも適しています。

しかし、無線方式であるため、電子レンジやWi-Fiなどとの電波干渉が発生しやすい点に注意が必要です。
また、通信距離が長い場合(20〜30m以上)や鉄筋コンクリート構造の建物では、信号が届きにくくなることもあります。

さらに、セキュリティ上の脆弱性も課題の一つです。
最新モデルでは暗号化通信を採用していますが、業務用や防犯性を重視する現場では、有線接続のモニター付きタイプが推奨されます。

スマート連携インターホン。AI・IoT対応で進化する次世代型

スマート連携インターホンは、スマートフォン・AIスピーカー・クラウドシステムなどと連携する最新型のインターホンです。
近年では、AI顔認証・音声応答・遠隔操作などの高度な機能を備えたモデルが登場し、スマートホームの中心デバイスとして注目されています。

スマート連携型の代表的な特徴を見てみましょう。

・ スマートフォンアプリから遠隔応答や録画確認が可能

・ クラウド保存で過去の来訪履歴をいつでも確認

・ AI顔認証や音声認識で自動解錠や不審者検知

・ PoE、Wi-Fi、LAN接続など複数の通信方式に対応

例えば、外出中でもスマートフォンの通知から来訪者を確認し、アプリ上で「応答」や「解錠」操作を行うことができます。
また、防犯カメラやスマートロック、照明制御などと連携することで、一体型のホームセキュリティシステムを構築可能です。

このタイプを導入する際には、LAN配線やWi-Fi環境の整備が不可欠です。
PoE(Power over Ethernet)給電を利用する場合は、LANケーブルの規格(Cat6A以上)やスイッチングハブのPoE対応状況も確認する必要があります。
設置工事は電気工事士と通信工事士の両方のスキルが求められるケースが多く、プロによる施工が推奨されます。

さらに、クラウド連携型の機器は、定期的なファームウェア更新やネットワーク設定の見直しも必要です。
これにより、セキュリティ強化・通信安定化・新機能追加といったアップデートが継続的に行われ、長期的に安全に使用できます。

3タイプの比較まとめ

【インターホンの3タイプ比較】

タイプ配線方式特徴適した環境
モニター付き有線(2芯・LAN)安定・高画質・録画機能一戸建て・マンション・オフィス
ワイヤレス無線通信(2.4GHz等)工事不要・簡単設置賃貸・仮設現場・小規模住宅
スマート連携LAN・Wi-Fi・PoEAI・クラウド連携・遠隔応答スマートホーム・DXオフィス

導入時の選定ポイント

インターホンを選ぶ際は、「建物構造」「通信環境」「利用目的」の3点を考慮することが重要です
特に、以下の観点で検討すると失敗が少なくなります。

・ 鉄筋コンクリート造 → 有線型(通信安定)

・ 木造住宅や小規模オフィス → ワイヤレスでも可

・ スマート家電を導入予定 → スマート連携型

・ 高齢者や子どもがいる家庭 → モニター付きで録画機能あり

インターホンは単なる呼び出し装置ではなく、「暮らしの安心」と「住宅のDX化」を支える通信インフラです
設置場所・配線ルート・電源方式を的確に設計し、専門の電気工事士による安全施工を行うことで、トラブルのない長期運用が実現します。

 

 

インターホンの配線工事について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

インターホンの配線工事とは?仕組み・配線方式・基本手順を完全解説

 

インターホンが鳴らない・映らない!故障時に確認すべき電気工事ポイント

インターホンが突然鳴らない・映らない・通話できないといったトラブルは、住宅やオフィスでよく発生します
しかし、その多くは電気工事や配線・接続に関わる不具合が原因です
「機器が壊れた」と思って買い替える前に、まずは電源・配線・接続の基本ポイントを確認することが重要です

電源が入っていない?まずは給電系統をチェック

インターホンの不具合で最も多い原因は、電源が供給されていないことです。
モニター付きやスマート連携型のインターホンは、AC100V電源またはPoE(Power over Ethernet)で動作しているため、ブレーカーの落下やアダプタの抜け、PoEスイッチの故障などが起こると、全体が動作しなくなります。

【電源トラブル時のチェックポイント】

・ 分電盤のブレーカーが落ちていないか

・ 電源アダプタが緩んでいないか

・ PoEスイッチのランプが点灯しているか

・ コンセントの極性や電圧をテスターで確認

とくにスマート連携インターホンの場合、ルーターやハブを経由して電源供給されているケースもあるため、ネットワーク機器全体の再起動が有効なこともあります。
また、電源ラインが屋外を通っている場合は、雨水侵入による漏電やショートも要注意です。
防水処理やアース接続が不十分だと、内部基板にダメージを与える可能性があります。

配線の断線・接触不良。最も多い施工トラブルの一つ

次に多いのが、配線の断線・接触不良による不具合です。
インターホンは、親機と子機をつなぐ通信線(2芯またはLANケーブル)によって信号を送受信しています。
そのため、どこかでケーブルが切れていたり、端子が緩んでいたりすると通信が途絶します。

【配線チェックの基本】

・ 子機や親機の端子ねじが緩んでいないか

・ 屋外配線が紫外線や雨で劣化していないか

・ ケーブルがモールや壁内で挟まっていないか

・ LANケーブルの場合、RJ45コネクタの圧着不良がないか

特に、VVFケーブル(2芯)を長距離で配線している場合は、経年劣化や振動によって銅線が細くなり、導通が不安定になることがあります。
この場合は、テスターを用いて抵抗値・導通を測定し、問題箇所を特定します。

LANケーブルを使用しているスマートタイプでは、カテゴリー規格とPoE対応有無の確認も必須です。
PoE未対応のLANケーブルを使用すると、給電が不足して映像が映らない・通信が途切れるなどの症状が発生します。

子機・親機間の通信障害。ノイズ・干渉・設定の見直しも必要

インターホンの映像が乱れたり音声が途切れる場合は、通信ノイズや干渉が原因の可能性があります。
特にワイヤレス型では、Wi-Fiルーター・電子レンジ・Bluetooth機器などの電波干渉が大きく影響します。

【通信不良が発生する主な要因】

・ 電波帯域の混雑(2.4GHz帯の機器が多い環境)

・ 子機と親機の距離が遠い(20m以上)

・ 鉄筋コンクリートや金属ドアによる電波遮断

・ LANルーターの設定誤り(DHCP競合、IP重複)

これらの対策として、中継機(Wi-Fiエクステンダー)や有線接続化を検討するのが有効です。
また、LAN型インターホンの場合はルーター設定(ポート開放・IP固定化)の見直しを行うことで、通信安定性が改善します。

カメラ・モニター側の故障。映像が出ないときの確認手順

モニター付きインターホンで映像が映らない場合、カメラモジュールやモニター基板の故障も考えられます。
しかしその前に、電気的・通信的な問題を切り分けることが重要です。

【映像トラブルの診断手順】

1. 電源LEDが点灯しているか確認(点灯しない場合 → 電源系統)

2. 音声のみ通じるか確認(映像のみ出ない場合 → 映像信号ライン)

3. 他の映像入力機器でテスト(カメラ側の不良かモニター側かを判別)

4. LAN接続型の場合、PoEスイッチ・ルーター設定を確認

とくに、PoE給電タイプでは給電容量不足が原因となることが多く、複数台接続している場合には総消費電力がスイッチの上限を超えていないか確認が必要です。
また、屋外カメラは直射日光・雨水・埃による劣化が進みやすく、レンズの汚れや結露でも映像品質が低下します。

故障時の修理・交換はプロの電気工事士へ依頼を

インターホンの不具合を自己判断で修理しようとすると、感電・ショート・誤配線による機器破損などのリスクがあります
特にAC100Vを扱う機種では、電気工事士の資格が必要です

【自己修理と専門業者依頼の比較】

項目自己修理電気工事士による修理
安全性感電リスクあり安全対策完備
診断精度部分的・推測的専用測定器で正確診断
交換作業保証外になる可能性メーカー保証維持可能
作業時間長時間かかる約1~2時間で完了

 

また、プロの電気工事士であれば、トラブルの根本原因(配線経路・電圧降下・接続方式)を的確に把握し、再発防止を考慮した施工提案を行ってくれます。

さらに、メーカーとの保守契約がある場合は、認定施工店による修理で保証継続が可能です。
「一時的に直った」ではなく、「長く安心して使えるインターホン環境」を整えるためにも、専門業者への依頼が最善策です。

故障を未然に防ぐための予防メンテナンス

インターホンのトラブルは、日常的なメンテナンスで防げるケースが多いです
以下のような点検を定期的に行うことで、突然の故障や通信不良を防止できます。

【定期点検のポイント】

・ ケーブルや端子のゆるみや錆をチェック

・ 防水キャップ・モールの劣化確認

・ モニター画面やカメラレンズの清掃

・ PoEスイッチやアダプタの発熱状態確認

・ ファームウェア更新やネットワーク再起動

特に、屋外子機は紫外線や温度変化による樹脂劣化が進みやすいため、5年~7年を目安に交換を検討するのが安全です。

また、スマート連携タイプの場合はクラウドサービス契約の有効期限やアプリ更新も忘れずに確認しておきましょう。

 


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古いインターホンを交換するなら?電気工事での交換手順と注意点

古いインターホンをそのまま使い続けていると、通話が途切れる・映像が映らない・呼び出し音が鳴らないといったトラブルが増えていきます
長年使用された配線や端子は、酸化・腐食・接触不良が起きやすく、特に屋外機は雨水や紫外線による劣化が進みやすい箇所です
このような場合は、早めの交換工事を行うことで安全性と利便性を大幅に改善できます

ただし、インターホン交換は単なる「付け替え」ではなく、電気工事と通信配線の両方を伴う専門施工です。
ここでは、電気工事士が行う交換の正しい手順と、施工時の注意点・費用の目安について詳しく解説します。

インターホン交換が必要となる主なサイン

まず、交換を検討すべき代表的な症状を確認しておきましょう。
古いインターホンは10年〜15年を過ぎると、部品劣化が進み、通信エラーが増加します。

【交換を検討すべき症状】

・ 呼び出しボタンを押しても音が鳴らない/鳴りっぱなしになる

・ 映像が真っ黒、ノイズが入る

・ 通話音が途切れる、反応が遅い

・ 電源LEDが点灯しない/不安定

・ 古い2芯配線で最新機種が対応しない

・ 玄関子機が破損、サビ、防水ゴムの劣化

このような不具合は放置すると感電・ショート・誤作動によるセキュリティ低下につながるため、
有資格の電気工事士による点検・交換を早めに行うことが推奨されます。

電気工事で行うインターホン交換の手順

交換工事の流れは、大きく分けて6つの工程で進みます。
各工程には安全確認・動作確認が含まれており、専門知識と経験が求められます。

【インターホン交換工事の基本手順】

工程内容注意点
1. 電源遮断分電盤ブレーカーをOFFにして作業開始感電防止のため必須
2. 旧機器の取り外し親機・子機を取り外し、既存配線を確認配線の芯数や導通を記録
3. 配線点検・補修断線・腐食・接触不良の有無を確認必要に応じて再配線・交換
4. 新機器の取り付け取付金具・ベースを固定し結線屋外は防水処理・パッキン装着
5. 通電テスト電源を入れ、映像・通話・呼出を確認電圧・PoE給電を測定
6. 最終確認・仕上げ外観・モール処理・固定状態を点検防水キャップ・結束確認

 

この工程の中で特に重要なのは、既存配線の再利用可否の判断です。
古い2芯式ケーブルを使い続けると、新型インターホンの通信信号(デジタル信号)が正しく伝わらないことがあります。
その場合、LANケーブル(Cat6以上)による新規配線工事を行うことで、映像通信やスマート連携機能を安定して利用できます。

また、PoE対応インターホンを導入する際には、スイッチングハブのPoE出力容量(W)を確認し、複数台接続時に電力が不足しないよう設計することも電気工事の重要なポイントです。

古い配線を再利用する際の注意点

交換時には、「既存の配線をそのまま使えるか?」という質問がよくあります。
実際には、電線の材質・被覆の劣化・導通抵抗などによって再利用の可否が決まります。

【既存配線再利用の判断基準】

・ 銅線に緑青(サビ)が出ていないか

・ 被覆が硬化、割れ、溶けていないか

・ 導通抵抗が規定値内であるか

・ ケーブルが屋外露出または湿気に晒されていないか

一見問題がないように見えても、長年の温度変化で絶縁性能が低下していることもあります。
特に屋外経路にある配線は、耐候性ケーブルに交換するのが望ましいです。
再利用できる場合でも、端子部の圧着・結線や防水キャップの再装着を行い、漏電やノイズの再発を防止します。

機種変更に伴う施工上のポイント

インターホン交換の際は、旧型と新型の規格差にも注意が必要です。
特に近年は、従来のアナログ2線式からデジタル通信型(LAN・PoE)への移行が進んでいます。

【旧型と新型インターホンの規格比較】

項目旧型(2線式)新型(LAN/PoE式)
通信方式アナログ信号デジタル信号(IP通信)
給電方法ACアダプタまたは乾電池PoE給電(LAN1本)
機能音声通話のみ映像・録画・遠隔応答
工事内容配線再利用可LAN配線・PoEスイッチ設置必要

 

また、壁面の開口寸法が異なることもあり、取付金具の位置合わせや埋込ボックスの交換が必要なケースもあります。
これを誤ると、本体が浮いて防水不良・美観の低下につながるため、施工経験のある電気工事士に依頼することが重要です。

さらに、スマート連携型インターホンでは、Wi-Fiルーター設定やアプリ連携も必要です。
工事後に通信が不安定な場合は、PoE電力の再設定・LANポートの固定IP設定・クラウド接続テストを行い、安定化を図ります。

交換費用の目安とコストを抑えるコツ

インターホン交換工事の費用は、機種・配線方法・建物構造によって大きく変わります。
以下は一般的な費用相場の目安です。

【インターホン交換費用の目安】

工事内容費用相場備考
2線式 → 同型交換約15,000〜25,000円配線再利用可
2線式 → モニター付き交換約25,000〜40,000円壁開口工事あり
2線式 → LAN式(PoE対応)約40,000〜70,000円新規LAN配線・設定含む
スマート連携型導入約60,000〜100,000円アプリ設定・ルーター接続含む

 

コストを抑えるコツは、既存配線の状態を事前点検して再利用の可否を判断することです。
また、PoEスイッチやLANケーブルをまとめて導入する際には、同時施工による工賃割引が適用されることもあります。

ただし、安易にDIYで取り替えると、法令違反・感電事故・保証失効のリスクがあるため、必ず電気工事士資格を持つ専門業者に依頼しましょう。

安全に長く使うためのアフターケアとメンテナンス

交換後も、定期的な点検を行うことで長期的に安心して使うことができます

【交換後のメンテナンスチェック項目】

・ 呼び出し、映像、通話の動作確認

・ 防水ゴムやカバーの状態チェック

・ ケーブル結束部の緩み、腐食確認

・ PoEスイッチや電源の発熱確認

・ ソフトウェア、ファームウェアの更新

また、スマート連携モデルでは、アプリ通知やクラウド録画の保存期限を定期的に確認し、セキュリティアップデートを怠らないことが重要です。
これにより、最新の通信規格・防犯アルゴリズムにも対応し続けることができます。

 

 

インターホン設置を含む内線工事について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

電気工事における内線工事とは?仕事内容と必要な資格を徹底解説

 

インターホン配線工事の流れ。屋内・屋外で異なる施工方法とは?

インターホンの設置において、最も重要な工程が「配線工事」です
インターホンは、玄関子機と屋内親機を電気的・通信的に接続することで機能するため、配線の品質と施工方法がそのまま動作の安定性・防犯性・寿命に直結します

ここでは、電気工事士が実際に行うインターホン配線工事の基本的な流れと、屋内・屋外それぞれの施工の違い・注意点を具体的に解説します。

インターホン配線工事の全体的な流れ

まず、一般的なインターホン工事は以下のような流れで進行します。

【インターホン配線工事の基本工程】

工程内容主な確認項目
1. 現地調査配線経路・距離・建物構造を確認壁貫通部・電源位置・LAN経路
2. 配線設計屋内・屋外のルートを決定電線種別・防水処理方法
3. 穴あけ・通線壁やモールへケーブルを通線ケーブル保護・貫通穴防水
4. 結線・固定子機・親機に接続・固定導通確認・端子圧着
5. 動作確認映像・通話・呼出・電圧チェックPoE給電・ノイズ有無
6. 仕上げ処理モール・カバー装着・見た目整備結束・絶縁・防水キャップ

 

この中でも、穴あけ〜動作確認の工程が特に重要です。
電気工事士は現場で電源の取り出し位置や配線距離、電圧降下、通信信号の減衰などを正確に計算し、最適なケーブル経路を設計します。

屋内配線工事の方法と注意点

屋内配線では、美観を損なわない施工と安全性の両立が求められます。
インターホン親機はリビングや廊下に設置されることが多く、壁内・天井裏にケーブルを通す隠ぺい配線が一般的です。

【屋内配線工事の施工ポイント】

・ 電源は分電盤または既存コンセントから安全に分岐する

・ ケーブルはVVF線またはLANケーブルを使用

・ 壁内部を通す場合は電線管(PF管)またはモールで保護

・ 結線は端子圧着またはLANモジュラージャックで確実に固定

・ 電線の曲げ半径を規定値以上確保して断線防止

また、LAN型インターホンでは、親機の背面にLANポート(RJ45)を設けるケースが多く、PoEスイッチハブから直接給電・通信を行います。
このとき、LANケーブルの長さが100mを超えると通信品質が低下するため、必要に応じて中継ハブまたはPoEエクステンダーを設置します。

さらに、壁内配線のルート選定では、電力線と通信線を同じルートに通すとノイズ干渉が発生するため、一定の間隔を保つことが電気通信工事の基本ルールです。

屋外配線工事の方法と防水対策

屋外では、配線が雨風・紫外線・温度変化に晒されるため、耐候性と防水性が最も重視されます。

【屋外配線工事の施工ポイント】

・ 使用ケーブルは耐候型VVF線または屋外用LANケーブル(UV、耐水仕様)

・ ケーブルはPF管、VE管、防水モール内に通して保護

・ 壁貫通部には防水パッキンやコーキング処理を施す

・ 接続部には防水キャップやゴムパッキンを装着

・ 屋外子機裏面には防水ボックスを使用して結線部を収納

特に、玄関周辺や外壁に設置する子機部分は最も故障リスクが高い箇所です。
そのため、壁内部での接続は避け、防水ボックス内で端子処理を完結させます。

また、屋外LANケーブルは耐紫外線PVCジャケットや二重被覆構造のものを選定し、長期的な経年劣化を防ぎます。
電気工事士は、通線時にケーブルのたるみ(約3〜5cm)を確保しておくことで、温度差による伸縮や断線を防ぐよう配慮します。

LAN配線型インターホンの配線構成例

近年では、モニター付きやスマート連携型インターホンにLANケーブルを用いる施工が増えています。
この方式では、PoEスイッチから親機・子機へ給電と通信を一本化できるため、施工の簡略化・コスト削減・ノイズ低減などのメリットがあります。

【LAN配線型インターホンの基本構成】

機器接続方法給電方式使用ケーブル
親機PoEスイッチ → LANPoE(48V)Cat6 or Cat6A
子機(玄関)親機またはハブ経由PoEまたは外部電源屋外用Cat6
ルーターLANケーブル接続AC電源Cat6
スマホ連携サーバークラウド接続インターネット通信LAN経由

 

LANケーブルは、1Gbps通信+PoE給電にも対応するため、インターホンだけでなく、監視カメラ・スマートロック・照明制御機器との連携も容易です。
ただし、屋外でLANを使用する場合は、アース付き金属配管または耐候モールを採用して感電防止を徹底します。

屋内外で異なる施工工具・材料

屋内と屋外では、使用する材料・工具も異なります。

【屋内・屋外配線の使用資材比較】

区分主な使用材料特徴
屋内VVF線・LANケーブル・PF管・モール美観重視・隠ぺい施工向き
屋外耐候VVF・屋外LAN(UV耐性)・防水モール・VE管耐久性・防水性重視
共通結束バンド・コーキング剤・圧着端子接続固定・防水補強に使用

 

電気工事士は現場の状況に応じて材料を適切に選定し、防水・絶縁・耐久性の3要素を確保します。
また、施工後は導通試験・絶縁抵抗試験・PoE給電チェックを行い、全経路で安定した通信が行われているかを確認します。

屋外配線の安全施工と法令遵守

屋外配線を行う際には、電気工事士法・電気設備技術基準・電気通信事業法のいずれにも配慮が必要です。
たとえば、AC100Vを扱う場合は第一種または第二種電気工事士の資格が必須であり、無資格者による施工は法令違反となります。

さらに、通信線と電力線の離隔距離、PF管・VE管の埋設深さなども、施工基準として厳格に定められています。
これらを守らないと、漏電・感電・火災リスクが高まるため注意が必要です。

安定した通信と長寿命を実現する施工のコツ

最後に、配線工事を長持ちさせるためのポイントをまとめます。

【長期安定運用のための施工チェックリスト】

・ 屋外ケーブルは必ずPF管または防水モール内に通す

・ 屋内ケーブルは電力線と分離配置してノイズを防止

・ LAN端子は圧着工具で確実に結線

・ 壁貫通部はシリコンコーキングで防水密閉

・ 工事後は電圧、通信速度、PoE給電値を測定

これらを確実に行うことで、映像遅延・通話ノイズ・通信切断といったトラブルを防ぎ、快適で安全なインターホン環境を維持できます。

 


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DIYとプロ施工の違い!インターホン工事は電気工事士に任せるべき理由

インターホンは住宅の「顔」ともいえる重要な設備です
しかし、設置や交換を行う際に「自分でできそう」と思ってDIYで施工しようとする方も少なくありません
確かに、最近ではホームセンターやネット通販でも簡易型インターホンが手に入り、一見すると「配線をつなぐだけで簡単」と感じるかもしれません。

しかし実際には、インターホン工事は電気・通信・防水・法令の知識を要する専門工事であり、安易なDIY施工は感電・漏電・機器破損・火災リスクを引き起こす可能性があります
ここでは、DIYとプロ施工の具体的な違いを比較しながら、電気工事士に依頼すべき理由とそのメリットを詳しく解説します。

DIYでのインターホン設置はどこまで可能か?

まず理解しておきたいのは、DIYでできる範囲には明確な制限があるという点です。
電気工事士法によると、AC100V(家庭用電源)を直接扱う工事は有資格者でなければ行えないと定められています。
つまり、電源を分電盤や壁コンセントから分岐してインターホンを接続する場合、資格のない人が施工するのは法令違反となります。

一方で、以下のような「電気工事を伴わないタイプ」であればDIYでも設置可能です。

【DIYで可能な範囲】

・ 乾電池式インターホン(配線不要)

・ ワイヤレス型(無線通信式)

・ USB給電タイプの簡易モニター機

これらの機種は、電源がAC100Vではなく電池やUSB供給で動作するため、電気工事士の資格が不要です。
ただし、通信距離や電波干渉・防犯性の面で制限が多いため、本格的なモニター付き・スマート連携型を導入する場合は、プロの施工が不可欠となります。

DIY施工で起こりやすいトラブル事例

DIYでのインターホン設置・交換は「初期費用を抑えたい」という意図から行われることが多いですが、結果的に再工事や修理で余計なコストがかかるケースが少なくありません

【DIY施工で発生しやすいトラブル】

トラブル内容主な原因想定されるリスク
映像が映らない結線ミス・導通不良ケーブル焼損・基板破損
通話が途切れる端子の緩み・ノイズ混入音声通信不良・誤作動
機器が動作しない電源極性ミス・ブレーカー未確認感電・ショート
雨水でショート防水処理不良・屋外配線の露出火災・漏電事故
Wi-Fi接続できないルーター設定・PoE構成の誤り通信不安定・遠隔操作不可

 

特に多いのが、屋外配線の防水不良によるショート事故です。
DIYではコーキング材や防水パッキンを正しく施工できないことが多く、数か月後に「雨の日だけインターホンが鳴らない」「映像が乱れる」といったトラブルが発生します。

さらに、LAN配線型やPoE給電型のインターホンでは、通信規格や給電容量の理解不足による誤配線も頻発します。
これにより、スイッチングハブの焼損・親機の電源故障を引き起こすこともあり、結果的にメーカー保証が無効となるケースもあるのです。

プロの電気工事士による施工の特徴と安心感

一方で、電気工事士による施工は、安全性・仕上がり・長期耐久性のすべてにおいて高品質です。
プロ施工では、配線設計から取付完了まで国家資格に基づいた手順と検査が実施されます。

【プロ施工の主な特徴】

・ 分電盤からの電源分岐、安全ブレーカー設置を法令通りに実施

・ 屋外配線にはPF管、防水モール、防水ボックスを使用

・ LAN配線ではPoEスイッチや通信測定器による給電確認

・ 導通や絶縁抵抗試験を実施して安全性を確認

・ 外観にも配慮し、モール処理、壁内配線、隠ぺい施工を行う

また、プロ施工では作業完了後に動作試験と保証書の発行が行われます。
工事業者によっては1〜3年の施工保証を付けている場合もあり、不具合が発生しても無償で再調整や交換対応を受けられる点が大きなメリットです。

DIYとプロ施工の違いを比較

【DIYとプロ施工の比較一覧】

項目DIY施工電気工事士による施工
安全性感電・漏電の危険あり国家資格による安全管理
配線品質接触不良・断線リスク高専用工具で確実な結線
防水処理不十分で劣化しやすいコーキング・防水ボックス施工
通信品質ノイズや遅延が発生LAN規格に基づく安定通信
法令遵守違反の可能性あり電気工事士法に準拠
アフター対応なし保証・点検サービスあり

 

このように、短期的なコストだけを重視するとDIYが安く見えるものの、長期的な運用・安全性・メンテナンスを考えると、プロ施工の方が結果的にコストパフォーマンスが高いことがわかります

法律上の資格要件と注意点

インターホン工事では、扱う電気区分によって必要資格が異なります。

【インターホン施工に関わる主な資格】

工事内容必要資格補足
AC100V電源工事第2種電気工事士以上分電盤・配線接続を扱う場合
LAN配線工事工事担任者推奨通信設備やネットワーク構築
PoE給電型施工電気通信設備工事知識LAN+電源供給両対応
無線通信設定無線従事者・電波法準拠Wi-Fi設定・電波干渉管理

 

このように、最新のインターホンは「電気工事」と「通信工事」の両面を兼ね備えており、複数の資格・専門知識を組み合わせて施工する必要があります
そのため、信頼できる電気工事業者を選ぶ際は、電気工事業登録証・資格保有証・工事保険加入状況を確認すると安心です。

プロに依頼することで得られる5つのメリット

最後に、プロ施工による主なメリットをまとめます。

【電気工事士に任せるメリット】

1. 感電や漏電のリスクを完全に回避できる

2. 防水・耐久性を考慮した長寿命施工が可能

3. LAN・PoE配線など最新規格にも対応できる

4. メーカー保証・施工保証が両方適用される

5. アフターメンテナンスや点検が受けられる

特にPoE給電型やスマート連携インターホンなどのDX対応機種では、施工品質が通信安定性に直結します。
施工不良によるデータ損失・誤作動を防ぐためにも、電気工事士に依頼することは「安全投資」と言えるのです。

 


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顔認証やAI解析も可能に?DX時代のインターホン電気工事とは

インターホンは今、単なる「呼び出しボタン」から高度なAIとIoTを融合した通信デバイスへと進化しています
DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が住宅やオフィスにも広がり、インターホンは防犯・通信・データ管理を一体化したプラットフォームとなりつつあります

こうしたDX時代のインターホンでは、従来の電気工事だけでなく、ネットワーク構築・AI解析連携・クラウド設定などの新しい技術が求められています
ここでは、AI顔認証やスマート連携を中心に、次世代インターホン電気工事の実際と導入メリットを詳しく解説します。

DX時代のインターホンがもたらす新たな価値

従来のインターホンは「映像と音声による来客確認」が主な役割でした。
しかし、現代のDX化住宅やスマートビルでは、AIによる自動認識・データ連携・遠隔操作といった新機能が当たり前になっています。

【最新インターホンが備えるDX機能】

・ AI顔認証による自動解錠や来訪履歴の自動記録

・ クラウド保存による映像や音声データの共有、分析

・ スマートフォン連携による遠隔応答やモニタリング

・ PoE給電による電源や通信の一元管理

・ IoT機器(照明、防犯カメラ、スマートロック)との連携制御

これらの機能を実現するためには、従来のアナログ配線ではなく、LANベースのデジタル通信システムが必要となります。
そのため、電気工事と通信工事のハイブリッド施工がDX時代のインターホン工事の大きな特徴です。

AI顔認証インターホンの仕組みと導入メリット

AI顔認証インターホンは、玄関子機に搭載された高性能カメラとAI画像解析アルゴリズムを用いて来訪者を自動的に識別します。
顔データをクラウド上に保存・学習させることで、家族・社員・配送員などを個別に認識できるようになります。

【AI顔認証インターホンの主な特徴】

項目内容導入効果
顔認証登録専用アプリにて顔写真を撮影家族・従業員・常連客の識別
自動解錠認識者が近づくと自動でドア解錠鍵不要で利便性向上
来訪履歴管理日時・画像・音声をクラウド保存セキュリティ証跡の強化
不審者検知登録外の人物を警告通知侵入防止・防犯性向上

 

特に、オフィスビルや集合住宅では入退室管理システムと連携し、AIが認識した人物データを勤怠管理・セキュリティログとして自動記録することも可能です。
この仕組みを活かすことで、「防犯」と「業務管理」を一体化した運用が実現します。

クラウド連携による遠隔管理とAI解析の進化

DX型インターホンのもう一つの特徴は、クラウドとの常時接続です。
従来の録画型インターホンでは、データが本体メモリ内に保存されるだけでしたが、クラウド連携型では、リアルタイムでデータをクラウドサーバーに送信・解析・保存できます。

【クラウド連携のメリット】

・ 外出先からでもスマートフォンで来訪確認、応答可能

・ AIによるデータ解析で不審行動を自動検知

・ クラウドに履歴が残るため証拠映像として活用できる

・ 複数拠点を一元管理(マンション、店舗、オフィス対応)

さらに、AI解析技術により、来訪者の行動パターン・滞在時間・回数分析なども可能になっています。
これにより、防犯だけでなくマーケティングや入居者管理にも応用できるようになりました。

この仕組みを安全に稼働させるには、安定したLAN配線・PoE給電・通信暗号化設定など、高度な電気通信工事スキルが必要です。
電気工事士は施工時にLANケーブルの品質・通信速度・PoE容量を確認し、ノイズ対策・耐雷処理・ルーター設定を行うことで、安全かつ安定した通信環境を構築します。

スマートホーム・DXビルでの連携施工事例

DX時代のインターホンは、単独で動作する設備ではありません。
スマートロック・防犯カメラ・AIスピーカー・照明・空調制御システムなどと連携して、建物全体のIoTセキュリティネットワークを形成します。

事例 1:スマートホームでのインターホン連携

住宅用スマートインターホンを、Amazon Alexa・Google HomeなどのAIスピーカーと連携。
来訪者があれば音声で通知し、スマートロックと連動してドアを解錠。
また、照明が自動で点灯するよう設定することで、防犯性と利便性の両立を実現。

事例 2:オフィス・店舗でのDX入退室管理

クラウド型インターホンを入退室管理システムと連携し、社員証や顔認証での自動入室を実現。
来訪者データはサーバーでリアルタイム管理され、AIがアクセスログを解析。
不審なアクセスや時間外入室を検知すると、管理者へ即時通知される仕組み。

 

このような施工では、電気工事士がLAN・PoE・電源の統合設計を行い、さらに通信設定までを一貫して管理します。
配線一本の誤差でもシステム障害を招くため、DX対応の高度な電気通信工事スキルが不可欠です。

DX対応インターホン導入時の施工ポイント

最新のAI・クラウド型インターホンを導入する際は、以下の電気工事上のポイントを押さえることが重要です。

【DXインターホン工事のチェックリスト】

・ LANケーブルはCat6A以上・PoE++対応を使用

・ ケーブル配線は電源線から100mm以上離隔してノイズ防止

・ ルーター・PoEスイッチはUPS(無停電電源)対応機器を採用

・ AIデータ送信に備えギガビット通信以上の回線環境を整備

・ 防犯データ保護のため暗号化通信(SSL/TLS)設定を実施

さらに、クラウド連携型では、セキュリティ上の通信ルールやアクセス制限も重要です。
電気工事士は、施工後にネットワーク管理者と連携し、通信ポート・VPN設定・ログ保存期間を確認します。

DXインターホンの未来展望

今後のインターホンは、AI画像解析とIoTデバイスの統合制御が標準になると予測されています
すでに一部のメーカーでは、AIが来訪者の感情(表情認識)を解析し、防犯カメラと連動して照明や警報を自動制御するシステムも登場しています。
また、5G通信対応型インターホンも開発が進んでおり、クラウド処理の高速化とリアルタイム映像解析によって、完全な遠隔監視体制が可能となるでしょう。

電気工事の現場では、これらのシステムを支えるために、AI・通信・電力を融合した総合的な配線技術が求められています
DX時代のインターホン施工とは、単なる電気工事ではなく、「データインフラを設計するIT連携型の電気通信工事」へと進化しているのです。

DXインターホン工事は「未来のインフラ整備」

顔認証やAI解析を活用したインターホンは、もはや住宅設備ではなく、生活インフラの一部です
安全性・利便性・データ管理・省エネ性を兼ね備えたDXインターホンを導入するには、電気工事士と通信技術者が連携した高品質な施工が欠かせません

AI・IoT・PoE・クラウドのすべてを理解したプロが施工を行うことで、トラブルのない安定稼働と、長期的な安心・防犯・快適な暮らしが実現します。
まさに、DX時代のインターホン電気工事とは、未来の「安全と快適」を支える新たな電気インフラ整備なのです。

 

 

電気工事の未来について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!!

電気工事の未来とは?最新技術と産業構造の変化にどう対応するか

 

まとめ

ここまで、インターホンの種類・配線・交換・DX化・AI技術の進化までを総合的に解説してきました。
かつてのインターホンは単に「人の訪問を知らせる装置」にすぎませんでしたが、現代では防犯・通信・スマート連携を担う重要な電気インフラへと変化しています

1. インターホン工事は「電気」と「通信」を融合する時代へ

従来型のインターホンは、2芯配線によるアナログ通話方式が主流でした。
しかし現在は、LANケーブルを使ったデジタル通信型インターホンや、PoE(Power over Ethernet)による給電・通信一体型施工が主流になりつつあります。

この変化に伴い、電気工事士が担う業務は「電源工事」だけでなく、ネットワーク設計・通信構築・AI連携設定まで拡大しています。
つまり、インターホン工事はもはや単なる配線作業ではなく、「電気×通信×DX」を融合させた新たな専門領域となったのです。

このような高度化に対応するためには、
・ LAN配線のノイズ対策
・ PoEスイッチ容量の設計
・ クラウド設定の安全化
といった、IT知識と施工技術の両立が求められます。

2. DIYでは限界。電気工事士による安全施工が不可欠

インターホンは「見た目は簡単でも中身は高度な電気通信設備」です。
DIYでの設置や交換は、配線ミスや防水不良を招きやすく、最悪の場合、感電・漏電・火災事故につながることもあります。

特に、AC100V給電タイプやPoE給電タイプの施工には国家資格(第二種電気工事士以上)が必要であり、資格を持たない人が施工することは電気工事士法違反となります。

さらに、インターホンのように屋外設備を扱う場合、防水処理・アース施工・モール固定・LAN端子圧着などの専門知識も必須です。
これらを怠ると、たとえ設置直後は正常でも、数か月後に接触不良・ショート・映像不良といったトラブルが起こります。

だからこそ、電気工事士による安全・確実な施工が必要なのです。
プロの工事士は、設置前に電圧・導通・抵抗を測定し、施工後も通信試験やPoE電流値確認などを行い、「安全」「安定」「長寿命」を保証します。

3. インターホン交換・リフォームで得られる3つの効果

インターホンを交換・更新することで、次の3つの大きな効果が得られます。

【インターホン交換のメリット】

1. 防犯性の向上:AI顔認証・録画機能・クラウド履歴で不審者対策

2. 利便性の向上:スマホ連携で外出先から応答可能、PoEで配線すっきり

3. 省エネ・長寿命化:LEDバックライト・低消費電力回路で電気代を削減

これらの機能を最大限に活かすには、電気工事士による最適な配線ルート設計・電源容量計算・LAN規格選定が欠かせません。
例えば、古い2芯式からLAN式に交換する際、既存配線を流用できるかどうかを判断するだけでも、専門的な導通試験・絶縁測定が必要になります。

4. DX・AI時代のインターホンは「建物の司令塔」

現代のDXインターホンは、単独機器ではなくネットワークの一部として機能します。
クラウド管理・スマートロック連携・AIカメラ統合などにより、建物全体のセキュリティ制御・入退室管理・照明制御を一括で行うことが可能です。

つまりインターホンは、もはや「呼び鈴」ではなく、建物全体のデジタルセキュリティを統括する司令塔と言えます。

AI解析を活用すれば、来訪者の行動分析や時間帯ごとの傾向も把握でき、
「どの時間に不審者が多いか」「定期配達者のルート管理」といったデータによる防犯分析も可能です。
そのため、今後のインターホン電気工事は単なる施工業務ではなく、DX・AI・クラウド連携を設計・管理する知的業務へと進化していくでしょう。

5. 今後の電気工事士に求められるスキルとは?

今後、インターホン工事をはじめとする住宅・オフィス設備の分野では、AI・IoT・クラウドと電気技術を融合できるエンジニアが求められます。

【今後の電気工事士に必要なスキル】

・ PoE、LAN配線の通信規格理解(Cat6A以上の選定)

・ クラウド設定、VPN構築、ルーター管理の知識

・ AI機器の電力設計とデータ保護の理解

・ 施工後のリモート監視や保守体制の構築

こうしたスキルを持つ電気工事士は、もはや「施工職人」ではなく、DX時代のインフラエンジニアと呼ぶにふさわしい存在です。

6. これからの住宅・オフィスにおけるインターホンの未来

今後のインターホンは、AI顔認証+クラウド+センサー連携が標準化されると予想されます。
さらに、5G通信対応型インターホンが登場することで、高解像度映像をリアルタイムで配信できるようになり、防犯だけでなく介護・見守り・遠隔医療などへの応用も期待されています。

また、PoE給電技術の発展により、電源工事を最小限に抑えた省エネ施工も進化しています。
これらすべてを支えるのが、正確な電気工事・通信設計・安全管理なのです。

7. 最後に:安心・快適な暮らしは確かな電気工事から

インターホンは、家庭の安全・企業の防犯・社会の安心を守るための「最前線」です
その根底を支えるのが、信頼できる電気工事士による確実な施工技術です

配線の1本、接続の1端子、防水処理の1滴の違いが、安全性と信頼性を大きく左右します。
だからこそ、インターホン工事を検討する際は、「価格の安さ」だけでなく、施工品質・保証・資格保有・アフター体制を重視して業者を選ぶことが大切です。

AI・IoT・DXが加速するこれからの時代、インターホンは“住宅の頭脳”として、電気工事は“暮らしの基盤”として、ますますその重要性を高めていくでしょう。

【インターホン電気工事のポイント総整理】

項目内容補足
施工範囲電源配線・通信線・LAN・PoE給電電気+通信の融合施工
主要技術AI・DX・IoT連携・クラウド制御スマートホーム対応
必要資格第2種電気工事士以上/通信工事担任者無資格施工は法令違反
注意点防水・防塵・ノイズ・電圧降下対策長期安定運用の鍵
推奨施工者経験豊富な電気工事士安全・保証・品質重視

結論

インターホンの進化は、まさに「電気工事の進化」そのものです
AI顔認証やスマート連携を実現するには、確かな知識と技術を持つプロの手が欠かせません

安心・安全・快適な住環境は、正しい電気工事から始まります。
DX時代に対応したインターホン工事を行うことで、あなたの暮らし・オフィス・社会全体が、よりスマートで安全な未来へと進化していくのです。

 


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電気工事とネットワーク構築の基礎|安心・安全なLAN配線と運用
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